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WARLORDS BATTLECRY完全日本語版

WARLORDS BATTLECRY完全日本語版

2000年12月08日 21時02分更新

文● 中村聖司

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WARLORDS BATTLECRY完全日本語版

メディアクエスト

8800円

「WARLORDS BATTLECRY完全日本語版」(以下、WARLORDS)は、ゲームジャンルを何と称したらいいのか迷ってしまうほど、あらゆるゲームスタイルを取り込んでいる。ゲームを一見するとリアルタイムSLGの範疇に入るが、これでは本作の魅力を100万分の1も語っていない。「ファンタジー世界を舞台にしたリアルタイム制のシミュレーションRPG」がかなり近い表現だが、これでもまだ魅力20%である。なにしろ、ターン制のSLGやスタンドアロンタイプのRPG、果てはネットワークRPGのゲームスタイルも取り込んでいるため、うまい表現のしようがないのである。ほかのプレイヤーと対戦中にクエストが発生したり、戦闘中に部隊のレベルが上がったり、戦場にはプレイヤーの分身のみならず、自分で育てた部隊まで持ち込めるなど、魅力的すぎる新システムが目白押しなのだ。さっそくその魅惑のゲーム世界をご紹介していこう。

英雄の作成から始まるリアルタイムSLG

基本的なゲームのつくりはオーソドックスなリアルタイムSLGスタイルを採用している。本文中に出てくるPCゲームタイトルのいずれかひとつでもプレイしていれば何の違和感もなく楽しめるだろう。
まずは英雄を作成するところから始まる。最終的にどういう専門職に就くにせよ、初心者には平均的な能力を備えている人間がお勧めだ。種族が違うと、マップ上の容姿も異なる。

 プレイヤーが選択できるゲームモードは、キャンペーン、シングルプレイ、マルチプレイ、チュートリアル、マップエディターの6つ。ここまではオーソドックスなつくりだが、さあ遊ぼうと思ってシングルプレイを選択すると、「おやおや?」と思うはずだ。いきなり「英雄」の作成を求められるためだが、選択できる英雄は「人間」「ドワーフ」「アンデッド」「バーバリアン」「ミノタウロス」「オーク」「ハイエルフ」「ウッドエルフ」「ダークエルフ」の9種族。ここでマニュアルを広げて、その特性を確認しながらキャラ作成を行ってもいいが、まずは好みで選んで、プレイしながら各種族が持つ特性の具体的な効果を体験した方が覚えが早いだろう。



レベル2になったら専門職を選べる。「UltimaOnline」のように、あれもこれもと欲張ってキャラを作ると必ず失敗する。個人的には戦士系か召還系がオススメ。

 ちなみにこのシングルプレイは、マイクロソフトの「Age of Empires」シリーズとほぼ同じ機能を搭載しており、対戦相手(CPU)は最大5人参加(6人プレイ)までながら、AoEの白眉的機能「ランダムマップ」を搭載しており、飽きなく遊べる。一方のマルチプレイは、対人戦が可能なほかは機能的にはシングルプレイと同じなので、AoEと同様にマルチプレイに向けての練習モードといった意味合いが強い。しかし、WARLORDSの場合は、戦場にプレイヤーの分身である英雄が登場するため、練習モードとはいえど1プレイの重みがまったく違ったものになっている。というのは、この英雄は戦闘によって経験値を獲得し、レベルが上がっていく。そして、ここが本作の魅力のひとつでもあるのだが、この英雄はシングル/マルチ共用になっているのだ(キャンペーンを除く)。つまり、シングルプレイでコンピュータを相手に育てた英雄を、そのまま対人戦に投入することができるわけである。



シングル/マルチ共通の設定画面。画面右下のバーで初期部隊購入ポイントを決める。勝利条件やハンデの設定などさまざまなオプションが用意されている。

 英雄のレベルが上がると、まずは「職業」に就き、次に各職業から細分化された「専門職」に就く。それ以降は、各専門職ごとの特殊能力を覚えていくことができる。職業はウォーリアー(戦士系)、ウィザード(攻撃/召還魔法系)、プリースト(回復/補助魔法系)、ローグ(その他)の4タイプから選択でき、さらにそれぞれ3~6種類の専門職が用意されている。英雄の能力は、ストレングス(腕力)、インテリジェンス(知能)、デクスタリティ(敏捷)、カリスマ(魅力)という4つのパラメータによって定められるが、この基礎値を決めるのが“種族”であり、ある特定のパラメータに磨きを掛けるのが“職業”であり、磨かれたパラメータをさらに研磨し、さらにそれに見合う特殊能力を獲得するのが“専門職”というわけだ。



英雄の主な仕事は建物の建設と、資源採集施設の「占領」。画面はちょうど占領が終わったところの様子だ。

 ここまでくるともはやスタンドアロンタイプのRPGもびっくりの凝りようといえるが、本作にはこのさらに上があるから困る。英雄の戦場での能力値、つまり彼個人の攻撃力や移動速度、対魔法防御といった野戦攻城の際に必要になる「技能」は、4つのパラメータのうちの2つの足し算で算出されるのだ。これ以上の詳しい話はゲームマニュアルに任せたいが、WARLORDSのマニュアルは実に読みでがある。英雄作成のためのマニュアル熟読作業が大変楽しく、読んでいくうちに「ゴーレムやエレメンタルを召還したい」「第1線で指揮するためにHPは高くないとな」「回復魔法は絶対欲しい」「人間の『騎士の生産コスト半額』は捨てがたいな」「ハイエルフ、かわいいな」とあらゆる欲求が噴出し、まるで決まらないのである(笑)。個人的な経験から言うと、何でもいいからとりあえずプレイしてみて、自分のプレイスタイルを感得してから、必要な能力や技能、特殊能力を絞り込んでいった方が断然早い。

 このように、英雄の育て方は膨大な選択肢が用意されており、人気の高い種族/専門職というのはあっても、まったく同じ能力を備えた英雄を操るプレイヤーに、ネット上で会う可能性は限りなくゼロに近いと思われる。ちなみにレベルの上限は20で、レベル20の英雄は、それこそゲームを一気に終わらせる凄まじいパワーを備えている。が、実際にはそれを防止するために、ゲームスタート時の初期地点には、必要最低限の資源が3本の塔でがっちり守られているため、一気呵成に敵を覆滅することはできないようになっている。



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