シャープ(株)は4日、(株)アーティストハウス(※1)との協業により、来春公開予定の映画“ブレアウィッチ2”のサブ・シナリオをザウルス専用電子書籍として“シャープスペースタウン”を通じて独占先行発売すると発表した。価格は500円で、12月8日に開始予定。
※1 '98年に設立された、海外文学中心の出版社(東京都、河村充社長)。映画、音楽へも事業を拡大し、メディアミックス展開を図っているという。9月にはビー・オー・エル・ジャパン(株)と共同で、スティーブン・キングの『ライディング・ザ・ブレット』を、BOLのみで独占先行発売を行なっている。ブレアウィッチ2は、2000年1月に公開された魔女が題材のホラー・カルト映画“ブレア・ウィッチ・プロジェクト”の続編で、2001年3月公開予定(日本ビクター(株)配給)。今回先行発売されるのは、そのブレアウィッチ2の序章となる『ブレアウィッチ ラスティン・パーの告白』。通常の紙媒体の書籍としても、2001年2月に(株)角川書店から1400円(予価)で発売予定だが、今回、シャープとアーティストハウスの共同事業として、シャープが運営するインターネットコンテンツサービス“シャープスペースタウン”のザウルス専用電子書籍“ザウルス文庫”として独占先行販売を行なう。
ザウルス『MI-E1』に表示させた『ブレアウィッチ ラスティン・パーの告白』(文字サイズ設定は最大) |
文字サイズ設定小で表示させたところ。縦25文字表示が可能 |
ラスティン・パーの告白を読むためには、ザウルス文庫のビューアーソフト『ブンコビューア』(無料)と『クイックパス』と呼ばれるザウルス専用ソフトが必要(※2)。このクイックパスを購入することで、12月8日から数章ずつに分けて公開されるラスティン・パーの告白をダウンロードし、ブンコビューアを利用して読むことができる。料金は500円(税込み)で、ラスティン・パーの告白全17章をダウロードできる。料金はクレジットカード経由で、スペースタウンの利用料金と共に支払われる仕組み。
※2 購読可能なザウルスは『MI-500シリーズ』、『MI-100シリーズ』、『MI-600シリーズ』、『MI-310』、『MI-P1』、『MI-P2』、『MI-EX1』、『MI-C1』、『MI-P10』、『MI-E1』。シャープ、国内営業本部SST推進センターの谷口実所長 |
シャープ、国内営業本部SST推進センター所長の谷口実氏は「ザウルス文庫は現在、毎月5~6000本のダウンロードになるなど、ザウルスで書籍を読む、ということが定着してきた。今までは過去に紙で出版されたものを電子化してきたが、紙と同時かあるいは先行して提供できないかと考えていた。今回のラスティン・パーの告白では、3万本以上のダウンロード販売を見込む」との見通しを述べた。
アーティストハウスの楠部孝ゼネラルマネージャー |
谷口氏に続いてあいさつしたアーティストハウス、ゼネラルマネージャーの楠部孝氏は電子書籍販売としてザウルスを選定した理由として、液晶やフォントを含めた表示品位の高さ、文字の大きさや縦横自由に替えられる表示設定、ザウルス文庫販売の実績の3点を上げた。また、書籍の予価1400円とザウルス文庫での500円という価格差については「紙は、印刷、物流、倉庫などのハードコストを考えると1200~1400円にはなる。一方ダウンロード販売ではハードコストが不要なため500~700円くらいが妥当だと考えたが、今回は書籍のPRとしての意味合いもあり、低めの500円という価格に決定した」と、書籍や映画の話題づくりとしての側面もあるとしている。
シャープとアーティストハウスの協業は、このラスティン・パーの告白に限らず、映画、出版、インターネットなどのメディアミックスコンテンツの配信についての合意であり、今後は「テキストに限らない、音やイメージを付加したホラー作品やファンタジー系作品を予定している」(楠部氏)ことを明らかにした。