(株)ビートは2日、シャープ(株)、日本オンライン証券(株)、タリーズコーヒージャパン(株)と、それぞれの事業で共同製品を開発すると発表した。
 | シャープ情報家電開発本部SST推進センター所長の谷口実氏。「ザウルスはおじさんツールになってしまっている。シャープから女性向けにメッセージを出してもやぼったくなる」ので、ビートにマーケティングを依頼したという |
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ビートは、女性のインターネットユーザーに、さまざまな事業/製品についての意見やアンケート、アイデアを募集し、それらを元に新たな製品開発を行なうマーケティングウェブサイト“美・構図”を運営する会社。美・構図の会員は現在6000人で、23～35歳の女性ユーザーが70％を占めている。
同社は、上記3社のそれぞれの製品について、会員に意見やアイデアを募集、3社は会員の生の声を参考に、それぞれの製品を開発して市場投入するという。
女性の意見を取り入れた新ザウルスを開発
シャープは、女性が支持する新しい携帯端末の開発についてビートにマーケティングを依頼。シャープはビジネスマンツールとして定着している同社製品『ザウルス』に関し、多数の競合製品が登場する中でさらに市場での地位を高めるため、ユーザーの開拓をめざしており、一般消費者のライフスタイルに溶け込めるような方法論を、ビートとともに検討するという。
ビートが美・構図会員向けに、ザウルスについてのアンケート調査を行なったところ、操作性の良さや携帯性、幅広いラインナップが評価される一方で、“おじさんユースっぽい”、“ファッション性がほしい”、“PDAの使いかたがわからない”といった意見が出たという。
美・構図会員533人を対象にした調査結果によると、PDA所有率は13％、今後PDAを所有したいという人は26％。この結果はいいとしても、“現在未搭載でぜひつけて欲しい機能は?”という問いに対し、回答が、“スケジュール(8人)”“MP3(17人)”“ブラウザー(17人)”、“デジタルカメラ(23人)”、“ナビ(32人)”、“わからない(42人)”、“メール(31人)”など。ASCII24読者ならお気づきだろうが、ほとんどがすでにザウルスに搭載済みの機能で、PDAの機能に対する認知の低さが浮き彫りとなっている(美・構図の会員は全員インターネットをよく利用しているユーザーのはずなんだが)。
ビートは、製品認知度を上げるにはチャネル開発が必要だとし、従来のザウルスの販売チチャネル(量販店や家電ショップ、ディスカウントショップなど)に加え、新たな拡大チャネルとしてファッションをキーワードとしたセレクトショップの追加を提案。パートナーとして、セレクトショップ“BEAMS”を運営する(株)ビームスへ相談し、シャープとビームスの共同プロジェクト“b-Zaurus”を立ち上げ、今後新ザウルスの開発およびスタイル提案を両社で行なう。共同プロジェクトによる新製品は来春にリリースされる予定という。
シャープ情報家電開発本部SST推進センター所長の谷口実氏は、「ザウルスはこれまでに200万台以上出荷しているが、気がつけばおじさんのツールになってしまっている。昨年より若いユーザー層を広げるべく努力し、20代ユーザーは25％まで拡大したが、女性ユーザーは8％。しかし女性に向けてシャープから直接メッセージを出すとどうしてもやぼったい。新しいシーンを提案し、ライフスタイルにフィットするようなメッセージを送ることが必要。BEAMSの文化を注入することで21世紀型ザウルスを完成させたい」としている。
女性向け株式投資サイトやタリーズコーヒーの新メニューも登場
日本オンライン証券は、女性向け投資サイト“KabuVenus”を11月6日夕方にオープンする。KabuVenusは、美・構図の会員に株式投資についての調査を行ない、“やったことがないので不安”、“わからないことを聞く相手がいない”、“株式用語がわかりにくい”といった声を考慮し、初心者向けの株式投資解説や、サイト上での資産運用相談、女性のみのコミュニティー、マネー星座占いなど、これまで株になじみのないユーザーでも利用しやすいコンテンツを用意するという。
タリーズコーヒージャパンは、国内でのプロモーション展開の一環として、戦略製品である100％有機栽培のコーヒー豆“コンパドレ・ブレンド”を市場に浸透させるべく、コンパドレ・ブレンドに良く合うメニューのレシピを美・構図の会員向けから募集、集まった300のアイデアの中から、ベストメニュー賞として東京のKANAさんの応募作品『根菜ブレッド』が選ばれた。今後店頭商品向けに改良が行なわれ、タリーズコーヒーの各店舗メニューに加えられる予定という。
美・構図に対しては、上記3社のほかに(株)セガや(株)ゼンリンなども案件を提示しており、現在アンケート設計を行なっているという。
