マイクロソフト(株) : 前田 義徳氏
Windows 2000チーム徹底インタビュー (その3) Windows 2000 Developerでは、MSDNにフォーカスしていきたい~Windows 2000 Developer~
2000年11月26日 05時06分更新
前田 義徳氏 |
1つ目は、Windows 2000の製品版はインストールされるPCの台数によってライセンス数がカウントされますが、「Windows 2000 Developer」は、使用されるお客様の数によってカウントされます。つまり、「Windows 2000 Developer」ご購入者お一人様のみが使用することができます。
2つ目は、「Windows 2000 Developer」で提供する「Windows 2000 Professional」を例に挙げると、お一人様が最大10台を限度としてPCにインストールして利用することができます。
そして3つ目は、その利用目的が「開発、設計、評価、テスト」に限定されているということです。
また、米国と比較して特徴的なのが、Visual Basicユーザーの中で、「Platform SDK」を使って開発していらっしゃる方が少ないという統計です。これは、私共のユーザーアンケートの結果集計や展示会、カンファレンス会場で集めたデータをもとに分析したもので、そのほとんどの方が「Platform SDK」使っていらっしゃらないということです。ここが、日本と米国のVisual Basicユーザーとの大きな違いです。私どもは、これからここの部分を強くプッシュしていきたいと考えています。現在、Visual Basicユーザーが日本で約30万人います。もちろんこの数値は製品登録をされている方の数です。Visual Basicユーザーの方々が、Windows APIを使うようになれば、米国と同じように「Visual Basic + MSDN」という構図によって、企業システムやアプリケーションがタイムリーに開発することができるようになるのではと思っています。私たちの狙いはそこにあるとともに、理想でもあるんですね。そのために、まずWin32 APIのローカライズに力を入れているわけです。
OSが新しくWindows 2000に切り替わったときに、最も影響が大きいのがPlatform SDKです。当然「Platform SDK」もWindows 2000がリリースされたことによって、改定されたAPIと新しいAPIが存在しますから、まず最新の「Platform SDK」が必要になってきます。それに伴い、SDKに付属するオンラインヘルプも、段階的に日本語化を進めています。ちなみに、Windows 2000 Developerに収録されている「ライブラリCD_ROM」、およびMSDNで配布する1月号のCD_ROMでは、今現在のAPIはすべて日本語にローカライズされています。そして、Windows 2000の新しいAPIも、現在ローカライズの作業を行なっております。
もちろん私どもは日本の開発者の皆ようにとって必要な情報を提供すべく努力しています。そのため、昨年12月より、「MSDNライブラリ」(1999年10月号)をWeb上で公開し、ご参照いただいた上での開発者の方々のご意見、ご要望を取り寄せ、よりマッチした情報を提供できるよう努め、全情報の日本語化を目指しています。このコンテンツは、ぜひ見ていただきたい。専用線で常時アクセスが可能なユーザーには、非常に便利だと思います。
また、MSDNの会員向けダウンロードサイトを、2000年6月までにオープンしたいと考えています。このダウンロードサイトでは、MSDNプロフェッショナル以上で提供するソフトウェア製品をベータ版の時点からダウンロードできるようになります。また、製品出荷時と同時にサイトにアップされるので、発売前にいち早くダウンロードできるわけです。このダウンロードサイトを利用できるのは、「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」会員以上のメンバーに限られています。
この場合、「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」の場合は、「MSDNプロフェッショナルサブスクリプション」で提供されているプロダクトしかダウンロードできません。たとえば、最新の「BackOffice」や「BizTalk Server」がアップされた場合には、「MSDNユニバーサルサブスクリプション」の会員の方のみがダウンロード可能ということになります。
もう1つ、MSDNで進めている最先端のテクノロジーの提供として、DVD_ROMでの配布というサービスがあります。このDVD_ROMでMicrosoft製品を提供することで、ソフトウェア製品の管理、インストールのスピードを高めることができます。