このページの本文へ

日本ソフトウェアドットコム、キャリアー向けディレクトリーシステムの新製品を発表

2000年10月25日 20時34分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本ソフトウェアドットコム(株)は25日、数100万ユーザーに対応可能なディレクトリーシステム『Software.com Directory 5』を発表、提供を開始した。価格はユーザー数などにより異なるとして公表されていない。

日本ソフトウェアドットコムは、大企業やキャリアー、サービスプロバイダー向けに、メッセージングサービスシステム『InterMail』を提供している企業。日本では(株)ディーディーアイ(KDDI)や日本テレコム(株)をはじめキャリアー7社がInterMailを導入しているという。親会社は米ソフトウェアドットコム社で、グループ全体が世界中で提供するメールボックスの総数は1億3400万に達するとしている。

米ソフトウェアドットコム、ストラテジック・マーケティング ディレクターのマーク・タグチ氏

本日発表されたDirectory 5は、同社が5月に発表し、すでに提供しているメッセージングサービスシステム『InterMail 5』のうち、ディレクトリーサービス部分のコンポーネントを単独のパッケージとしたもの。100万人単位レベルの、大量のユーザーを抱える有線/無線のキャリアーが利用できるスケーラビリティーを備えたディレクトリーサービスは現在提供されておらず、「ディレクトリーサービスのみのパッケージとしても十分通用すると判断した」(米ソフトウェアドットコム、ストラテジック・マーケティング ディレクターのマーク・タグチ(Mark Taguchi)氏)という。

同社によると、ディレクトリーサービスはまだキャリアーやサービスプロバイダーとしても、本格的に普及はしていないが、今後大幅な伸びが期待できるという。その根拠として次の理由を挙げた。今後は携帯電話などのワイヤレス端末と、パソコンなどに代表される固定端末の、両方を使うユーザーの急増が見込まれるが、そうしたユーザーが共通の電話帳を利用したり、あるいは携帯端末において、シングルサインオンでさまざまなサービスの利用が可能になるとしている。また、キャリアー側にとっては、ユーザーに対するサービスから課金情報までをトータルに管理できるというメリットがあるとしている。

Directory 5の機能としては、LDAP(※1)への対応、マスターディレクトリーサーバーを複製して負荷を下げる分散型ディレクトリーレプリカサーバーへの対応、マスターディレクトリーサーバーからあるサービスのみを利用するユーザーを集めて処理する断片的複製などがある。すべての機能はスケーラビリティーと可用性の確保を主眼に開発されており、ソフトウェアのバージョンアップの際にもシステムを止めることなく、エンドユーザーに対してはサービスを提供したままアップデートできるという。

※1 Lightweight Directory Access Protocol。ウェブブラウザーやメーラーで利用できるよう簡素化されたTCP/IPベースのディレクトリーサービスプロトコル。

なお、米ソフトウェアドットコムは8月に、米国でWAPサービスやメッセージングサービスシステムを提供する米Phone.com社と合併することを発表しているが、連邦取引委員会(FTC)などの認可が得られれば、11月17日(米国時間)に行なわれる株主総会で合併の承認を受ける予定であることも明らかにされた。

日本では企業ユーザーを除いてあまり利用したり、そのメリットを享受したりすることのないディレクトリーサービスだが、このInterMail 5(Directory 5の機能を包含する)はすでに日本のキャリアー2社が導入し、さらに数社が導入を予定しているとしており、一般ユーザーが携帯電話やISP/ASPが提供するディレクトリーサービスを通じて、利用できるようになる見込みだ。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン