シングルバイナリ
Office 2000と同様、Office 10の実行可能プログラムはすべての言語版で共通である。[Office 10言語設定]オプションを使用することにより、日本語版を英語版にすることもできる。
Office 10ベータ1では、日本語、英語、中国語、イタリア語、フランス語等に対応可能な「ランゲージパック」が付属している。
これを適用すると、メニューやダイアログボックスなどの文字は設定した言語に変更され、その言語独特の機能も使用できるようになる。
フラットスタイル
Microsoftは、WindowsやWindowsアプリケーションのユーザーインターフェイスを少しずつ変更しているようである。
たとえば、次期Windowsである開発コード名「Microsoft Whistler」では、スタイルを変更することにより、スタートメニューやポップアップメニューなどをフラットスタイルに変更することができる。
Office 10でも、この新しい「フラットスタイル」が採用された。メニューバーのメニューや、編集中に右クリックして表示されるメニューもフラットスタイルに変更されている。
開発コード名「Microsoft Whistler」については、「NTカーネル搭載、次期Windows「Whistler」ベータテスト開始」を参照。
[新しい文書]ドッキングウィンドウ
Office 10の各アプリケーションでは、起動時に画面の右側に縦長の「[新しい文書]ドッキングウィンドウ」が表示される。
これは、新しい文書の作成を、より簡単にできるようにするためのものである。この[新しい文書]は右端にドッキングされているが、普通のツールバーのようにドラッグして画面内の任意の場所に移動したり、他の場所にドッキングすることができる。
この[新しい文書]ドッキングウィンドウは[作業ウィンドウ]とも呼ばれ、文書の編集中はいろいろな作業を素早く行なうことができる。
Officeワトソン
文書の編集中にエラーが発生した場合など、「不正な処理を行なったので強制終了されます」や「一般保護違反」と表示され、編集中の文書が消えてしまうことがある。
これまで一般保護違反やメモリアクセス違反エラーなどが発生したときは、Windowsがエラーメッセージを出し、アプリケーションが終了していた。このエラーメッセージが、プログラムに関して詳しくないユーザーにとっては、完全に意味不明で役に立たない場合が多かった。
Office 10では、このようなエラーが発生した際、Windowsがエラーを出す前に「Officeワトソン」というプログラムがエラーをキャッチし、メッセージを表示するようになっている。
つまり、Microsoftの開発チームに、エラーとそのエラーが発生した時点の状況を自動的に送信することができるようになっているわけだ。もちろん、エラー情報を送信するかどうかは、ユーザーが選択することができる。
この機能について、多くのユーザーは送信される内容にどのような情報が含まれているのか心配になるだろうが、どのような内容が送信され、どのように使用されるのかを説明したダイアログまで付属している。
なお、この「エラー情報送信機能」は、Office 10の完成版まで残されるかどうかは不明である。Officeワトソンは、エラーが発生した後、起動していたOfficeアプリケーションを再起動する機能も備えている。