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CG-ARTS協会、バーチャルタレント・オーディション開催

2000年09月29日 15時39分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(財)画像情報教育振興協会(以下、CG-ARTS協会)は28日、平成12年度文化庁メディア芸術祭企画展(通称:Jam3)“キャラミックス ドットコム -キャラクターに人権を!-”を2001年3月13日と14日に開催すると発表、都内で発表会を行なった。

キャラミックス ドットコムは、今年2月に開催された“ロボットイズム”に続く2回目の企画展で、デジタルキャラクター創造の活性化と、キャラクターの権利保護をテーマに開かれるもの。

“キャラミックス ドットコム”ページ

オーディション優秀作品はメジャーデビュー

一般公募による“バーチャルタレント・オーディション2001”、CGアーティストの原田大三郎氏のルパン三世をテーマにした映像と音のライブ“ルパン三世トリビュートミックス”、アニメやマンガのキャラクターをモチーフにしたアート展、デジタルキャラクタームービーの上映、3D技術やモーションキャプチャーなどキャラクター制作に関する最新技術の展示などが行なわれる。

“バーチャルタレント・オーディション2001”は、CGで制作されたバーチャルタレントをプロ/アマを問わず広く募集し、キャラミックス ドットコム会場で最終審査を行ない優秀作品を選考するオーディション。優秀作品に選ばれたキャラクターには、TV番組への出演やCMへの起用、写真集の出版などメジャーデビューの道が用意される。

募集作品はCGで制作されたキャラクター全般で、ヒーロー、ヒロイン、動物等が対象。静止画、動画、2D、3Dを問わない。未発表作品であることが条件で、応募者が応募作品の利用を自由に許諾できる権限を有することが必要。募集期間は10月23日~12月22日まで。応募エントリーは、キャラミックス ドットコムのウェブサイト上で行なえる。応募料は3000円。

キャラクターの権利について考える

文化庁メディア芸術祭企画展実行委員会は、キャラミックス ドットコム開催にあたり、各界の有識者がデジタルキャラクターに関する著作権を研究する“デジタル肖像権研究会”を8月に設立した。同研究会では、デジタル時代の著作権の在りかたや、デジタルキャラクターに関する権利について研究しており、アーティストの権利を尊重した契約フォーマットを作成すべく準備を進めている。バーチャルタレント・オーディションの優秀作品は、作品利用の際に同研究会が作成した契約フォーマットを利用することになる。

同研究会について、CG-ARTS協会の会長である滝川精一氏は、「キャラクターの肖像権や著作権でトラブルが起きないように、研究会を8月に発足した。キャラクターの作者であるアーティスト個人の権利保護が大前提。過去の著作権の在りかたを考えつつ、新しい著作権フォーマットを考えなければならない」としている。

また、キャラミックス ドットコム実行委員であり、バーチャルタレント・オーディションの審査員でもある里中満智子氏(マンガ家)、モンキー・パンチ氏(マンガ家)、原田大三郎氏も、著作権問題についてそれぞれコメント。

「マンガがアニメ化するなど違う形で広まる時に、そのキャラクターをどう活かすかという決定権を持つ人が曖昧になっているケースが多い。本来は作者が持つのが自然だと思うが、そうではないケースがある」(里中満智子氏)

「ルパン三世については、現在いろいろな会社が権利持っていて、僕だけのものではない。原作者でありながら自由にできない部分がある」(モンキー・パンチ氏)

「バーチャルタレントのポリゴンデータをダウンロードすると携帯電話で動かせるといったことが可能になる。そういう場合にバーチャルタレントのマネージメントをどうするかが問題。“だまって使っちゃだめよ”というのは昔からあること。今後は、インターネットに出た瞬間にフリーになるのか、それとも管理するのかが問題」(原田大三郎氏)

マンガ家の里中満智子氏
マンガ家のモンキー・パンチ氏
CG作家の原田大三郎氏

キャラミックス ドットコム実行委員長兼プロデューサーの伊東順二氏(美術評論家/キュレーター)は、「今回の企画展は、キャラクターの在りかたや権利問題をテーマにしたもの。バーチャルタレント・オーディションは、“コンテスト”ではなく“オーディション”であり、優秀なキャラクターにデビューしてもらい仕事を持ってもらうのが目的。現在、日本のコンテンツの著作権の設定は曖昧となっているため、著作権の在りかたを模索していきたい。バーチャルタレント・オーディションは、未来のキャラクターと社会の関係を設定するためのシミュレーション事業。最低3年くらいは継続させ、よりよい常識作りをしていきたい」としている。

企画展プロデューサーの伊東順二氏

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