インターピア(株)は1日、記者発表会を開催し、2日にオープンする、高速回線を使ったネットワークゲームをメインコンテンツとする、韓国式のインターネットカフェ“Necca(ネッカ)”渋谷店を公開した。
インターピア(※1)は、韓国のサムスングループが韓国内で展開している“PC房(ピーシーバン)”と呼ばれるインターネットカフェを日本向けにアレンジしたNeccaの事業展開を目指している。
※1 インターピアは、韓国サムスングループの日本市場におけるITビジネスを統括するイー・サムスンジャパン(株)からの出資を受けて設立されたベンチャー企業。発表会であいさつしたイー・サムスン ジャパン代表取締役社長の蔡文杓(チェ・ムンピョ)氏 |
※2 コンパックコンピュータは1日付けで、インターピアに対し資本参加すると共に、Neccaに『Compaq Deskpro』を供給することを発表している。リリースによるとコンパックは今後、イー・サムスンジャパンと、韓国で成功しているインターネットビジネスを日本でも展開していくことも視野に入れた協業を行なっていくとしている。
インターピアの梅憲太朗代表取締役社長 |
発表会で事業説明を行なった、インターピアの梅憲太朗代表取締役社長は「日本型のインターネットカフェが'96年ころ登場したが、家庭と変わらない接続速度や魅力的コンテンツの不足により、ビジネスモデルとしては完全に失敗した。これに対し韓国で'97年ころから広まったPC房は、高速のネットワーク回線を用意し、ネットワークゲームをメインコンテンツとして提供し、2000年現在では1万7000店舗までになっている」、「NeccaはPC房をモデルに、ゲームなどの“オンラインポータル”としてだけでなく、イベントスペースやミーティングスペース、IT教育スペースなどの“オフラインポータル”としての機能も持たせた」と、PC房を手本にしつつもそのままのコピーではないことを強調した。
Necca店舗内のゲームゾーン |
ネットコンテンツゾーン |
さらに「Neccaは、“コミュニケーション空間”、“遊び”、“教育”の3つをキーワードにインターネットを介するあらゆる情報のステーションという位置づけ。イー・サムスンの持つビジネスネットワークとコンテンツ、PC房の運営ノウハウなどを生かし、この渋谷1号店を皮切りとして2001年に直営、フランチャイズを含めて23店舗、2003年までに累計500店舗を全国展開する」と述べ、事業展開に自信を見せた。店舗展開については、「当初は首都圏を中心とするが大阪などの大都市もありうる。学生街などでは小規模の店舗も考えている。秋葉原などではネットワークゲームに特化した店舗を出すことも考えられる」という。利用者は1日1000人くらいと見積もっており、2001年末までに5億円の売り上げを目指すとしている。
プライベートゾーン |
インターピアが韓国型インターネットカフェをそのまま持ち込まなかった理由としては、韓国では日本のゲームセンターのような娯楽施設がなく、PC房がその代わりを務める形で若者の支持を集めたことなどを踏まえ、娯楽施設の多い日本で展開するうえで独自色を打ち出すためと考えられる。韓国ではインターネット接続料の引き下げにも影響を与えたと言われるPC房だが、はたして日本版のNeccaが若者の人気を呼ぶことができるかどうかが注目される。
こちらは本場韓国PC房の店舗内 |
ソウルにある大型PC房“MEGAWEBST@TION”のエントランスゾーン。韓国では店舗の大型化が進んでいるという |
オープニングにゲストとして出演した“10(TEN)ガールズ”の皆さん。インターネット国際電話やゲームを楽しんでいた |