イーエムシージャパン(株)(以下EMC)は6日、SAN(Storage Area Network)とNAS(Network Attached Storage)の特徴を併せ持ち、ファイル共有を実現するソフト「HighRoad」を発表した。出荷は同日から。あわせて、これまでのラインナップになかった中規模向けのNAS製品「EMC Clarix IP4700」を発表した。
コントロールとデータ転送で使い分け
「HighRoad」は、ファイルサーバ「EMC Celerra File Server」と組み合わせて利用するソフトウェアだ。SAN環境に接続されたストレージに対して、コントロールはIPネットワークからCelerraを介して行ない、データ転送はSANを介して返す。SANは、ファイルのブロック転送を行なうアーキテクチャであり、ファイル共有を実現するファイルレベルの転送には対応していない。それをこのソフトにより実現できる。
また、IPネットワークですべてを処理するNASと比べると、情報量が増加した場合でもIPネットワークの帯域幅、速度がボトルネックにならずに済むという。データの転送は、すべてをSAN経由とすることも、小さいファイルはIPネットワークへ、大きいファイルはSANへという使い分けも可能としている。
「直接接続、SAN、NASのどのストレージにも中立に対応していく。最近ではこれらの境界線もぼやけてきている」(EMCのDick Wolven社長)と語った |
EMC Clarix IP4700は「NetApp」対抗製品
「EMC Clarix IP4700」は、日本ネットワーク・アプライアンス(株)のNAS製品「NetApp」「NetApp Cluster」に対抗する製品だ。ニュースリリースの中では、「競合製品より手頃な価格で、先進の高可用性機能、優れた拡張性、上限10分の迅速なインストール時間」と、うたっている。
EMCはこれまでもハイエンドなNAS製品は提供していたが、NetAppと競合するような中規模向けの製品は出荷していなかった。EMC Clarix IP4700は、その規模に向けた製品で、288GB~最大2.88TB(テラバイト)に対応する。価格は非公表。
EMC Clarix IP4700 |