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【INTERVIEW】CAのToby Weiss上級副社長に聞く――“ASPの缶詰”を初披露

2000年11月20日 20時28分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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米Computer Associates(以下CA)の上級副社長であるToby Weiss氏は20日、東京・新宿にあるコンピュータ・アソシエイツ(株)のオフィスでグループインタビューに応じてくれた。ASPに注力しているCAの戦略やアジア市場について聞いた。

photo米Computer Associatesの上級副社長であるToby Weiss氏

ASPに対して新しいインフラを提供していく

[Weiss氏(以下A)] CAは、ASPの分野でここ2年ほど積極的な活動を行なってきている。ASPは、エンドユーザーへのソフトウェアの届きかたを根本的に変えるものと考えている。ASPの利用拡大は、コスト削減だけでなく、企業がコアビジネスに集中したいという姿勢の表れでもある
[A] ASP業者は、複数の会社を、複数のアプリケーションをサポートしていかなければならない。CAはそこに新しいASPのインフラを提供していく必要性を感じた。それで、ican-ASPを作った。ican-ASPでは、課金やサービスレベル管理、プロビジョニング、シングルサインオンといったインフラや技術を提供していく。同社のインフラを利用すると、CAやサードパーティのアプリケーションをASPで提供できるようになる

ASPの缶詰!!

[A] インフラや技術をどのようにパッケージしていくかというと、「ASP in a Can」という実際に缶に入れて出荷している。これはすばやくインフラをセットアップすることが可能だ

業務に必要なソフトウェアを統合してアプリケーションスイートとして提供するように、ASPに必要なソフトウェアを統合してスイートとして提供するのが「ASP in a Can」というわけだ。

image
日本初公開(?)のASPの缶詰「ASP in a Can」
[Q] 日本でも「ASP in a Can」は提供されるのか?
[A] 現在のバージョンを提供することは可能だ。これは北米で大変需要がある。日本ではサイノミクス(株)が最初の顧客になってくれるのではないだろうか。同製品は最初からダブルバイトに対応している
[Q] 日本でのASP展開はどのようになっているのか?
[A] 2つの分野があると思う。1つはキャリア、もう1つはグループ企業での利用だ。純粋なASPも展開していこうと思っているが、具体的にはまだ話せない
[Q] 数年後には今あるASPのほとんどが淘汰、合併で消えるという調査結果があるが、CAはパートナーのASPが勝ち組に残っていくために継続的にコンサルティングやビジネスプランの見直しに力を貸すようなことを行なっていくのか?
[A] CAは今のところ、ASPのインフラを提供していくに留まっている。立ち上げ時には、ビジネスモデルやインフラの構築に知識や技術を提供している

日本市場は保守的で品質に厳しい

[Q] アジアと欧米市場には違いはあるのか?
[A] 世界中どこでも顧客の抱えている問題は同じだ。日本は様子見をしている傾向が強いようだ。成功事例を見極めようとしている。一番最初に飛びついて失敗するのを避けようという姿勢がみえる。また品質面の要求も厳しい。日本はITに限れば小さなコミュニティだ。一度信頼を失うと残ることは困難だ
[Q] CAは運用管理の会社であると認識していたが、Jasmine iiのあたりから何の会社か判断が難しくなった。CAはどこへ向かっているのか?
[A] 幅が広いということはそれだけ顧客のニーズに応えることができるということだ。強みだといえる。Webサイトの管理やeビジネスのセキュリティ、ネットワークの管理、ジョブの自動化などでCAはナンバー1の地位にある。eビジネスの会社と思ってもらってよいだろう
[Q] ありがとうございました

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