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アクセス制御製品の新興企業「Redback Networks」

2000年11月25日 17時45分更新

文● NETWORK MAGAZINE 金子

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11月の上旬、米国の通信機器ベンダーRedback Networksによる、アジアパシフィックを対象とするプレスツアーが開催された。これは、同社の製品およびアジアパシフィック地域での戦略をプレスにレクチャーするもので、日本をはじめ、韓国、中国、台湾、シンガポールなどから20名以上のプレス関係者が参加した。



Redback社屋写真
カリフォルニア州サニーベルにある社屋。広い駐車場や通りを挟んだ向かいにも、同じような建物が並んでおり、多くの新興企業が集まっている。

Redback Networksは、1996年設立の新興ネットワーク機器ベンダーであり、現在の社員数は全世界で1000名以上だという。売り上げは、1998年に920万ドルが、翌1999年には7倍の6430万ドルに達し、さらに、2000年に入ってからは第3四半期単体で8060万ドルという急成長を行なっている。株式公開は1999年。Sourthern BellやKorean Telecomといったキャリア、UUNetやPSINetといったサービスプロバイダを顧客に持つ。

プレスツアーでは、CEO兼社長Vivek Ragavan氏による会社概要の説明、各製品担当者による製品の解説、そして、アジアパシフィック担当副社長Steve Young氏による同社のアジア戦略についてのプレゼンテーションを受けた。さらに、インタビューを行なうことができたので、その模様もお伝えする。



サブスクライバー管理システムというジャンルを開発

Vivek Ragavan氏写真
CEO兼社長Vivek Ragavan氏。同氏は、Redbackが1996年に買収したSiara Systemsの元CEO。買収先のトップが買収元のトップになるのは、さすが米国!

Redbackは、サブスクライバー(サービスの加入者)の認証やサブスクライバーごとの帯域制御を行なう“サブスクライバー管理システム”「Subscriber Management System」と共に誕生した。最近は、CATVインターネットのバックボーンの不足からユーザーの帯域確保が難しいという状況があるが、このような問題を解決するのがサブスクライバー管理システムだ。同製品はアクセス網からバックボーンに接続する点に設置を行なうもので、特にブロードバンド(広帯域)のアクセス網をターゲットにしている。

ナローバンド(狭帯域)のインターネット接続サービスでは、アクセス回線に対してバックボーンに余裕があるため、帯域制御を行なわなくてもあまり問題は生じない。しかし、ブロードバンドの接続サービスでは、多くの場合アクセス回線に対して細いバックボーンを多くのサブスクライバーで共有しなければならないことがある。そのため、一部のサブスクライバーによる帯域の専有といった問題が発生することがあるため、帯域制御が重要になってくるという。

Ragavan氏によれば、「我々が、このサブスクライバー管理システムというジャンルを開発した。Dell'Oro Groupの調査によれば、この分野におけるシェアは、Nortel NetworksやCisco Systemsといった通信機器大手をおさえ、No.1である」という。

また、サブスクライバー管理システムにとどまらず、1999年にSiara Systems、2000年にAbatis Systemsとたて続けに買収を行ない、メトロポリタンエリアネットワークをはじめとした光ネットワークの分野への参入を行なっている。

主な顧客はキャリアとサービスプロバイダ。米国では、サービスプロバイダとして米国第2位のISPのEarthLinkやPSINetなどがあり、キャリアではベル・アトランティックやベル・サウス、クエストなどがある。全世界での販売実績は4000台だという。



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