このページの本文へ

SME、モー娘。のミュージックビジュアルソフトを発売――360度映像技術でモー娘。のステージへ!

2000年11月02日 23時51分更新

文● 編集部 桑本美鈴

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントは2日、PalyStation2専用ミュージックビジュアルソフト第1弾『『スペースヴィーナス』starring モーニング娘。』を2001年1月11日に発売する。価格は5800円で、全国の音楽CDショップで販売される。

PS2用ミュージックビジュアルソフト『『スペースヴィーナス』starring モーニング娘。』

モー娘。といっしょにステージに立っているような臨場感を再現

スペースヴィーナスは、“スペースラグーン”と呼ばれる画面上の巨大宇宙アミューズメントコロニーを舞台に、モーニング娘。のさまざまなコンテンツやムービーを楽しむビジュアルソフト。

ソフトを起動すると、まず宇宙を高速移動するイメージのCGムービーが再生される。その後タイトル画面が表示され、ソフト本編に進むのだが、進もうとするたびに毎回ランダムでモー娘。の映像が再生される。その数20種類以上。“パスポート”画面(後述)に誕生日などを入力しておくとイベントも発生するとか
“スペースラグーン”の入管に必要なのがこの“パスポート”。ユーザーの誕生日など個人情報を入力できるほか、メモリーカードへのセーブ/ロードもこの画面で行なう
ユーザーの乗る“モーニングジェット号”のコクピットから見た宇宙アミューズメントコロニー“スペースラグーン”の様子。ランダムで画面上に出現するジェット機を“セクシービーム”で撃墜するというミニゲームも楽しめる。このために新たに声録りをやったという“セクシービームマスター”矢口真里の新「セクシービーム!」は必聴!

コンテンツは、“パノラマシアター”、“ビジュネタリウム”、“モーニングブラウザー”、“モーニングビュー”、“モーニングラウンジ”、“モーニング娘。TVDJ”の6つが用意されている。

パノラマシアターは、同タイトル用に開発された“パノラマビュー”技術を採用。宮崎で行なわれたモー娘。のライブステージをハイビジョンで撮影、横3画面分のパノラマ映像として再生できる。コントローラーを利用して視点を横にスクロールさせたり、ズームしたりすることが可能。曲は『LOVEマシーン』と『ハッピーサマーウェディング』を収録している。

パノラマシアター映像。1人1人を順番に観ていくもよし、お好きなメンバーをずっと追いかけるもよし、さまざまに楽しめる

ビジュネタリウムは、23種類のモー娘。オフショット映像を閲覧できる動画ギャラリー。モノリス上に並んだカード型のメニューを選ぶと、さまざまなモー娘。の動画が楽しめる。1動画は約20秒程度。

モーニングブラウザーは、動く写真集のようなコンテンツ。モー娘。1人1人が冷凍保存されているかのようにカプセルに入っており、メンバーの1人を選択すると、そのメンバーがカプセルから出てきて、縦2画面のパノラマ映像による全身映像が再生される。1人につき数パターンの決めポーズも収録されている。映像は20~30秒のループ形式。

モーニング娘。TVDJは、ソニー・コンピュータエンタテインメントが開発した音と映像をリミックスできるゲーム『TVDJ』のシステムを組み込み、モー娘。のミュージックビデオをリミックスできる。『LOVEマシーン』、『恋のダンスサイト』、『I WISH』を収録。

モーニングビューは、福井で行なわれたライブステージ中央に、左右視野角360度撮影できる特製カメラを設置しライブの様子を撮影、全方位映像としてライブの様子を楽しめる。コントローラーを利用して視点を360度のあらゆる位置にスクロールでき、360度の映像全体を画面下に表示することも可能。通常は観客席のファンに向かって歌っているので、メンバーは後ろ姿で映っていることが多いが、その分メンバーといっしょにステージに立っているかのような臨場感を味わえる。時折カメラに向かって笑いかけてくれるメンバーもいて楽しさ倍増だ。収録曲は、『恋のダンスサイト』と『愛車ローンで』。

モーニングラウンジも、同じく360度映像技術を利用したコンテンツ。同製品オリジナルの振り付けによる『DANCEするのだ』を特設セットで撮影。どの方向に視点を合わせてもメンバーがユーザーの視点に向けて歌って踊る。

モーニングラウンジ映像。どこに視点を変えてもメンバーの誰かがこっちを向いて歌ってくれている

ソニーの全方位映像技術を採用

これらの360度映像コンテンツには、ソニー(株)が新開発した全方位映像システムが採用されている。8台のカメラを1つの筐体へ円筒状に設置した特殊カメラを開発、全方向を8台のカメラで同時に撮影できる。撮影した映像は、画像張り合わせシステムや独自のMPEG-2再生エンジンを利用して、特殊圧縮/オーサリング処理することで、360度自由に鑑賞できる映像再生を実現できる。

モーニングラウンジ用映像を撮影した特製カメラ

ソニーは、従来よりバーチャルリアリティーに関する開発研究を行なっており、画質や音質の改良/改善を行なってきたが、大容量ネットワーク時代を考慮してより自由なリアリティーを実現するべく、全方位映像による新たな映像世界を創造していくという。

今回の円筒全方位(左右視野角360度)に続き、2001年秋以降には球状全方位(上下左右視野角360度)による映像制作を目指す。さらにこの球状全方位をネットワークに対応させ同じ場所に複数台カメラを設置し同時撮影、それら映像をリアルタイムで発信できるようにしたいとしている。

またソニーは、全方位映像のプロデュース事業を来春開始する。特殊カメラによる撮影から映像編集、画像/音声圧縮加工、3次元データの一定加工、DVD用オーサリングまでトータルな映像制作サービスを行なう。視聴用のツールとして、DVD-ROMのソフト制作から開始、事業開始当初はPS2上で再生できるソフトを、2001年中にはPC上で再生できるソフトを制作するとしている。映像コンテンツは、ミュージックビデオやゲームをはじめ、将来的にはスポーツやドキュメンタリーなどのライブ映像配信も検討しているという。

「ゲームではない、インタラクティブなミュージックビジュアルソフト」

本日都内で行なわれた発表会で、SMEコーポレイト・エグゼクティブの盛田昌夫氏は、「アーティスト映像の制作ノウハウを集積した新しいコンテンツジャンル。映像撮影はSME、映像のオーサリングはソニー、PS2用の最終オーサリングはSCEが担当、ソニー各社が連携し作り上げた製品」

SMEコーポレイト・エグゼクティブの盛田昌夫氏

「今までのミュージックビジュアル製品はVHSやDVDだったが、音楽と映像の融合にインタラクティブという操作性を加え、観るソフトからプレイして楽しむビジュアルソフトを実現した。決してゲームソフトではなく、レコード会社という立場で制作したインタラクティブなミュージックソフト」

「画質はDVDと同様のMPEG-2フォーマット。PS2をプラットフォームにした理由は、インタラクティブ性が実現でき、マーケットも広いから。音楽映像の配信も視野に入れている。今までとは違うパッケージジャンルを作っていきたい」と語った。

全方位映像用特製カメラは発表会場にも登場。8台のカメラが円筒状に設置され、360度を同時に撮影できる。写真はカメラ部分のアップ
発表会場には残念ながらモー娘。はご来場せず。かわりにメンバーが着用したコスチュームが展示された。別に特別な匂いとかはしませんでしたので、あしからず

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン