Microsoftは、次世代テクノロジー「Microsoft.NET」の中で「ユニバーサル・キャンバス」(Universal Canvas)というテクノロジーを発表した。そして、次期バージョンである「Internet Explorer 6.0」は、ブラウザに実装されたユニバーサル・キャンバスであり、NTカーネル搭載の次期「Windows Whistler」に搭載予定と言われている(現在ベータテスト中の「Windows Whistler ベータ1」に搭載されているのは、「Internet Explorer 5.6」)。
では、このユニバーサルキャンバスとは何かと言うと、「Microsoft.NET」の新しい実行環境であり、アプリケーションの動き(ふるまい)を標準化する役目を果たすものと考えられる。そして、ユニバーサルキャンバスの上には、新しいアプリケーションフレームワークである「Webパーツ」が搭載されている。
そして、この「Webパーツ」は何をするのかと言うと、さまざまなふるまいをするアプリケーションをラッピングして「標準化」し、同じように見せて管理してしまう。少し難しく表現すると、「Webパーツは、COM+のオブジェクトをラッピングするための、一種のCOM+オブジェクト」と言ってよい。そして、このWebパーツ(COM+オブジェクト)は、さまざまなふるまいをする(プロパティを持つ)アプリケーションの4つの要素、「記述」「ふるまい」「表示」「記録」を標準化してしまう。
そこで、ユニバーサルキャンバス上では、そのばらばらなふるまいをするアプリケーションがラッピングされ、標準化されて実行されるわけだ。アプリケーションを動かすために必要な情報、つまり、表示はどうするか、サイズはどうするか、ふるまいはどうするか、ウィンドウコントロールはどうするかといった情報を、すべて標準化してしまうわけだ。
当然のことながら、ユニバーサル・キャンバスはブラウザ上で実装される。たとえば、最新の「MSN Explorer」はユニバーサル・キャンバスとは呼べないが、その雛型になるものと考えられる。
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MSN Explorer最新版。このGUIは、将来のWindowsに採用されると言われている |
