このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

PCV-LX80/BPK

PCV-LX80/BPK

2000年11月20日 11時26分更新

文● 山崎

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

PCV-LX80/BPK

ソニー

オープンプライス
35万5800円(Sony Styleダイレクト価格)

2000秋冬モデルで新たに登場したLXシリーズは、これまで発売されていたコンパクトPC「VAIO Lシリーズ」の後継モデルである。最上位機種「PCG-LX80/BPK」は、これまでの音声入力機能に加え、ペンタブレット機能を内蔵した液晶ディスプレイを採用することでより使いやすさを追求し、究極の家庭用PCを目指したモデルだ。

液晶ペンタブレットの採用でこれまでにない操作性を実現

 LシリーズのフルモデルチェンジとなるLXシリーズは、コンパクトなブックタイプの筐体、支持脚に2つのヒンジを持つデジタル液晶モニタ、カバー付きキーボードといった基本的なスタイルはそのまま継承しつつ、本体や液晶モニタのデザインを一新しての登場だ。LXシリーズの基本コンセプトは、Lシリーズ同様にレイアウトの自由度が高くシンプルに設置でき、初心者でも簡単に使い始められることを追求した製品となっている。

右手にペンを持ち左手でShiftキーなどを操作する、一般的なLX80を使うときのポジション
タブレットを使って絵を描く場合も液晶を最大まで傾ければベストポジションが取れる。右手にペンを持つときは、液晶の下にキーボードを少し左にずらして置いておくと、頻繁に使うShiftキーやCtrlキーへのアクセスもスムーズに行える。

 PCG-LX80/BPKのペンタブレット機能を搭載した液晶モニタは、外観上は他のモデルに採用されているものと違いはない。通常どおりPCの画面を表示し、なんら違和感なく利用できる。ワコムとの共同開発となる液晶ペンタブレットは電磁誘導方式を採用しており、感圧方式タイプとは異なり液晶表面にセンシング用のフィルムを必要としないため、日立製作所のスーパーTFT液晶パネルを採用した液晶の画面表示も非常にクリアだ。また電磁誘導方式のタブレットは、専用のペンにしか反応しないため、パネル面に手を付けてペンを操作できるのも大きな特徴だ。このため微妙な線を描きたい場合などでは、液晶パネルの上に手を置いて確実な操作を行うことが可能である。しかも256段階の筆圧感知にも対応しているので、ペンを押し当てる強弱によって描画する線の濃さや太さを思いどおりに描き分けられる。さらにプリインストールされている、Adobeの「Adobe Photoshop 5.0 LE」や、Corelの「Painter 6J」、VAIOオリジナルソフトの「PictureToy 1.0」などのフォトレタッチソフトやペイントソフトなどでは、ペンをひっくり返してペン先とは反対側を利用すると自動的に消しゴムツールとして認識される。シャープペンシルや消しゴム付き鉛筆を使っているかのように、描画した線を消したいときにはペンを持ち替えて画面をこすることで実際の消しゴムのように利用することができるわけだ。直感的ですばらしい操作性が実現されている。

 Windowsを使うのに必要なクリックの動作は、ペン先でパネル面を突くことで行え、素早く2回叩けばダブルクリックになる。より確実に左クリックを行ったり右クリックが必要な場合には、ペンを操作するときにちょうど親指の位置にあたる縦長のボタンの上下をクリックすることで、マウスの左、右クリックと同様の操作も行える。タブレットとして絵を描いたり文字を書いたりはもちろん、通常のWindowsを操作するためのポインティングデバイスとしてもペン入力は非常に優秀である。



付属のペンはペン軸の中程にボタンを装備する
付属のペンはペン先だけでなくペンの後ろ側も消しゴムツールとして利用できる。またペンを持ったとき親指があたる部分に用意されたボタンは、両端のクリックがマウスの左右クリックに対応するので、Windowsの操作においてもマウスは不要。

 Lシリーズからの特徴であるダブルヒンジ構造を持つ液晶モニタは、パネル面を垂直から25度まで傾けられるチルト角の大きさによりレイアウトの自由度は非常に高い。しかもパネル下端を机に付けたまま25度まで表示面を上に向け、見下ろすように操作できるので、まさに机の上に広げたノートに絵や文字を書くのと同じ感覚でタブレットを利用できる。プリインストールされている音声認識ソフト「DragonSpeech Partner 4.05」を併用すれば、音声で文字を入力し、正しく認識できなかった文字だけをペンを使って修正するといった具合に、キーボードをまったく使わずにPCを操作することも可能になっている。PCはおろか、キーボードにさえ初めて触れるというユーザーでも躊躇することなくすんなりとPCを使い始めることができるはずだ。

 LXシリーズでは、使いやすさの追求と同様に設置のしやすさにおいても、PCの扱いに慣れていないユーザーやPCをすっきりとレイアウトしたいユーザーに対するいっそうの配慮が行われている。例えばLXの液晶と同じくスピーカを内蔵するLシリーズの液晶モニタでは、映像信号に加え、音声信号と電源の供給も可能な専用ケーブルを備えていた。しかしLXでは、さらに液晶モニタの台座部分に2つのPS/2ポートも装備したため、1本のケーブルでPS/2の信号も伝達するようになり、PC本体にはモニタとの専用ケーブルを接続するだけという簡単なセットアップを実現している。PC本体から伸びた複数のケーブルを机の上に引き回さなくてはならない煩わしさや、ケーブルの接続ミスなどとは無縁のPCなのである。

キーボード正面
LXシリーズに付属のキーボードはカーソルキーが右Shiftや右Ctrlキーの隣に並び、標準的なキーボードよりもサイズはコンパクトだ。Lシリーズから引き続きキーボードカバーを装備している。
最大まで傾けた液晶の下に置いたキーボード
キーボードは最大まで傾けた液晶の下にもすっぽりと収まる。ペンだけで操作する場合もキーボードは邪魔にならない。マシンの電源スイッチや、Webブラウザを起動するためのショートカットキーはキーボードの右端に並んでいるため、液晶の下に置いたままでもアクセス可能。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン