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XSLTプロセッサを使う

XMLの常識

2000年10月01日 05時41分更新

文● 及川晴生

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 Internet Explorerでは変換した結果が画面上に表示されるわけだが、レンダリングした結果を見せることを目的とするHTMLへの変換ではこうした方法で問題がなくても、XMLから別のXMLに変換し、その結果に対して別のソフトウェアが処理を行なうといった場合、変換結果がファイルとして保存されなければならない。こうした用途で利用できるのが、最初に紹介したXTやXalan、iXSLTなどのソフトウェアだ。いずれもコマンドラインから利用するものになっており、パラメータとしてソースとなるXMLとXSLT、そして保存するファイル名を指定すれば、結果が指定したファイル名で記録される。

 では実際にXTを利用してみよう。このソフトウェアを開発したJames Clark氏のWebページ(http://www.jclark.com/)からXML関連のリンクを辿ると、XTのページにたどり着く。XTはJavaで開発されているが、Windows上で簡単に利用できるWin32版のパッケージが公開されているので、今回はこれを利用したい。XTのページの中ほどに記述されている「XT packaged as a Win32 executable」という部分をクリックすると、zip形式で圧縮された「xt.exe」をダウンロードできる。なお、動作には「Microsoft Java VM」が必要だが、Internet Explorerがインストールされている環境であれば入っているハズなので、特に気にすることはないだろう。

 XTはコマンドプロンプト上で動作するアプリケーションで、パラメータとしてソースとXSLTファイル、そして結果として保存するファイル名を入力する。このようにパラメータでXSLTファイルまで指定するため、処理命令を記述する必要はない。実際に変換する方法は、「source.xml」を「tohtml.xsl」を使って変換し、その結果を「result.html」に出力したい場合、以下のようにコマンドを入力する。

xt source.xml tohtml.xsl result.html

 これでresult.htmlというファイルが生成され、結果がそのファイルに保存される。なお、result.htmlの部分を指定しなければ標準出力に結果が書き出される。

 XTは一部非対応の部分はあるが、基本的には勧告に準拠したXSLTプロセッサであり、Internet Explorerとは異なり、ネームスペースは前回説明した「http://www.w3.org/1999/XSL/Transform」を利用し、また組み込みテンプレートルールも適用される。XSLTを修得したいというユーザーには、修得のための材料として活用してほしい1本だ。

まとめ

 ここまで4回に渡ってXSLTを解説してきたが、概要は把握していただけただろうか。規格自体が非常に複雑であり、またXSLTだけでなくXPathという規格とも密接にかかわり合っているため、修得するための道のりは容易ではない。しかしWebページの管理やデータベースとの連携、さらには電子商取引を行なう際のデータ交換方式としてなど、XMLが利用される範囲が広がっていくと、それらのデータ間を橋渡ししてくれるXSLTの重要性はどんどん高まっていくだろう。本連載ではXSLTに関してはひとまず筆を置くが、今後もXSLT関連で動きがあれば逐一報告していきたい。また、XSLT関連の本も徐々に登場しているようなので、機会を改めて紹介したい。

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