16~19日の4日間、東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催中の“オーディオエキスポ2000”では、高級オーディオ製品だけでなく、モバイルオーディオ製品など、カジュアルオーディオ製品も多く出展されている。MP3(※1)やATRAC3(※2)対応をうたった製品も多く目を引いた。
※1 MP3はMPEG-1で使われている音声圧縮規格。MPEG-1 Audio Layer3の略。※2 ATRAC(Advanced TRansform Acoustic Coding)は、MDに使われている音声圧縮規格。ATRAC3はATRACの圧縮率をさらに高めたもので、デジタルメモリープレーヤーで利用されている。またATRAC3フォーマットをMDに記録する“MDLP”規格も決められた。MDLPに対応したMDプレーヤーでは従来のMDの2倍または4倍の長時間録音/再生が可能。ただし、MDLPで記録されたMDは従来のMDプレーヤーでは再生できない。現在市販されている最長時間対応のMDメディアは80分だが、MDLPでは160分または320分録音/再生できる。
機能だけではなくデザインにも訴求するファッショナブルオーディオはここ数年のトレンドだが、今年も相変わらず人気を博している。特にナカミチ(株)の“SoundSpace”シリーズは卓上ステレオからホームシアターシステムまでを網羅、ナカミチらしい斬新さでどの製品も魅力的な外観に仕上がっておりかなりのインパクトがあった。
ナカミチ(株)の“SoundSpace”シリーズは卓上コンポからシアターシステムまで多くのバリエーションがそれぞれ独特なデザインによって実現されている。液晶ディスプレーやPDPもナカミチブランドで発売される。リモコンがMP3プレーヤーになっているものもある |
このほかミニコンポやCDプレーヤー分野ではCD-RWドライブ搭載が浸透しており、CDやDVDとのダブルドライブモデルや、2つのCD-RWドライブを載せたもの、CD-RWにVideoCDフォーマットで映像を記録するものなど“CDを焼く”作業が、オーディオ分野にもすっかり浸透しつつあるようだ。
アイワが参考出品した、DVDとCD-RWドライブを持つダブルドライブ機。外部映像入力端子経由でのVideoCD録画ができるほか、MPEG-2で録画するVideoCDの上位規格“SVCD”にも対応している。MPEG-1で40分、MPEG-2で約20分の録画ができる |
MP3ファイル再生機能を持つアイワのポータブルCDプレーヤー『XP-MP3』。MP3ファイルを記録したCD-RやCD-RWから直接再生できる |
デジタル化が進むモバイルオーディオ製品
モバイルオーディオでは、MDの長時間モードである“MDLP”対応製品をソニー(株)や日本ビクター(株)、シャープ(株)などがラインナップ。ラジカセから携帯プレーヤーまでカラフルな製品が出揃っていた。メモリープレーヤー分野では、ソニーがネットワークウォークマンの新型を展示したほか、松下電器産業(株)もSDメモリーカードプレーヤーのマイナーバージョンアップ版を、(株)日立製作所が三洋電機(株)からOEM供給を受けMMCプレーヤーを、アイワ(株)がCDプレーヤーにビルトインしたタイプなどを展示した。年内に発売されるメモリースティック対応ミニコンポも注目を集めていた。
日本ビクターはいち早くMDLPに対応した製品群をラインナップ。ポータブルMDからラジカセまでカラフルな製品を揃えた。ブースではATRAC3(MDLPのフォーマット)と原音の聞き比べゲームを実施していた |
日本ビクターブースで展示されていた、SDメモリーカードを使うオーディオプレーヤー。中身は松下電器のSV-SD70と同じ |
シャープのMDLP対応携帯MDプレーヤー。再生中の圧縮フォーマットによってインジケーターの光が変わるようになっている |
メモリースティックスロットを装備したソニーのミニコンポ。USB経由でPCとも接続できる。この年末に発売される予定だ |
ソニーの欧州向けのi.Link接続できるミニコンポ。PCからの操作も可能だ |
ソニーの新しいネットワークウォークマン『NW-MS9』。軽量化を図るとともに10時間の駆動を達成している |
オーディオエキスポ2000は19日(日曜日)まで開催されている。カーオーディオの専門ブースやオーディオがらくた市などの催しも開かれる。
TAやルーターでおなじみの(株)ビー・ユー・ジーが参考出品したインターネットラジオ。FTPサーバーからストリームファイルを受けて再生する |
アルパイン(株)の『DVD 099』はメモリースティック対応カーナビ。パソコン側のアドレス帳データを移してマップ上にポイントしたり、ブックマーク情報を移動したりできる |
週末にかけてスピーカー工作教室などのサブイベントも開催される予定だ。そのほか会場では中古オーディオや真空管などのパーツ類の販売会も行なわれている |