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【IDF-J 2000 Fall レポート Vol.3】低価格デジカメも登場したe-Homeビジョン

2000年09月20日 17時32分更新

文● 編集部 佐々木千之

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インテル(株)は19日、開催中のIDF 2000 Fall Japanにおいてプレス関係者向けセッションを開催し、同社が提唱するe-HomeコンセプトとUSB 2.0について説明した。e-HomeセッションではPentium 4を搭載したコンセプトPCや同日発表された低価格デジタルカメラなどを披露した。

米インテルのe-Homeアーキテクチャーグループ、ディレクターのカート・セナート氏

“e-Home(イーホーム)”とは、いつでもどこでもインターネットにアクセス可能な環境やそれを前提としたライフスタイルを示す広い概念。インテルが考えるこのe-Homeのビジョンを、(Kurt Sehnert)氏が、いくつかのデモを交えながら説明した。

セナート氏のセッションは、家の中を意識した展示に囲まれる形で行なわれた

セナート氏は、インテルが今後出荷を予定しているハイエンドデスクトップ向けプロセッサーPentium 4、大規模サーバー向け64bitプロセッサーItanium、PDAや携帯電話など主に組み込み向け用途を狙ったXScaleマイクロアーキテクチャーの話題に触れ、これらがe-Homeの要素の1つであるクライアントとサーバーに対して同社が提供する最先端の技術だと紹介した。特にPentium 4がもたらすブレークスルーの例として、ソニー製のDVフォーマットからMPEG-2フォーマットへの変換ソフトを紹介した。従来のPentium III-733MHzでは毎秒15フレームが限界だったが、このフォーマット変換ソフトはPentium 4のSSE2命令に対応しており、ベータ版ながら毎秒30フレームのフルレートでリアルタイム変換が可能という。

Pocket PC Camera日本語版

また、ここでセナート氏は、パソコン用顕微鏡として知られる『IntelPlay QX3 コンピュータ マイクロスコープ』に続く家庭向け映像製品として、『Intel Pocket PC Camera日本語版』を発表した。

『Intel Pocket PC Camera日本語版』下側に見える青い色の台は取り外し可能だ
Pocket PC Cameraの背面。ファインダーは光学式のみ。左下に見えるのがUSBポート

Pocket PC Cameraは、30万画素のCCDと固定焦点レンズを備えたデジタルカメラで、内蔵の8MBメモリーに640×480ドットの画像(JPEG、BMP、FlashPix)を128枚、または2分間の音声なし動画像(最大640×480ドットで毎秒30枚)を記録できる製品。電源は単4乾電池4本を使用する。2秒間で5枚の連写も可能。USBインターフェースを備えており、記録した画像のPCへの書き出しはUSBを通じて行なうほか、USBケーブルで接続してPCビデオカメラとして利用することもできる。このPocket PC Cameraにはビデオカンファレンスソフト『Microsoft Netmeeting』、ビデオ電子メール作成ソフト『Intel E-mail Postcard』、ホームページ作成ソフト『Intel HomePage Builder』、画像編集ソフト『MGI Photosuite SE』などが付属する。価格は1万6800円で、11月7日に発売予定。同時に、USB接続のPCビデオカメラ『Intel Easy PC Camera』も発表された。こちらはビデオカンファレンスソフトやビデオ電子メール作成ソフトなどは付属するが、ホームページ作成ソフトや画像編集ソフトは省かれている。価格は5900円で、11月上旬に発売予定としている。

『Intel Easy PC Camera』

またこれからのパソコンをイメージしてデザインされた“コンセプトPC”をいくつか披露した。そして、インテルが審査し、革新性、シンプル、スタイルという3つの観点から選ばれる“Intel Innovative PC Award”に、日本電気の『simplem(シンプレム)』が選定されたと発表された。これは日本製パソコンとしては初めての受賞となる。

コンセプトPCの1つで、外付けのCD-ROMドライブ程度の大きさしかない“ICE(Integrated Concept Electronics)”。Sozo Designのデザインによるもので、プロセッサーは“Future Intel Archtecture Processor”とあるところをみるとチップセット統合型のTimnaか?
基調講演でも登場した、Pentium 4とIntel 850チップセット搭載の“Akiru”。デザインはFIORI
Akiruのケースを開けたところ。電源はACアダプターの外付けで、ケースの上部にはファン2基がついている。強度と消音のため、E-PACというポリプロピレンフォーム(梱包材に使用されるようなもの)が内部に使用されている

USB2.0登場を機にUSBロゴが変わる

e-Homeのセッションに続いて行なわれたのが、USB2.0に関するセッション。米インテルのテクノロジーイニシアティブマネージャーで、USBインプリメンテーションフォーラムの議長を務めるジェイソン・ジラー(Jason Ziller)氏が説明した。

米インテルのテクノロジーイニシアティブマネージャーで、USBインプリメンテーションフォーラムの議長を務めるジェイソン・ジラー氏

USB2.0は現在ほとんどのパソコンに搭載されているUSB1.1の上位互換性を備える。データ通信速度はUSB1.1の12Mbpsに対して40倍の480Mbpsに高速化されている。ジマー氏によると、4月にUSB2.0のファイナルスペックがリリースされ、日本電気やルーセントテクノロジーズが、USB2.0用のチップを発表した状況で、75社以上の企業が来年の出荷を目指してUSB2.0製品を開発中。最初のUSB2.0製品は、今年の暮れには登場するという。USB1.1と2.0を使って、数10MBのファイルをコピーしてみせるデモも行なわれた。もちろんUSB2.0の圧勝で、10秒程度で終了していた。このほか、富士通製のUSB2.0インターフェースを持つMOドライブで、高品質のビデオ画像を再生し、スムーズに再生されることをアピールしていた。

参考出品されていた、USB2.0インターフェースを持つ富士通のMOドライブ
USB2.0の登場を機にUSBロゴのデザインが変更される。新しいロゴを付けた製品は、2001年の初頭から登場する予定

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