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J@pan Inc.、ベンチャー育成イベント“FUSION 2000”の最優秀賞を発表

2000年12月04日 22時09分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)リンクメディアは4日、同社が発行している英文ビジネス誌『J@pan Inc.(ジャパンインク)』主催のビジネスプランコンペティション“FUSION 2000”において、最優秀ビジネスプランを発表した。

FUSION 2000は、e-ビジネスの起業を目指す学生や社会人を対象にベンチャービジネスモデルを募集、次世代のe-ビジネスベンチャーを育成することを目的としたイベント。8月1日から9月15日までの募集期間に寄せられたビジネスプランの応募総数は167件(うち米国14件、その他海外地域5件)。応募全体のうち、初めて起業する人からの応募は64%だった。

審査はベンチャーキャピタルやインキュベーターによって行なわれ、最優秀ビジネスプランとして、スタートアップ部門ではカナダのKONOVA社が、企業経験者部門では大阪のシェア・テック(株)が選ばれた。

KONOVAのDavid Leangen(デビッド・リーンガン)氏。「企業活動において知識資産を効率よく利用することは重要。ナレッジマネジメントにAIを用いた点が評価されうれしい」

KONOVAのビジネスプランは、AI(人工知能)を利用した企業向けのナレッジマネジメントシステム。AIを利用して企業内の情報(知的資産)を検索するシステムは米国などにすでに存在しているが、既存のシステムがキーワードによる検索であるのに対し、KONOVAの検索システムは、マッピングによる情報収集を行なう点が評価されたという。マッピングによる情報収集とは、例えばインターネット上の地図検索サービスで“東京都”→“渋谷区”→“代々木”というように、分散している情報を大きなくくりから次第に絞り込んでいく形式で必要な情報を得られるというもの。

シェア・テックのビジネスプランは、歯科医を対象としたインターネットを利用したカルテ管理システムおよび歯科医院の経営管理システム。全国2000人の歯科医院と同社システムをインターネット経由で連携させ、同社がそれぞれの歯科医院の案内サービスやコールセンター業務をアウトソーシングとして請け負うというもの。同社はすでに歯科専門ポータルサイトで歯科医療の情報提供やマーケティングサービスなどを行なっており、その実績と、今後の資産投資によるさらなる事業拡大が期待されることから受賞となった。

シェア・テックのJoe Chang(ジョー・チャン)氏。「歯科医療業界は現在競争が厳しく、マーケティング活動が必要だが、歯科医院が単独で行なうのは難しい。そこでわれわれがアウトソーシングとしてマーケティングサービスを行なう」

本日都内で行なわれた授賞式で、KONOVAとシェア・テックに賞金100万円が授与された。また、リンクメディアの国内外ベンチャー企業のビジネス支援を行なう“J-Door”事業部が、海外ベンチャーから投資を受けるためのインキュベーション活動を両社に対して行なうとしている。現在、KONOVAはシーズンレベルでの資金を調達中で、シェア・テックにはスポンサー企業から東京事務所が6ヵ月提供されることが決まっているという。

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