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WinDVR PCI

WinDVR PCI

2000年12月01日 22時53分更新

文● 岡本

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CPUパワーはやはり必要
もっと高速なマシンが欲しくなりそう

 さて、気になる画質と必要なCPUパワーの問題だが、これは各自感じ方に差があるので、個人的な意見として受け取ってほしい。

 まず、最初にテストを行った環境はCPUがCeleron-400MHzと動作環境としてはギリギリなレベルだったが、この状態でデフォルトで用意された録画形式は、「最良」でも解像度が320×240ドットで、ビットレートは3Mbpsというかなり低いもの。ただ、この設定ならばTV番組の録画でフレーム落ちすることも、タイムシフト再生で引っ掛かりが生じることもほとんどなく、快適に鑑賞できた。録画した映像は解像度の低さから、フルスクリーン表示にすると粗が目立って、かなり苦しい感じがしたが、ウィンドウ内で表示する分にはさほど気にはならず、逆に解像度の割にはビットレートが高いので、動きのあるシーンも実にスムーズであった。

 より高解像度でのキャプチャを行うため、CPUをPentiumIII-600EMHzに換装してみたところ、今度は「最良」で640×240ドット/6Mbpsの設定になった。この解像度だと、フルスクリーンに拡大しても粗は目立たず字幕類もはっきり認識できる。ただ、録画時のプレビューやタイムシフト再生では、少々動画の動きがギクシャクとした感じがした。もう1ランク上のCPUを用意するか、設定を「良」に変更し、640×240ドット/4.8Mbpsという環境にすれば、よりスムーズに利用できるだろう。

 さらにPentiumIII-800MHzを搭載してみたところ、デフォルトでの設定は同じものの、720×240ドット/8Mbpsでの録画もフレーム落ち無しで可能になり、すべての作業がスムーズに行えるようになった。ただ、640×480ドットや720×480ドットなど、縦解像度を480ドットにした設定で録画を行うと、まだまだCPUパワーが不足気味な印象、かなりのフレーム落ちが生じた。これらの解像度では、タイムシフト再生や録画時のプレビューができないことを考えると、この機器では一般的に使うモードではないということなのかもしれない。

録画品質を設定するメニュー。「普通」「良」「最良」の3種類があらかじめ用意され、さらにユーザー設定で細かく変更することもできる。

 一方、作成されたMPEGファイルの画質は、640×240ドットや720×240ドットで録画した動画については、元のTV表示とほとんど差を感じることなく、VHSクラスのビデオよりも確実に上といっても差し支えない。ただ、元々のTVの画質にいまいちシャープさを感じないのと、動きの激しいスポーツ映像やアニメーションなど、MPEGが比較的苦手としている種類の映像をキャプチャした場合に、やはりブロックノイズが発生し、絵が粗くなる傾向があった。その場合でも、動きに引っ掛かりが生じることはなくスムーズなまま再生でき、ノイズ自体も決して激しく目立つものではない。同種のソフトウェアによるリアルタイムMPEG2エンコードエンジンの中では、かなり優秀な部類に入ることは間違いない。

 価格は1万9800円。スリープ状態での録画予約など、メーカー製PCが持つTV機能と比べると機能的に一部劣る部分もあるものの、自作PCからメーカー機まで、PCIスロットとある程度のCPUパワーさえ持っていれば、あらゆる環境でTV番組のMPEG化やタイムシフト再生など、PCならではの方法でTVを楽しむことができる。iEPGによる録画予約など、付属ソフトの使い勝手もかなり良く、それでいて価格もまずまずお手頃な範囲に収まっているので、高い人気も納得の製品と言えよう。

パッケージに含まれる付属品。本製品にはリモコンも付属する。受光部はカードのブラケット部にあるコネクタに接続。リモコンで利用できる機能は、主にチャンネルやボリュームの変更などである。
FMラジオを受信できるソフト「Canopus FM Tuner」。機能的にはおまけ的なレベルのものと言えるだろう。
製品名 WinDVR PCI
価格 1万9800円
対応OS Windows 98 SE/Me/2000

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