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【INTERVIEW】NVIDIAのOpenGLグラフィックドライバー技術者に聞く

2000年10月25日 11時20分更新

文● 編集部 佐々木千之

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9月25日、リアルタイムグラフィックス技術を使用したコンテンツの企画開発やコンサルティング、グラフィックワークステーションを中心とするシステムインテグレーションを手がけるシリコンスタジオ(株)が、米NVIDIA社からOpenGL用ドライバーソフトウェアを開発している技術者2人を招き、グラフィック技術者向けにセミナーを開催した。セミナー自体は秘密保持契約ベースで行なわれたため、ここでその内容についてはふれないが、60数名のグラフィック技術者が熱心に聴講していた。

セミナー後に、わずかな時間ではあるが、講演者のキャス・エバリット(Cass Everitt)氏とクリス・ウィン(Chris Wynn)氏のお2人にお話を伺うことができた。

NVIDA社のソフトウェアエンジニアーであるクリス・ウィン氏(左)と、OpenGLエンジニアーであるキャス・エバリット氏
[編集部] キャスさんは今回のセミナーの前に、9月22日に行なわれた、“'00 OpenGL国際セミナー 第9回 OpenGL_Japanセミナー”でも、NVIDIAのグラフィックチップとOpenGLの実装について講演されたそうですが、NVIDIAは、OpenGLについてかなり力を入れているようですね。
[NVIDIA] ええ、NVIDIAはOpenGLのサポートについて強くコミットメントしています。
[編集部] NVIDIAは、Windowsでは3DグラフィックスAPIとしてDirectXもサポートしていますが、DirectXとOpenGLは競合しませんか?
[NVIDIA] 私はOpenGLとDirectXについての会社の方針について答える立場にありませんので、NVIDIAとしてどちらがどうとは言えません。ただ、CADソフトのようなワークステーション向けのアプリケーションの関係もあり、OpenGLのサポートは重要です。今後どのようなハードウェアを発表するにせよ、OpenGLとDirectXはサポートしていきます。
[編集部] このようなグラフィック技術者向けセミナーを開くのは、日本で初めてということですが、米国ではよく行なわれているのですか?
[NVIDIA] NVIDIAはコムデックスを始めとして、様々なショーやイベントに出展している。そういうイベントにはたいてい技術セミナーが併設されているので、そこでは行なっています。ただ、今回のようにNDA(機密保持契約)ベースでグラフィック技術者をウェブで募集し、セミナーを行なうのは初めてです。
[編集部] セミナーでの日本のグラフィック開発者はどうでしたか? かなり大勢が質問していたようですが。
[NVIDIA] 熱心で、質問の内容も高度で驚きました。グラフィックのトッププログラマーが聞いてくるような内容の質問がたくさん来ました。
[編集部] セミナーの感想は。
[NVIDIA] これも個人としての意見ですが、NVIDIAは米国以外のマーケティングはまだまだ遅れていますので、NVIDIAに対する日本での認知度が上がってきていることはいいことだと思います。
[編集部] 最後に1つ。NVIDIA社はマイクロソフトのXboxにグラフィックチップを供給するとしているが、それについてなにかコメントありますか?
[NVIDIA] 残念ながらそれについてはなにも答えられません。
シリコンスタジオが発売を予定している、グラフィックワークステーション『Phosphor Model S』グラフィックカードにはNVIDIAの『Quadro2 Pro』を搭載して、価格は50万円程度の予定
Phosphor Model Sで動いていたNVIDIA製のデモプログラム。1280×1024ドットでのリアルタイムレンダリングだが、草が風になびいたり花が咲いたり、非常になめらかな動きとなっていた

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