日本アイ・ビー・エム(株)とインフィニオンテクノロジーズジャパン(株)が7日付けで発表した報道資料によると、米IBM社と独インフィニオンテクノロジーズ社は7日(現地時間)、磁気を用いた半導体メモリー技術“MRAM(Magnetic Random Access Memory)”の共同開発計画を発表した。
MRAMチップの拡大写真 |
MRAMは、磁気を用いてデータを記録する半導体メモリーで、磁気トンネル接合の技術を応用したもの。DRAMと同じくらいの高密度と低コスト、SRAMと同等のスピードを兼ね備えるとしている。また、フラッシュメモリーと同様に不揮発性の記憶特性を持ち、データを保持するための電力が不要。このため、パソコンのメモリーにMRAMを採用すると、DRAMやSRAMに比べ消費電力が抑えられ、HDDからのOSの読み込みも不要になり起動時間が短くなるという。
MRAMの原理図。上がデータの読み取りの原理。下がデータの書き込みの原理 |
今回発表された共同開発計画では、IBMのMRAMの研究成果と、インフィニオンの高密度半導体メモリーの実績を組み合わせて、MRAMチップを製品化。2004年には、MRAM製品を出荷するとしている。なお、IBMは、'74年から磁気トンネル接合の研究を行なっており、'98年にMRAMチップの試作に成功した。また、インフィニオンテクノロジーズは、ドイツのミュンヘンに本社を置き、通信機器、自動車電装、産業機器用の半導体デバイスや、コンピューター用の半導体メモリーを供給している企業。