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【CEATEC 2000 Vol.5】ネットワークと電話の融合も多様化

2000年10月04日 00時35分更新

文● 編集部 佐々木千之

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3日から開催中のCEATEC JAPANで、いくつか面白いネットワークと電話の接続に関わる製品を見つけた。単純に音声をVoIP(※1)機能でネットワークに乗せるだけでない、次の世代の製品が出てきているようだ。

※1 VoIP(Voice over IP)。インターネット上のパケットデータとして音声通話を送受信する仕組み。

日立製作所が参考展示していたメール表示機能付き『VoIP-KT電話機』。SMTP、POP3に対応しており単体でメールの送受信が可能

(株)日立製作所のブースで参考展示されていたのがこの『VoIP-KT電話機』。電話線をつなぐ代わりにEthernetケーブルを直接つなぐ、というところは従来のネットワーク接続型電話機と同じだが、同時に展示されていた『VoIP-PBX』と組み合わせて使用することで、内部はEthernetベース、外部に向けては一般電話回線としたり、あるいは外部もIPネットワークに接続するが、社内ネットワーク上で大きなファイルのFTP転送などが始まった場合でも音声がとぎれることのないよう帯域制御を行なうといった仕組みを備えている。

なお、このVoIP-PBXはルーター機能のほか、外線4回線、内線16回線を備えるという、小中規模のオフィスに向けたもの。ネットワーク接続型電話機というと、大量の電話が導入されている大企業の経費節減に、と大規模なものを思い浮かべてしまうが日立製作所では、小規模なものから事業を展開したいとしている。さらに通常のアナログ電話機をEthernetに接続するための変換アダプター『VoIP-TA』も展示されていた。

『VoIP-KT電話機』のディスプレー部分。この電話はインターネットメールの送受信機能を持つが、社内メールなどの簡単な返事がワンタッチで行なえるよう、返信文がいくつか登録されている
『VoIP-PBX』ルーター機能を内蔵し、公衆回線にもインターネット網にも接続できる“オールインワンのPBX”としている。

松下電器産業(株)のブースでも日立と同様の発送の製品が参考出品されていた。日立のIP-BOXは電話のみを対象にしていたが、松下は国際電気通信連合(ITU)で標準化されたIPベースのファクス送受信プロトコルに対応し、ファクスもインターネットファクスとして利用することができるとしている。

日立の『VoIP-TA』と同様の発想の、松下電器の『IP-BOX』(ファクスの後ろに立てられているのが本体)。電話だけでなくファクスにも対応している

アンリツ(株)のブースでは、空港など人の集まる場所での利用を想定した、公衆電話型のWebphoneが展示されていた。電話のダイヤルボタン以外の操作は、タッチパネル式のディスプレーを操作して行なうもので、画面デザインもすっきりとして、インターフェースもわかりやすかった。中身はほとんどPCのアーキテクチャーで、このデモ機もWindows 95で動いており、今後Windows NT4.0/2000にも対応予定としていた。海外の通信事業者向けに売り込んでいるが、残念ながら納入実績がまだないということだが、完成度は高いと感じられた。アメリカの空港などでは、キーボードとディスプレーを備えたAT&Tの公衆電話を見かけることが多いが、日本でもこのような公衆電話を羽田や成田などに設置するところはないだろうか。

アンリツが参考出品していた公衆電話型の“Webphone”ユーザーインターフェースもしっかりとしていてわかりやすかった
Webphoneの画面アップ。OSがWindowsということで、ブラウザーはIEを利用しているとのこと。URLなどを入力する際にはソフトウェアキーボードが画面上にポップアップする
こちらもアンリツの製品で、街角での利用を狙ったスタンド型の“インターネットKIOSK”。クレジットカードやICカードへの対応も可能で、チケットの購入やホテルの予約などの用途を想定しているという

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