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ソフマップ、ECサイトをリニューアルし中古商品も販売

2000年11月07日 20時08分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)ソフマップは7日、同社が運営するECサイト“ソフマップコムストア”をリニューアルし、“www.sofmap.com(ソフマップ・ドットコム)”を11月12日にオープンすると発表した。

“ソフマップ・ドットコム”のトップページ画面

サイト上でユーザーに合った商品を提案

同社は、インターネット上でCRM(カスタマーリレーションシップ・マネージメント)を実現するため、既存のECサイトをリニューアルするという。顧客情報などのデータを利用したレコメンド(情報や商品の提案)により、顧客との継続的なコミュニケーションをサイトを通じて行ない、ソフマップドットコムをカタログショッピングサイトから同社の1店舗として進化させるとしている。

基本的なサイト設計思想は、既存のサイトと同じだ。商品検索機能では商品ジャンルを絞ったキーワード検索が可能になった。“ジャンルナビゲーション”も用意され、ユーザーが現在表示している商品とは異なるジャンルのページへジャンプできる。

商品の詳細表示画面では、画面右側に、メインの商品とよくいっしょに買われる周辺機器や、メインの商品と比較検討できる商品などをデータマイニング(情報分析)して自動的に表示できる。この商品表示は、商品によってレコメンドロジックを変更し表示するという。

商品の詳細を表示する画面。右側におすすめ商品が自動的に表示される

CRMを実現するためのユーザー専用ウェブページ“マイソフマップ”も用意されている。会員登録を行ないログインすると、ユーザーひとりひとりに適した情報や商品がレコメンドされる専用ページで、新製品ニュースやセール情報を、ユーザーの思考に合わせてデータマイニングし、興味があると思われる最新トピックスやおすすめ商品を表示できる。また、会員限定の特価セールやキャンペーン情報、商品に関するQ&Aやコラムなどを掲載したウェブマガジンなども提供する。

“マイソフマップ”の画面。ユーザーに適したおすすめ情報/商品が提案される

マイソフマップは専用ツールとして、“持ち物帳”、“買い物帳”、“ワランティ”を搭載する。持ち物帳は、ユーザーがソフマップドットコム、またはソフマップ店頭でソフマップカードを提示して購入した商品のうち、買取可能なものをすべて自動的に表示できる。他店で購入した商品も入力/編集することで登録可能。

持ち物帳に商品を登録しておくと、ユーザーが所有している商品を下取りに出した際の買取金額と、購入希望商品の価格との差額を表示できる“買取差額表示シミュレーション”を利用できる。ユーザーが購入したい商品をバスケット(サイト上の買い物かご)に入れ、持ち物帳の中で買取に出したい商品を選択すると、差額を自動的に計算して表示する。

買い物帳は、ユーザーがソフマップドットコム、またはソフマップ店頭でソフマップカードを提示して購入した商品の過去1年間の購入記録を表示できるもの。いつどこで買ったかを画面上で確認できる。ワランティは、ソフマップが行なっている商品5年間保証に入っている商品を表示できる。

サイトから買取の申し込みも可能。買取を申し込んだユーザーは、マイソフマップ上で査定の詳細結果を参照できる。また、自己査定機能も用意されており、ユーザー自身が現在の所有している商品の状態をチェックすることで、目安となる自己査定金額が表示される。ただし正式な買取金額はソフマップが査定して決定される。

ウェブでの中古販売も開始

また、ソフマップはECサイトのリニューアルに伴い、同社の中古ビジネスを融合、ウェブサイト上で中古商品の販売を開始する。中古商品は在庫に限りがあるため、単品競合型の専用バスケットを用意し、商品の在庫状況を“在庫あり”、“売約済み”、“待ち時間”と表記する。

待ち時間とは、サイトにアクセスしている誰かがバスケットに商品を入れている購入検討中の状態。取り置き防止のため、バスケットに商品を入れるとカウントダウンがはじまり、カウントダウン表示が“00:00”になると、再度在庫ありの状態に戻る仕組みとなっている。なお、中古商品の在庫は、店舗と分けて用意される。また、サイトでの中古商品販売にのみ、中古商品の有料補償制度に加入できる。

中古商品を販売する画面

EC事業売上は上半期だけで前年度を上回る伸び

同社は、2000年度上半期(2000年3月~8月)のEC事業の実績についても発表した。昨年度の同社全体の売上が1304億円で、うちEC事業は30億円であったのに対し、2000年度上半期のEC事業の売上は32億9100万円と、上半期だけで昨年の売上を上回っている。売上推移は各月とも年度比で200%を超え、また2000年3月の売上が4億2400万円、8月が7億5200万円と数値は右肩上がりで伸びており、下半期にはさらなる売上増が期待されるという。同社は2000年度の社全体の売上見込みを1475億円、うちEC事業の売上見込みを100億円としている。

同社の店舗、ECサイトを合わせた会員は現在200万人で、買上客数は店舗が月70万人、ECサイトが月6万人。同社の売上の78%を会員ユーザーが占めており、50万~60万円の高額商品を購入するユーザーの人数構成比上位20%のユーザーで、会員売上の67%、全社売上の52%になるという。

ECサイトのユニークユーザーは、会員ユーザー/新規ユーザーを合わせて月120万人。サイトで商品情報を確認して店舗に来るユーザーも多いことから、同社はこのECサイトに集まるユーザーに効果的なレコメンドを行なうことで、サイトはもちろん店舗の売上も伸びるとしている。

インターネットビジネスモデルは“クリック&モルタル”の時代

本日都内ホテルで行なわれた発表会で、同社専務取締役総合企画室長EC事業本部長の高橋人也氏は、「インターネットのビジネスモデルは、オールドエコノミーが既存の資産を使いながらEC事業を立ち上げる“クリック&モルタル”に移っている。オールドエコニミーはビジネス能力が成熟しており、すでに顧客を獲得しているので知名度も高くマーケティングコストが小さい」

「デジタル機器市場では、PC以外のプラットフォームが増え、製品が多様化した。PCは全売上の25%であり、残りの75%は周辺機器やソフト、DVDなどのデジタルグッズとなっている。ユーザーの要望も“○○したいから欲しい”と具体化しており、ユーザーそれぞれに適した製品を提案することが重要。インターネットによるCRMは、いつでもレコメンドが可能で、ユーザーにタイムリーな情報を提供できる。顧客データベースや商品データベースをデータマイニングし、主にECサイトを利用しながら商品を提案していく」

「今回はソフマップの第2の経営資源である中古ビジネスにも着目した。当社の中古商品の売上は200億円で、中古在庫資産のうち購入後半年以内の在庫が40%、半年以降1年以内が28%で、1年以内の中古在庫が全体の68%を占めている。1年以降2年以内は22%で、2年以内の在庫が全体の90%。中古といってもまだ新しい。これは、自分のライフスタイルに合わないとすぐに商品を売ってしまい次の商品を購入するユーザーがバックにいるため。中古商品販売は、サイトリニューアルのお題の1つだ」

「EC事業は現在は競争段階ではなく始まったばかりで、すべてのECサイトが元気になることが大切。今後2~3年経ち競争関係が意味のあるものになった際は、サイトの優位性が重要となる。われわれはモルタル(知名度、顧客/会員、店舗、物流サービス)を持っており、このモルタルを活用して優位性を高めたい。メーカー自身がEC事業を行なっても、そのメーカーの商品しか売れない。1メーカーからものを購入するだけでは足りないだろう。購入の代理を行なうには、小売会社が適切と考える」と語った。

同社専務取締役総合企画室長EC事業本部長の高橋人也氏

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