インフォテリア(株)は10月30日、都内において、XMLにネイティブに対応した企業間電子商取引(B2B)サーバ製品「Asteria」(アステリア)を来年1月に発売すると発表した。価格は2400万円(接続数の制限なし)。
あわせて、(株)デジタルデザインとの共同開発のB2Bサーバアプライアンス「Asteria.Planet」(アステリア プラネット、95万円~)の実機を公開。(株)ドリームインキュベータとの提携が発表された。
RosettaNetに対応したB2Bサーバ
B2Bサーバ製品のAsteriaは、電子部品調達の電子取引市場のオープン標準である「RosettaNet」(ロゼッタネット)に対応した製品が発売される。接続数は無制限となっており、電子取引市場を構成したい大企業など向けという。対応OSは、Solaris。
Asteriaのデモ画面 |
RosettaNetに対応した部分は、プラグインという形で提供されており、そのプラグインをcXML(Ariba)、xCBL(Commerce One)、BizTalkと入れ替えることで、それ専用のサーバとなる。これらのプラグインは順次発売される予定のほか、独自に開発したり、カスタマイズすることも可能という。
対応OSについても、Solaris版のほか、Linux版が予定されている。そのほかのOSについても検討しているという。
このAsteriaが、ソニー(株)の「VAIO」の部品調達システムとして、正式採用が決まったことも同日発表された。ソニーでは自社の調達システム「SPIRITS」と組み合わせて運用していくという。
ソニー パーソナルITネットワークカンパニーのプレジデントである田谷善宏氏「VAIOを中心にソニーの製品を繋いでいくということをやっているが、VAIOを真ん中にして会社を繋いでいくのは難しい(笑)」 |
B2Bアプライアンスサーバで中小企業への導入を促進
会見では、9月20日に発表されたデジタルデザインとの共同開発製品Asteria.Planetの実機が公開された。デジタルデザインの子会社(株)アクアリウムコンピューターが出荷している小型サーバ機器「silver neon」のような機器で、インフォテリアのイメージカラーである緑色を前面に押しだしたものかと予測したが、予想に反して全体が黒色で前面に輝くパネルのみが緑色という大人しいデザインを採用していた。
サイズは、幅30×奥行き30×高さ10cm程度。端子は電源のほか、Ethernetポートを2つ装備しているのみとなっている。
Asteria.Planet |
同製品は、中小企業など電子商取引を行なうパートナー企業が少数に限定される用途向けという。標準(95万円)で2つのパートナー企業へ接続でき、追加ライセンスは1接続追加ごとに40万円。パートナー数が50に上れば、Asteriaとほぼ同価格となる。そのあたりが2製品の境界線という。
サポーターとしてインフォテリアをサポート
インフォテリアとドリームインキュベータは、B2Bのセミナーを開催するなどの啓蒙活動や、B2B実装の支援などを提携して行なっていくという。
ドリームインキュベータの堀紘一代表取締役社長兼CEOは、「ベンチャー企業が、ビットバレーのような中だけで動いていても仕方がない。リアルな社会、大きい企業と繋いでいくのが私の仕事。日本の大企業、世界の企業とインフォテリアを繋いでいくお手伝いをサッカーのサポーターのようにやっていく」と語った。
握手を交わすインフォテリアの平野洋一郎社長とドリームインキュベータの堀紘一代表取締役社長兼CEO(左から) |