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IBMや富士通、EJBコンポーネントのコンソーシアムを呉越同舟で設立

2000年09月20日 21時38分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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日本アイ・ビー・エム(株)や富士通(株)など6社は20日、都内において、EJB(Enterprise Java Beans)コンポーネントの可搬性を実現するためのコンソーシアムを10月に設立すると発表した。

記者会見は、日本IBMの大歳卓麻代表取締役社長と富士通の秋草直之代表取締役が横に並んで座るという、「いっしょの会見は初めてだろう」(秋草氏)という状態で行なわれた。

日本IBMの大歳社長、富士通の秋草社長(右から)

コンソーシアムは、ソフトウェア開発を短期に低コストに行なうために、EJBコンポーネントを特定のハードウェアやOS、ミドルウェアに依存しない可般性を実現するためのコンポーネント規約を策定しようとしている。

本来Javaは、どのプラットフォームでも稼動するはずだが、開発の会社の仕様に対する解釈の違いや実現方法のために、どの環境でも動作するコンポーネントというのが必ずしも実現できていないという。そのため、設計技術の整備が必要で、コーディングの行ない方や品質公開情報の規定などを策定し、コンポーネントの流通を促進、普及を目指すという。

コンソーシアムは下記の6社が発起人となり、10月6日に設立総会を開催する。10月にコーディング規約のドラフトを提出、12月にその規約を無償で一般公開する。来年1、2月を実験期間とし、3月に第2版の予定という。品質公開情報の規定のほうは、4月を目標とする。コンソーシアムの名称は12月に決定の予定。

  • 日本IBM
  • 富士通
  • (株)イーシー・ワン
  • エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションウェア(株)
  • 川鉄情報システム(株)
  • 日立ソフトウェアエンジニアリング(株)

EC-Oneの加山幸浩社長、NTTコムウェアの松尾勇二社長、富士通の秋草社長、日本IBMの大歳社長、日立ソフトの広田雅彦取締役、KSDの富島正社長(左から)とトップが一同に会した

運営は3年3期の期間限定とし、EJBコンポーネントの開発や流通、活用するユーザー企業などが会員として参加可能という(年会費は30万円の予定)。部会としては、コンポーネント規約の策定を行なう「ポータビリティ部会」や「品質情報公開部会」「デザイン部会」の活動が予定されている。会員になることにより、ドラフト時点での情報入手、策定への投票権が得られる。

コンポーネントの流通において、各社が勝手に「規約準拠」をうたえる状況では、真の流通促進、普及を望むことは難しいだろう。しかしコンソーシアムは、それを認定する制度や、コンポーネントの接続テストを行なえるセンターなどについて、コンソーシアムは策定までとしタッチせず、第3者認定機関やほかの動きに任せるという姿勢をみせた。

コンソーシアムの会長にはNTTコムウェアの松尾勇二社長が就任の予定で、事務局は富士ソフトABC(株)に置かれる。

問い合わせ先
コンソーシアム事務局(富士ソフトABC株式会社)
TEL. 03-5600-5028

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