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VIA、DDR266対応チップセットなどを展示──VTF 2000から

2000年09月22日 23時04分更新

文● 編集部 小林久

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台湾VIA Technologies社の主催する開発者向けイベント“VIA Technology Forum 2000”(VTF 2000)が、都内のホテルで開催された。20~21日に台北国際コンベンションセンターに行なったイベントを東京でも行なったもの。内容は台湾のものと一部変更になっている。VTF 2000は北京、ミュンヘン、プラハでも開催される予定だ。

会場の様子

披露されたVIAの“VIA戦略”

午前中に行なわれた基調講演では、Business Development担当のジョニー・リー(Johnny Lee)副社長が出席。変革が進むPC業界の中で、VIAの進むべき方向性を説明した。同氏は、インターネット人口がここ5年でさらに増加すると指摘。VIAも“Information PC”と呼ばれる新しい市場セグメントを中心に据えた、インターネット戦略(Value Internet Architecture)を積極的に展開していく方針であると述べた。

Information PCとは、高度な情報処理ではなく、情報の参照を主眼に置いたPCで、199~499ドル(約2万1000円~5万3000円)の価格帯での提供を想定している。既存の500ドルPCと200ドル以下のインターネット・アプライアンス(IA)の中間となる市場セグメントを狙っており、安価でありながら、PCのソフトや周辺機器などの資産、拡張性などを兼ね備えているのが特徴。同社では“オープン・スタンダード”、“柔軟性”、“パートナーシップ”などをキーワードに、従来強みのあったバリューPC市場のさらにローエンドを積極的に開拓していく意向を表明した。

VIAのジョニー・リー氏。「真のバリュー(価値)とは、価格だけでも性能だけでもない」と語った

会場にはDDR対応チップセットなどを展示

午後のセッションでは、VTF 2000に合わせて発表された新製品を中心にした最新のロードマップが示された。

まず、デスクトップ向けのチップセットでは、DDR SDRAMに対応した『VIA Apollo Pro266』と『VIA Apollo KT266』を投入する。

VIA Apollo Pro266

Apollo Pro266がPentiumIIIとCeleron、KT266がAthlonとDuron向けで、ともに従来のPC133、VC-SDRAMに加え、新たに最大4GBのDDR SDRAM(266MHz駆動)に対応。NorthBridgeとSouthBridgeの間は転送速度266MB/秒の専用バス“VLink”で接続する。AGP4x、USB×6、ATA/100(2ch)、ACR(Advanced Communications Riser)、5.1ch対応のサウンド機能、56kbpsモデム、10/100BASE-TXまたはHomePNAコントローラーなどを搭載。デュアルプロセッサーに対応する。

米S3社の“Savage4”相当のビデオ機能を統合した“ProSavage”シリーズには、新たに『ProSavage KM133』(VT8365)が追加された。PentiumIIIとCeleronに対応した『ProSavage PM133』のAthlonとDuron対応版で、外付けのAGP4xにも対応する。SouthBridgeには、UltraATA100、HomePNA、10/100BASE-TX対応のEthernet、AC'97準拠のサウンド機能とモデム、USBポート×4、APMなどに対応した『VT8231』のほか、より機能を削った『VT82C685A』、『VT82C686B』などを選択可能。チップをピン互換とすることで、柔軟なシステムに対応できるようになっている。

ProSavage KM133から外付けAGP4x機能を削った『ProSavage KL133』(VT8364)をMicroATXやFlexATXのフォームファクター向けに用意する。KM133とKL133はピン互換になっており、「IDEやビデオドライバーなどの互換性があるので、システム構築が容易」(VIA担当者)であるという。なお、ProSavageシリーズのビデオメモリーはメインメモリーと共有するSMA方式を採用するため、チップセットとメモリー間の転送速度がボトルネックとなる。そこで同社では2001年中にDDR SDRAM対応製品を投入し、チップセットとメモリー間の転送速度を向上させるという。

一方、バリューノート向けの統合チップセットでは、Socket 370に対応したNorthBridge“ProSavage TWISTER”(VT8603)とSocketA対応の“TWISTER for Athlon”を2000年末から2001年第1四半期にかけてリリース。ともに、SouthBridgeにはVT8231を使用し、Savage4対応のグラフィックス機能、66~133MHzのFSB、PC100/133メモリー、UltraATA/100、USBポート×4、2チャンネルのLVDS出力、TV出力、10/100BASE-TX対応のEthernet機能などを搭載する。

また、低電力版のCPUとして『VIA CyrixIII Mobile』をすでに発表済みで、500~600MHzのクロック周波数で、平均10Wの低消費電力を実現できるという。このほか、ミニノート向けにより低消費電力化した『VIA CyrixIII LP』も投入する予定。現状でCyrixIIIは700MHzまでの高クロック化が予定されているが、同社では800MHzオーバーのクロック周波数を想定したWinchip C5BコアのCPU『VIA Samuel 2』のリリースも行なう予定。

展示会場では『Apollo Pro266』のデモンストレーションなどが行なわれていたほか、マザーボード、メモリーメーカーが自社ブースを設け、新製品の展示を行なっていた。

CyrixIII
展示会場ではApollo Pro266のデモが行なわれていた

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