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IBM、“ViaVoice”の新製品を発表

2000年09月21日 23時15分更新

文● 編集部 小磯大介

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日本アイ・ビー・エム(株)(以下IBM)は21日、都内で記者発表会を開き、音声認識ソフトの最新版『ViaVoice for Windows, Version8 日本語版』(以下ViaVoice8)を発表した。Pro版とStandard版で、11月2日に発売する。価格は、ViaVoice8 Pro版が1万8000円、ViaVoice8 Pro版に比べて機能の制限されたViaVoice8 Standard版が9800円。対応OSは、ViaVoice8 Pro版がWindows 95/98/Me/NT4.0/2000、ViaVoice8 Standard版がWindows 95/98/Me。

発表会では、同社ソフトウェア事業部ソフトウェア事業開発担当の岡部春樹氏が、両製品の概要について説明した。

岡部氏

ViaVoice8 Pro

ViaVoice8 Proは、パソコンのマイクに向かって話した言葉を漢字かな交じり文に変換して入力できるほか、音声でパソコンを操作することもできる音声認識ソフトの最新版。「製品としての実用期から、入力方法として普及してきた時期を経て、いよいよ声でパソコンと対話する時代になった」とした岡部氏は、これまでの音声認識ソフトのデモで頻繁に用いられてきた新聞の読み上げではなく、口語体の文章を認識させるデモをおこない、音声認識エンジンの性能向上をアピール。同社従来製品に比べ、認識ミスの度合いが20パーセント改善したという。利用者それぞれが持つ、話し方の癖や特徴を把握し、認識率を高める“エンロール”にかかる時間も、従来の約半分、15分程度で済むとした。

また、ViaVoice8 Proでは、ウィザード形式で、ワープロ文書やメール本文の単語をまとめて登録できるツール“My Dictionary ナビ”を搭載。ユーザーがよく使う単語などを音声認識用の辞書に登録するためには、登録したい単語の入った文書ファイルをテキスト形式化し、さらにその場所を自分で指定しなければならなかった同社従来製品に比べ、かかる手間が約半分になったという。対応ワープロ/メールソフトは、Microsoft Word、一太郎、Microsoft Outlook Express、Netscape Messenger、Lotus Notes、PostPetで、ソフトのバージョンは問わない。なお、他のソフトから単語を登録するには、従来通り手作業となる。

そのほか、Microsoft Word 97/98/2000で、ファクスやレター文書で音声入力するためのテンプレートを作成できる機能“ViaVoiceドキュメント”、一連のキーボード/マウス操作に名前をつけて保存することで、音声でパソコンを操作できる機能“ナビゲーション・マクロ”、自分専用の音声コマンドを作れる機能“ボイスマーク”、ナビゲーション・マクロを呼び出すためのキーワード“アテンション・ワード”を設定できる機能も新たに追加された。

同氏は、ViaVoice8 Proにあわせて、同ソフトのエンジンを用いたサービスについても発表。耳の不自由な人向けに字幕放送サービスを提供する日本放送協会(NHK)が、アナウンサーの声を自動的にテキスト化するシステム“字幕放送画面製作システム(NeON-II)”に、ViaVoice8のエンジンを採用したことを発表し、実際にデモをおこなった。また、特定の専門職に向けた追加辞書を発売する予定があるとし、2001年の第1四半期に発売する『ViaVoice 医療辞書』(価格3万円)を皮切りに、いくつかの辞書データをパッケージ販売する計画を明らかにした。また、シャープ(株)が、ViaVoice8 Proのエンジンと、シャープの開発した単語の意味や単語同士の関係を分析して数値化し、その内容を理解する技術“連想検索技術”を組み合わせ、音声対応操作ナビゲーションソフト『パソコンナビ2001―リッキーくん―』を開発し、製品化したことも合わせて発表した。なお、シャープは、同ソフトを標準で搭載した“メビウス”シリーズの最新パソコンを本日発表した。

字幕放送画面製作システムNeON-IIのデモ

ViaVoice8 Standard版は、ViaVoice8 Pro版の機能限定版。従来製品では、Standard版の拡張版がPro版という位置づけだったが、Pro版が売り上げの8~9割を占める国内市場にあわせて、位置づけが変わった。“ViaVoiceドキュメント”、“ナビゲーション・マクロ”、“ボイスマーク”、“アテンション・ワード”は利用できないなど、いくつかの制限がある。なお、従来製品のStandard版では、同梱する、ViaVoice専用の文書エディターソフト『SmartPad』でのみ音声による文字入力をサポートしていたが、ViaVoice8 Standard版では、Microsoft Word 97/98/2000でも音声による文字入力できるようになった。また、同じく従来はサポートされていなかった、Windowsに付属するウェブブラウザーであるMicrosoft Internet Explorer5.0以降の基本操作を音声でおこなえる機能が追加された。

なお同社では、ViaVoice8 Pro版に相当する、Macintosh用の『ViaVoice for Mac 日本語版』を、20001年上半期に出荷する予定。

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