(株)コンピュータ・ニュース社の市場調査部門であるBCN総研は8日、パソコンの販売構成比率(台数)でノートがデスクトップを上回る50.3%を記録したことを発表した。急速な実勢価格の低下が需要を喚起し、年末商戦はノートを中心に動きはじめたとしている。
『VAIO QR』 |
『iBook』 |
BCNランキングによると、11月にノートの1台当たりの平均販売価格が20万円を切り、夏季ボーナス商戦のピークとなった7月に比べ、4ヵ月間で2万7724円低下しているという。ソニー(株)の『VAIO QR』やアップルコンピュータ(株)の『iBook』シリーズなど実勢価格で20万円を切るモデルがランキング上位に登場。この2社に引きずられるように、他社からも20万円を切る製品が登場し始めていることが大きく影響しているとしている。
パソコンの1台当たりの販売価格推移(月次) |
BCN総研ではこの低価格化がノートの需要拡大に結びついたとみている。もともと、省スペース性に優れるノートに対する需要は潜在的に高かったが、デスクトップと比較して5~10万円高いという価格差がハードルとして存在していた。また、性能的にデスクトップよりも劣るという認識があったとしている。しかし、現在は、性能面でもデスクトップに劣らず、価格面でも差のない機種が登場してきている。これらの製品の登場がノートの需要を後押ししていると分析している。さらに、アップルやソニーを筆頭に、筐体のデザイン面でも消費者にアピールする製品が多く現われたことも、ノート需要の拡大に貢献したとしている。
パソコンの販売台数構成比率推移(月次) |
11月の販売実績をみると、デスクトップは前年同月比5%減となっているのに対し、ノートは23%増と2桁の伸長をみせている。11月の時点で、デスクトップとノートの1台当たりの平均販売価格の差は3万7300円であるが、デスクトップとノートの価格差が縮まるにつれて、ノートの需要は拡大していくと予測している。