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パイオニアと無機材質研究所、ホログラフィックメモリー装置を開発

2000年09月22日 20時26分更新

文● 編集部

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パイオニア(株)と科学技術庁無機材質研究所は21日、ホログラフィックメモリー用の記録材料となる“定比組成ニオブ酸リチウム単結晶”の製造と、同材料を用いた記録再生装置の開発に成功したと発表した。

ホログラフィックメモリー記録再生装置と記録材料。将来的には角砂糖サイズで1TB(テラビット)の記録が可能という

ホログラフィックメモリーとは、ホログラムの記録材料にレーザー光線を用いて、多重記録する光学メモリー。情報は、屈折率が変動した光学干渉パターンとして、記録材料の中で3次元的に記録されるという。今回発表された定比組成ニオブ酸リチウム単結晶は、鉄とテルビウムを添加したもので、従来の“鉄添加一致溶融組成ニオブ酸リチウム単結晶”に比べ、結晶の欠陥が10分の1以下となっている。同記録材料の製造方法として、無機材質研究所が、“原料自動供給による二重るつぼ引き上げ単結晶育成法”を開発した。

ホログラフィックメモリー用記録材料“定比組成ニオブ酸リチウム単結晶”

また、同記録材料は、紫外光照射により任意の箇所を初期化でき、熱処理による一括初期化が不要となったという。記録方法として、“ゲート光”と呼ぶ可視光と、“記録光”と呼ぶレーザー光を同時に照射して記録する“二色ホログラム記録”を採用した。同記録方式は、記録内容がゲート光を照射しない限り消去されないため、再生劣化のない不揮発記録を可能にしたという。今回開発された記録再生装置は、幅30×奥行き12×高さ12mmのサイズで、記録材料の初期化に波長313nmの紫外光を用いる。また、波長532nmのレーザー光で、記録材料の結晶中に情報を多重記録していく。実際の記録では、約1秒間のAVI形式の動画ファイルを24.6KBごとのページ画像に変換して、ホログラム多重記録した場合に、エラー率は実用上問題のない10万分の1のオーダーだったという。

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