TV番組の鑑賞やMPEG2形式での録画、タイムシフト再生など、最近すっかり流行となったPC上での各種のTV機能を実現するTVチューナカードが、あのカノープスから発売された。2万円を切る価格で登場したこともあり、早速ショップでも人気商品となっている。
ハードウェア的には ステレオ/音声多重に対応
今回紹介する「WinDVR PCI」は、TVチューナ付きのキャプチャカードとリアルタイムMPEG1/2エンコードソフトウェアがセットとなったパッケージで、MPEG2エンコードなど、主な機能はすべてソフトウェア側の処理で実現するタイプの製品である。
ソフトウェアでエンコードなどを行うため、必要なハードウェア環境は比較的高めとなるが、メーカーが記載している動作環境はCPUがPentiumII-300MHz、メモリは64MB以上、DirectX 7対応のハードウェアオーバーレイが可能なビデオカードが必須というもの。ただ、このレベルのCPUでは高画質の録画ができないのは明らかで、メーカーが言うところの「最高」レベルの録画には、PentiumIII-700MHzかAthlon-700MHz以上のCPUを推奨している。対応OSはWindows 98 SE/Me/2000。この種の製品としては珍しくWindows 2000を正式サポートするのはうれしい限りだが、無印のWindows 98で利用できない点には注意してほしい。
まず、TVチューナカードのハードウェア部を見ていくと、ビデオキャプチャ用として、この分野ではごく一般的なBt878互換チップを採用し、Philips製のTVチューナと組み合わせている。この組み合わせは秋葉原のパーツショップなどで販売されている1万円程度のTVチューナカードでよく見られるものだ。ただ、本カードは日本国内で放送されているステレオ/音声多重放送に対応しているのが、それらのカードとの大きな違いだ(ただし現時点では音声多重放送には未対応。ドライバのアップデートでサポート予定)。さらに、FMラジオの受信も可能である。
このほかには、カード自体背が低いタイプのものになっており、パッケージにロープロファイルPCI用のブラケットがあらかじめ同梱されているのもおもしろい。これを使えば、この形式のPCIスロットしか持たない省スペースPCにも内蔵できる。
「WinDVR PCI」のコネクタ部。アンテナ端子が2つあるのは片方がTV用でもう一方がFM用。カードにはS-VIDEO端子が用意されるが、付属コネクタでコンポジット端子にも変換できる。 |
カードにサウンド入出力端子が用意されており、この端子とサウンドカード内部の端子を直接接続することもできる。WinDVR PCIのブラケットにあるLINE-OUTとサウンドカードのLINE-INを付属ケーブルでつないでも問題ないが、どちらかの接続がないとTV録画時にサウンドが記録されない。 |