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文部省調査チーム、学校でのネットコピーの制限見直しを

2000年09月27日 22時42分更新

文● Web企画室 伊藤咲子

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文部省の調査研究チームである“コンピュータ、インターネット等を活用した著作物等の教育利用に関する調査研究協力者会議”は26日、著作権制度規定の見直しを求める報告をまとめた。同チームは、東京工業大学大学院教授の清水康敬氏を座長に、ネットワーク化が進む教育現場での著作権に関わる問題点を掘り起こし、制限の見直しなどに関する研究活動を行なっている。

現行の著作権法は、著作権法第35条の例外規定において、教育現場でのコピーを一部認めている。しかし、著作権法を制定した時代に想定していなかったコピー手段や通信手段、すなわちインターネットや衛星通信が教育現場で普及するにつれ、著作物の円滑な教育利用を促進するため、この例外規定に拡大の余地が出てきたという。

報告でまとめられた、主な内容は以下のとおり。

・例外規定として定めた、教育目的の著作物の複製主体の対象を、「教育を担任する者」から、児童生徒・学生など「学習者」まで拡大する
・同一教育機関内に限り、コピーした教員本人の授業以外、他の教員も使用できるようにする
・遠隔教育のための公衆送信について、その教育機関の「登録された学生・受講者」に限り、例外規定の対象とする

これらの拡大が法改正に反映された場合、(1)児童がインターネットで手に入れた著作物をコピーして教員や同級生に配布する、(2)ある教員が授業のために作成したコピーを校内LANのサーバーにアップロードし、他の教員が授業で使用する、(3)衛星通信を使った大学の公開講座で、主会場で配布している資料を受講者の端末画面に映し出す――といったことが可能になる。

そのほか、今回の報告において、図書館における利用や、無線を用いた同一構内での公衆向け送信についても、提言がなされた。これらの内容は、文化庁の著作権審議会に提出され、今年10月より法改正に向けた検討が開始されるという。

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