「CUSTOM PC WORLD 2000」が秋葉原の駅前広場で、11月25日から26日まで開催されている。盛り上がりはAKIBAXほどではないが、マザーボード各社の新製品やDDR SDRAMなどこれから注目の製品がズラリ。また、中央ステージでは恒例となったイベントが各種催されている。その一部を、ここにレポートしよう。
(TEXT:寶諸宏)
「もらえる」イベントが大人気
イベントスケジュールをチェック |
会場中央に位置するイベント会場ステージでは、出展ショップや協賛企業によるプレゼンテーションやアトラクションが午前中から夕方まで開催されている。内容は自作講座から、ゲームアトラクション、製品プレゼンテーションなどさまざまだが、グッズがいただけるおいしいイベントでは、黒山の人だかりとなる盛況ぶり。特に25、26日の両日開催されるエンディングイベント「お買い上げ大抽選会」は要チェック。秋葉原電気街の指定協賛ショップで対象商品を購入すると参加チケットがもらえ、運がよければ豪華賞品がゲットできる。このほか、期間中はスタンプラリーチャレンジも行われている。協賛ショップを回って3色のスタンプを揃えれば抽選コーナーで景品の当たるスピードくじにチャレンジできるという、これまたおいしいプレゼント企画である。
AMDブースでエンブレムをゲットしよう
重厚感のある金と銀の限定版金属製エンブレム。金がAthlon、銀がDuron |
AMDブースでは、アンケートに答えた人にAthlonエンブレムを提供中。また、提携ショップでAthlon、DuronかこれらのCPUを搭載したPCを買うと、限定版の金属製エンブレムをプレゼントするというキャンペーンも行っている。AMDでは11月17日から先着1,000名限定でキャンペーンとしてK6などの復刻エンブレム6枚セットがもらえるというSlotA Athlon売り尽くしキャンペーンも行っていた。こちらはすでに売り切っているショップも多いと思われるが、チェックしておく価値はあるだろう(http://www.amd.com/japan/events/slotathlon.html)。このほか、AMDブース奥ではi850 + Pentium 4-1.4GHz + 128MB RDRAMとAMD760 + Athlon-1.13GHz + 128MB DDR SDRAMで3D対決も行われていた。もちろんデモしているだけあって、Athlonの方がハイスコアをマーク。
アンチーク(?)なコタツPCはいかが
どこからどう見てもコタツ。左右に貼り付けられた絵ハガキのようなものは、フラットタイプのフォトフレームスピーカー「MS-300」 |
日本エイサーのAOpenブースでは、古い電気炬燵の木製フレームを利用した自作マシンを展示。エンジン部分はMK33(KT133のMicroATXマザーボード) + Athlon800MHzというあまり変とはいえない組み合わせだが、かなり使い込まれ年季の入った木枠の色あせ具合が、生活感を感じさせて泣かせる。
まさか、これがスイッチ? |
使用しているデバイスはAOpen尽くしで、VGAカードPA3000PF(RIVA TNT2 m64)、LANカードAON-325F、モデムカードF56FSと、すべてロープロファイルブラケットの拡張カードで統一しているのも特徴だ。それにしても、コタツケースとは。10月中旬に東京ビッグサイトで開催されたWorld PC Expoでも、ピンク色PCBのマザーボードを出展して周囲をあっといわせたAOpenらしいアピールといえる。「市販パーツを揃えて組み立てるだけが自作ではないでしょ、来週の日曜日でも、ひとつ変わったマシンを作ってみませんか」的出展。美的センスは怪しいにしても、想像力と創造力がちょっぴり刺激されるかも。
メルコがDDR SDRAMと「究極のオーバークロックツール」をデモ
展示されていたDDR SDRAMモジュールのチップはSAMSUNGとNEC |
11月24日にBUFFALO DD266/DD266-EシリーズDDR SDRAMを公式発表したばかりのメルコブースでは、さっそくこのモジュールをGigabyteのマザーボード上でデモしている。DD266/DD266-Eシリーズの発売は発表通り12月下旬ということで、11月末にも発売されるのではという期待は、残念ながら幻に終わった。
これがノート用200ピンDDR S.O.DIMM |
このほかメルコブースでの注目は、ノート用の200ピンS.O.DIMMの展示だ。200ピンS.O.DIMMはメルコ自身がJEDECの標準規格策定に携わっているためか、気合いの入れ方も違う。過去、ノート用のメモリモジュールは完全に規格が統一されなかったため、メーカーや機種を変更するとメモリの流用がきかないことが多かったが、DDRではぜひ規格乱立ということがないようにしていただきたいものである。メルコといえば、ライバルはアイ・オー・データ機器。こちらは会社としてのブース出展こそなかったが、ユニティのASUSブースで、A7M266によるDDR SDRAMのデモ展示を行っていた。
“オーバークロックシール”の購入引換券。メルコブースで引換券をもらって提携ショップ(11月25日はOVERTOP II)に行くと、498円でこのシールが買えるそうだ |
メルコブースで、肝心のDDRモジュールよりも人気が高かったのが、オーバークロックシールという怪しいツールである。SocketA用Athlon/Duronの倍率変更はCPU表面のL1ピンを鉛筆などでなぞって導通させるのが一般的な手法のようだが、これは金魚すくいのポイみたいなもので、使っているうちにいつ破れる(導通がなくなる)か分からない不安定さがあった。そこで、シールに金属線を仕込んで貼り付けるという方法で「安定」させたのが、このオーバークロックシールである。シールには、ピン幅に合わせて4本の金属線が絶妙な位置に貼り付けられている。単純な仕組みだが、確かに確実に導通できそうである。しかし、ショップレベルならともかく、メルコのようなメーカーがオーバークロックを奨励するのはマズいんじゃないかとスタッフに訊ねると、「このイベント期間中だけですから」とのこと。この記事を読んで、ほしいと思った人は、メルコブースへ急ごう。