このページの本文へ

アリスインナイトメア

アリスインナイトメア

2000年12月01日 23時28分更新

文● 中村聖司

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 エレクトロニック・アーツ・スクウェア(株)は、ルイス・キャロル原作の名作童話「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」を題材とした3Dアクションアドベンチャーゲーム「アリスインナイトメア」の発表会を行った。

お供のチェシャ猫との会話シーン。ゲーム中はいつでも呼び出せる。
原作と同じ台詞ながら顔がひたすら怖いタキシード姿のウサギ。

 「アリスインナイトメア」は、再び不思議の国に訪れた主人公アリスが、おもちゃを武器に赤の女王(ハートの女王ではない)の支配から世界を救うという「その後」を描いた物語だ。現在では「不思議の国のアリス」というとコミカルなディズニーアニメの印象が強いが、アリスインナイトメアは、原作を忠実に再現しつつ、そこからさらにグッとホラー色を強めたものに仕上がっている。作品の代表的キャラクター「トランプ兵」などは、顔からして恐ろしく、トランプの絵が描かれた服(カードが前後にくっついている式の装いではない)には血糊がべったりついており、お供のチェシャ猫の説明には『貧相で食欲不足。おまけに虫食いの前歯。』とあるぐらいだ。ディズニーアニメ版しか知らない人にとってはまさしく驚愕の世界が構築されている。ここで誤解のないように付け加えておくと、本作の不思議の国の危機は、両親を亡くしたアリス自身の心の傷そのもので、今回の再訪は、彼女の心の傷を治すための冒険なのだ。



アリスに対するはトランプ兵。武器の構え方が堂に入っている。もう立ち方からしてかつての彼らではない様子が窺える。

 プレイヤーが操作する主人公アリスもややホラー顔だが、少なくとも3人称視点から映る後ろ姿はかわいらしい。子供服に身を包んだアリスが、後ろの結び目の紐を左右にふりふり揺らしながらゆがんだ迷宮をぐんぐん走り、おもちゃの武器を投げたり振り回したりしながら必死に戦う姿と、そのおどろおどろしい雰囲気で構築された世界観とのギャップがどこかしらおかしく、また、大いにプレイ欲をそそらせるものがある。



敵をトランプで攻撃しているところ。トランプは、「1枚投げる」と「まとめて投げる」という攻撃が可能だ。

 ちなみに、今回の発表会のために来日したAmerican McGeeによると、開発スタッフには参考資料として「ディズニー映画を見ること」を禁止し、原典のみを当たらせたというから凄い。「原作に忠実」という点ではまさしく筋金入りの作品なのだ。

水中にぐんぐん潜っていくアリス。製品版では左右の縦方向にHPのバーや武器の使用限度量のバーなどが表示される。

 アリスインナイトメアのグラフィックスは、現在最高クラスの3Dエンジン「Quake3」エンジンを採用したもの。5つに分けられた領域に30を超えるマップが用意されている。プレイ感覚はアイドスインタラクティブの代表作「トゥームレイダー」シリーズに近く、原作でもディズニーアニメでも見られなかった「アリスの大ジャンプ」を要求する場面や、水中や雪上での戦闘など、多種多様なアリスのアクションが堪能できる。



いかにも不思議の国らしい、チェスの駒が襲ってくるシーン。駒のツヤの表現など、実に丁寧に表現されている。

 最後に公開されている情報を簡単にまとめておくと、武器のおもちゃは全部で9種類。ナイフ、トランプ、サイコロ、杖、びっくり箱、ラッパ銃など、それぞれふた通りの攻撃方法が用意されており、状況によって使い分けられる。1つの武器を使う続けることで、アリスの武器スキルがあがり、同じ武器でもさらに強い攻撃が行えるようになるとのことだ。前述したお供のチェシャ猫は、いつでもどこでも呼び出すことができ、迷ったときにヒントがもらえるようだ。
 日本語版の発売日は1月25日で、価格は7980円の予定。β版を入手次第、また詳しくお伝えするつもりだ。

エレクトロニック・アーツ・スクウェア(株)
問い合わせ先 03-5436-6499



カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ