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【WORLD PC EXPO Vol.4】ビジネスパークゾーンでは、指紋認証とASPに注目

2000年10月17日 20時19分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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オフィスソフトや技術、サポート/サービスなどを扱うビジネスパークのゾーンでは、指紋認証とASPに注目してみた。


特殊用途ではなくなってきた指紋認証

指紋認証は、指紋をパスワードの入力に見立てて、個人の認証を行なう方式のことだが、社内でのセキュリティーに対する意識が高まってきたこともあり、注目を集めていた。会場では日本セキュアジェネレーション(株)を始めとするいくつかの企業が指紋認証ユニットの展示を行なった。

日本セキュアジェネレーションは、指紋認証ユニットをマウスの左側面に搭載した「EyeDマウスII」を出荷している。米国では、インターネットバンキングのログイン認証用として、契約者に対して配布されている例もあるという。日本でもオンライン株取引で導入が検討されているという。その新製品として、11月下旬ごろにマウスボールのないオプティカルマウスを発売する予定だ。

オプティカルマウスになった指紋認証マウス

ベリディコム(株)は、ノートパソコンの組み込み用の指紋認証センサーを展示していた。同社のセンサーは、日本電気(株)、松下電器(株)、富士通のノートパソコンに採用されているという。

ベリディコムの指紋認証センサー

シーメンス(株)も指紋認証マウスを展示していた。秋葉原の一部ショップなどでも1万9000円程度で入手が可能という。

シーメンスIDマウス

推進に一苦労のASP

(株)ジャイブメディアは、会計の仕訳入力から、経営診断までに対応したASPサービス「経営羅針盤」を展示していた。同サービスは、会計事務所とその顧客企業の両方で利用するようになっている。そのため、顧客が入力を行なった内容について、会計事務所側で仕訳のチェックや決算処理などが行なえる。利用は、Webブラウザのみで可能。費用は、会計事務所の利用が無料で、顧客企業が月額利用料1万円(3ヶ月の無料期間あり)という。

ASPサービス「経営羅針盤」

(株)CRC総合研究所は、グループウェアのASPサービス「EarthDomain」を月額9800円(10アカウント)で提供している。スケジュールや施設管理のほかに、文書管理用のストレージサービス(100MB)やワークフローも含まれている。

アマノ(株)の子会社であるシー・エス・ジェー(株)は、MySAP.comを利用した勤怠管理のASPサービスを行なっているが、給与計算をアウトソーシングすることに慣れている企業はあっても、勤怠管理をアウトソーシングする企業はほとんどないということで、顧客の獲得に苦労があるようだ。


取材を行い、説明員と会話しているうちに必ずといっていいほど出てくる答えが、「ユーザーの通信環境がまだ整っていない」ということだ。これは、記者がほかの取材で聞いたこととも一致する。ASPの妨げになっているのは、社内情報を企業内に置いておきたい日本企業の体質よりも、貧弱な日本の通信環境にあるようだ。裏を返せば、ブロードバンド時代に突入すれば、ASPが一気に加速するのかもしれない。

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