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マイクロソフト(株) : 磯貝 直之氏/篠木 隆一郎氏

Windows 2000チーム徹底インタビュー (その5) アプリケーションとマクロの発展が、次の段階に到達した~Visual Basic for Applications~

2000年12月04日 03時56分更新

文● 聞き手、構成:MSDN Magazine編集部

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[編集部] 「Office 2000 Developer」のお話を磯貝氏に伺いました。「COMアドイン」といった開発者にとって便利な機能が搭載されているというお話だったのですが、前提としてあるのが、Officeアプリケーションをプラットフォームとした「カスタムアプリケーションの開発」ということでした。

 Officeを使ってカスタムアプリケーションを開発されている方々にとっては、Visual C++の最新バージョンへの関心よりも、もしくはOSであるWindows 95/98やWindows 2000の最新機能の知識よりも、実は自分の開発したアプリケーションが、プラットフォームとしてのOfficeの上で動かなくなることのほうが切実な問題であり関心が高い。OSとしてのWindowsよりも、もう少し手前の身近な問題として、OfficeのExcelなりWordなりといったアプリケーションがかなり重要な環境になっている。そこで、登場するのが「Visual Basic for Applications」ですが、OfficeアプリケーションでVBAを使って、カスタムアプリケーションを開発する方々に、VBAについてお話をしていただければと思います。

磯貝 直之氏/篠木 隆一郎氏
[磯貝] 「Visual Basic for Applications」を考えた場合、対象とするユーザーには2種類考えられます。まず、今おっしゃられたようなOfficeプログラマやOfficeユーザーの方々が一番目の対象となります。この方々は、VBAを使ってソリューションを構築するとか、ちょっとしたマクロで自動処理を実行するといった利用形態を取られています。これは、「Office 2000 Developer」のインタビューでも話があったかと思いますが、「Office 2000 Developer」の各種機能でアプローチできることです。

 それ以外には、「Visual Basic for Applications」をアプリケーションに組み込む場合が考えられます。VBAでパッケージアプリケーションを開発する場合や、企業内でアプリケーションを開発された方が、自分が作ったアプリケーションの機能をユーザーに公開するために、VBAを組み込むといったケースです。

 以上のように、VBAをマーケティングという観点から見た場合、VBAユーザーとVBAを組み込む開発者の2種類のケースが存在することになります。しかし、この2種類のケースを比較すると、まったく異なる世界なわけです。もちろんアプリケーションに組み込むことができるといったスキルを持っていれば、当然マクロを組むこともできるでしょうから、VBAユーザーにもなりうるわけですが、逆のケースはまずあり得ない。我々のアプローチにしても、どちらかというとユーザー人口の多いほうを中心にしていますから、マーケティング活動から考えると、必然的にVBAユーザーがメインになってしまいます。

[編集部] 今お話にありました、VBAをアプリケーションに組み込む際の、ライセンスの問題について説明していただけますか。アプリケーション開発に非常に近い部分であると感じます。この場合、互換ロゴといったものが取得できるんでしょうか。そして、具体的にVBAを組み込んで搭載したアプリケーションというのは、何製品くらい市場に出ているのでしょうか。
[篠木] まず、ライセンスについて説明しましょう。ライセンスは有料なので、まずSDKを入手して、自分の開発しているアプリケーションに組み込めるかどうかを調べる必要があります。このライセンスに関してサポートを行なっている会社が、米国に2つありまから、そこにアプローチして、テクニカルサポートを受ける。そして、VBAを組み込んだアプリケーションのパッケージソフトを発売する際には、マイクロソフトとライセンス契約を結んで、ライセンス料金を支払っていただくといった流れになります。今お話したVBAに関するライセンスをサポートする会社は、マイクロソフトが業務委託を行なっている会社です。この流れに沿って開発していただき、契約をしていただければ、パッケージにはVBAのロゴを付けることができます。このロゴを取得したアプリケーションは、米国のホームページで公浮z楫ている分ですと、すでに約100製品以上出荷されています。

 日本を見てみると、米国版のアプリケーションをローカライズされている場合を除くと、現在、横河電機、そしてまだ未発表ですが、現在4社が開発中です。この数が増えれば増えるほど、VBAのアプリケーションを開発しようと考えていただける開発者も増えると考えています。つまり、VBAが標準の言語として認められれば認められるほど、それが自分が開発したアプリケーションに搭載されていれば、ユーザーによりよい機能が提供できるようになるわけですから。

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