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日本ボルチモアが、企業向けセキュリティー事業の拡大をめざしコンテンツテクノロジーを吸収合併

2000年12月01日 21時57分更新

文● 編集部 佐々木千之

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電子認証事業を手がける日本ボルチモアテクノロジーズ(株)は1日、記者発表会を開催し、国内でコンテンツセキュリティー製品を販売するコンテンツテクノロジーズ(株)を吸収合併することで合意したと発表した。

春日原森代表取締役社長日本ボルチモアテクノロジーズ代表取締役社長の春日原森氏

日本ボルチモアはアイルランドのボルチモアテクノロジーズ社の日本法人で、PKI(※1)システムを提供する企業。7月にはサイバートラスト(株)と合併した。今回のコンテンツテクノロジーズとの合併は、9月14日(英時間)に発表されたボルチモアテクノロジーズがコンテンツテクノロジーズを買収するという発表を受けてのもの。ただし、実際に合併が完了する時期については未定としている。

※1 PKI(Public Key Infrastructure):公開鍵基盤。暗号キーと電子証明書を組み合わせた本人確認や、データが改竄されていないことを保証する技術。

発表会であいさつした、コンテンツテクノロジーズ(株)のアラン・シャヴェリン(Alan Cshaverien)代表取締役社長によると、同社は'99年10月に英コンテンツテクノロジーズ(株)の100パーセント出資の子会社として設立された企業で、英本社が開発・販売するコンテンツセキュリティー製品を日本で事業展開している。コンテンツセキュリティー製品とは、企業内の情報化に伴なう、不正なアクセスやウイルスの感染、相手先の確認やデータの改竄・盗聴・流出の防止などを目的としたシステムで、同社はこれまで日本で主力製品である『MIMEsweeper』の販売を行なってきた。MIMEsweeperは、金融・保険業を中心に製造業、通信業の50~60社が導入しているという。

アラン・シャヴェリン代表取締役社長コンテンツテクノロジーズ代表取締役社長のアラン・シャヴェリン氏

また、これまでは電子データのやりとりに対するチェックというものに重点が置かれていたが、ISO9000の認証を受けた企業では外部との文書でのやりとりをすべて保存しなくてはならないように、電子データについても、コンテンツを保存していくと言うことが重要になるとしている。ボルチモアテクノロジーズとの合併により、ボルチモアが持つ製品群とバンドルして提供することで、企業に対してトータルセキュリティーシステムを提供できるという。また顧客もライセンスやポリシー管理の一元化が図れるとしている。

日本ボルチモアの春日原森(かすがはら しん)代表取締役社長は、「先日、ヤフージャパンが幼児ポルノの販売事件に絡んで警察の捜索を受けるという事態となった。これを見ても、コンテンツセキュリティーが今後どんどん求められるようになることは明らか」として、コンテンツセキュリティー製品の重要性を強調した。また、コンテンツテクノロジーズとの合併により「PKIに続いて、今後の伸びが予想されるコンテンツセキュリティー製品を事業の大きな柱にしていきたい」と述べ、これまでのPKI製品に今回のコンテンツセキュリティー製品を加えることで、「すべてのシステムを企業に提供できるのは、日本ではボルチモアしかない」と自信を見せた。

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