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日本データプレイ、直径32mmで500MB容量の超小型光ディスクを発売

2000年10月19日 21時05分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)東芝と米データプレイ社は19日、データプレイが開発した超小型光ディスク装置とディスクメディアの販売を行なう合弁会社“日本データプレイ株式会社(欧文名:DataPlay Japan, Inc.)”を9月29日付で設立したと発表した。資本金は2億円で、出資比率は米データプレイが51%、東芝が49%。所在地は東京都千代田区。代表取締役社長には上村洋海氏が就任する。

直径32mmで500MB容量の超小型光ディスク

直径32mmの超小型光ディスク

データプレイの超小型光ディスク装置と光ディスクメディアは、DVD-R技術をベースとしたモバイル向けユニバーサルメディアシステム。

光ディスクメディアであるDataPlayディスクは、直径32mmと超小型ながら、記録容量は500MB(片面250MBで両面利用可能)という大容量のモバイル向けメディア。音楽データや画像データ、ゲームプログラム、テキストファイルなど、さまざまな形式の複数ファイルを同一メディアに保存可能。

DataPlayディスク1枚につき、MP3データで11時間分、MPEG-4ムービーで2時間分、メガピクセルで撮影した非圧縮画像で162枚分を記録できる。128bitのゲームプログラムも複数収録することが可能という。

DataPlayディスクの記録/再生は、専用の超小型光ディスクドライブ“DataPlayマイクロオプティカルエンジン”で行なう。データ転送速度は毎秒約1MB。この光ディスクドライブは、ポータブルミュージックプレイヤーやデジタルスチルカメラ、携帯ゲーム機、PDA、携帯電話などに組み込み可能で、DataPlayディスクをさまざまな装置の共通メディアとして利用できる。

ディスクメディア(右上)とディスクドライブ(左)。500円玉と比較してみると、小型であることがよくわかる
同じくディスクメディアとドライブのもう片面の写真

また、ライトワンス機能により、ユーザーがDataPlayディスクにデータを書き込むことが可能。ブランクのDataPlayディスクにユーザーが任意のファイルを保存できるほか、DataPlayディスク内に、コンテンツ記録済みエリアと書き込み可能エリアを混在させることも可能。

著作権保護技術“コンテンツキー”も用意されている。DataPlayディスクのコンテンツ記録済み部分に“コンテンツキー”を埋め込み、ロックをかける。そのままではユーザーはそのコンテンツを再生できないが、専用のウェブサイトでキーをダウンロードすることでロックを解除でき、コンテンツが再生可能となる。例えば、ミュージシャンのアルバムをDataPlayディスクで提供、1曲目と2曲目はフリーで再生できるが、3曲目以降はキーが必要な設定にし、ウェブサイトでキーを有償提供するといったコンテンツ提供が行なえる。DataPlayディスクを利用したコンテンツ提供に関しては、現在音楽業界に働きかけているという。

DataPlayディスクと対応ドライブを組み込んだ家庭向け電子機器は、2001年初旬にワールドワイドで発売される。価格は出荷当初で10ドル(約1080円)程度、出荷数が増えれば5ドル(約540円)程度にするという。日本国内での小売価格も、同じような価格帯になる見込み。

DataPlayディスクはいくつかのカラーバリエーションが用意されているが、国内出荷される製品にどのカラーを採用するかは未定とのこと

国内では日本データプレイが発売

日本データプレイ株式会社は、日本およびアジア市場で、この光ディスク装置とDataPlayディスクの普及を目指す。具体的には、ディスクとディスクドライブのマーケティングと販売、ライセンス業務の代行、コンテンツキーシステムの提供、ウェブサイト上での製品販売、カスタマーサポートなどを行なう。3年後の売上目標は300億円。

本日都内で行なわれた発表会で、(株)東芝の取締役専務である溝口哲也は、東芝がDataPlayディスクを選んだ理由について、「当カンパニーは特にモバイルを徹底的に行なっていく。そのためにはモバイル用のデバイスが必要。DataPlayディスクは、リムーバブルでコストが安い点では、他製品の遠く及ばないところだ。既存製品とダブってしまうことは承知の上。ユーザーが選択することであり、どれだけダブりがあってもかまわないと思う。当社はこのDataPlay対応ドライブを、デジタルスチルカメラやミュージックプレーヤー、PDAに搭載していく。PCにも搭載したい」と説明した。

左から、東芝溝口専務、米データプレイ社社長兼CEOのSteven B. Volk氏、日本データプレイ(株)代表取締役社長の上村洋海氏。上村社長は「DataPlayディスクはモバイル用のユニバーサルメディア。この製品を利用してデジタルエンターテインメントの世界を豊かにしたい」と語った
DataPlayディスクとディスクドライブについて説明するVolk氏。「DataPlayメディアの特徴はユニバーサルであること。いろいろな機器に共通で使える。データプレイは、ディスクとディスクを読み込むドライブエンジンをOEM提供し、各ハードウェアメーカーに対応機器を作ってもらう」
DataPlayディスク対応機器のコンセプトモデル

米データプレイは、2001年1月に米ラスベガスで開催される“2001 International CES”に出展、ライセンスパートナー企業が開発したDataPlayディスク対応ドライブ搭載のミュージックプレイヤー、PDA、デジタルスチルカメラなどを展示するという。

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