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【Apple Expo Paris 2000 Vol.4】Mac OS X公開ベーター版ファーストインプレッションは?(写真追加編)

2000年09月14日 14時19分更新

文● 林 信行

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前回のMac OS X公開ベーター版パッケージレポートに引き続き、同OSベーター版の導入レポートをお届けしたい。

Mac OS X公開ベーター版の画面。デスクトップにおいたファイルなどでたまに文字化けが起きる他は日本語の利用で特に問題を感じていない

英仏独の3ヵ国語版でも、日本語の表示や入力は可能

今回、配布されたベーター版は、英仏独の3ヵ国語用しか用意されていないが、そもそもMac OS Xは世界各国語対応(正確にはアップル社のキー市場の言語すべてに対応)したOSなので、いずれの版を購入してもちゃんと日本語の表示や入力が可能だ。フォントとしては現行Mac OSに付属のものに加えて新採用のヒラギノフォント6書体もすべて付属し、日本語入力プログラムとしては『ことえり』が付属している。

Mac OS X公開ベーター版は現行Mac OS付属フォントに加えて新たにヒラギノフォントが追加されている
Mac OS X公開ベーター版には、日本語入力プログラムのことえりもちゃんと搭載されている

さらにMac OS X上で、現行のMac OS 9用日本語ソフト(Classic)も使うことができる。実際、この原稿はMac OS X上で動作するLightWay Text(山下道明氏作のオンラインウェア)というClassicソフトを使って執筆している。Classicソフトを利用するにはMac OS XのClassicという機能を用いる。これは言ってみればMacそのもののエミュレーターだ。このエミュレーター用にMac OS 9のシステムフォルダを割り当てれば、Mac OS 9が動作し、その上でClassicソフトが利用できる。つまり、Classicソフトを起動すると、まずはClassicというソフトが起動し、その上でMac OS 9が起動する。このため最初のClassicソフトの起動にはかなり時間がかかる(ほぼMac OS 9の起動時間と同じだけ待たされる)。

この原稿はMac OS X上で動作する現行Mac OS用ソフトで執筆した(この場合は、現行Mac OSのシステムフォルダーにインストールした日本語入力プログラムを利用して文字を入力する)
Classic用ソフトを起動すると、まずはClassicというソフトが起動し、続いてこのソフト上でMac OS 9が起動する

Air Macには非対応だが、ネット接続はオーケー

さて、気になるMac OS Xのインストールだが、アップル社の公式資料によれば、同OSはPowerPC G3を搭載した状態で発売されたMac全機種が対応機種になっている。本レポートではPowerBook(FireWire)でインストールを試みた。

インストール中の画面。PowerBookで約30分とMac OS 9に比べるとかなりインストールにかかる時間は長い

インストールの所要時間はおよそ30分で、Mac OS 9と比べると約倍近い時間になっている。ただし、最初にいくつか質問に答えておけば、後はインストール作業が完了し、本体を再起動するまでの間、特別な操作をする必要はないので、ユーザーはインストール中ずっとMacの前に座り続けていなければならないわけではない。

Mac OS X公開ベーター版は、Air Macには非対応(そもそも設定方法が用意されていない)ものの、イーサネットやモデムを使ったインターネット接続には既に対応しており、付属の電子メールソフト、“Mail”や“Internet Explorer”を使ってインターネットを利用したり、QuickTime Playerを使ってムービーやQuickTime TVを楽しんだり、Music Playerというソフトを使って音楽CDやMP3ファイルなどを再生したりといったことは可能だ。

またClassicを使えば、今日使っているほとんどのアプリケーションがMac OS 9とほぼ変わらない実行速度(体感速度。計測したわけではない)で利用できるため、Air Macなどの特別なハードなどを使わない限り特に不自由を感じることはないだろう。

今回、なぜ日本語版が出荷されなかったのかをアップル社ブースで、各国語対応機能を紹介していたアップル社員に聞いたところ「日本語のメニューなどがまだ用意できていないから」という回答を得た。

Mac OS Xの多国語対応は、ただ同じ英語版OSでいろいろな国の言語の表示、入力ができるというわけではなく、ユーザーがSystem Preferencesという初期設定を使って希望の言語を切り替えると、OSのメニューやダイアログ、ヘルプ機能などがちゃんとその言語に切り替わる仕様になっている。なお、アプリケーションにも複数の言語用のメニュー、ダイアログ、ヘルプデーターを搭載可能なので、初期設定を切り替えると多国語対応アプリケーションのメニューも表示言語が切り替わる(例えばFinderでも、表示されるボタンなどの名前が変わる仕様になっている)。

Mac OS Xでは、System Preferencesを使って好みの言語を選択できる。現行の公開ベーター版では“日本語”という選択肢は用意されていない
図7の設定で、好みの言語を切り替えるとメニューやウインドー、ダイアログなどの表示がその言語に切り替わる

今回はそれほど本格的なテストを行なわず、スティーブ・ジョブズの基調講演で紹介されていた主な機能を振り返ることにする。

PowerBookのスリープからの復帰を確認

まず、ジョブズがSeybold Seminarsで披露しようとして失敗におわったPowerBookのスリープからの復帰(Mac OS Xではネットワーク設定がどんな状態でも1秒で復帰する)だが、これは筆者のPowerBookでちゃんと確認できた。なお、デスクトップ機でもスリープからの復帰が1秒で済むのかはまだ確認していない。これはかなり革新的なことだ。この機能だけのためにMac OS Xへの移行を考えるユーザーがいてもおかしくないだろう。

続いてPDFベースの新しい描画エンジン、Quartzの機能をスティーブ・ジョブズと同じPDF Composerというソフトを使って試そうと試みた。すると、ちゃんとPDFの画像のリサイズや回転、さらには影をつけたり、透明度を変えたりと言ったこともできた。ただし、残念ながら公開ベーター版付属の同ソフトには編集したPDF画像を3D(OpenGLで描画)上にマッピング表示する機能は用意されていないようなので、これは試せなかった。

ジョブズの講演では既におなじみとなったPDF Composer。ただし、Open GLにマッピングする機能はない

また、ジョブズは、基調講演でよくウインドーを最小化するときに現れる“ジニーエフェクト”(ウインドーがドックに吸い込まれるように表示されるアニメーション)をスローモーションで実演して見せたが、これはSHIFTキーを押しながら、最小化ボタンをクリックすることでできることが分かった。

もうひとつ、おそらく多くの読者が楽しみにしていただろう、新スクリーンセーバーでは、スティーブ・ジョブズが再三デモをしていたきれいな“Icons”というスクリーンセーバーは搭載されておらず、単にアップル社のロゴマークが表示されるだけの“General”しか付属しなかったのは残念だ。

標準添付のスクリーンセーバー“General”。アップル社のロゴマーク(グラファイト色)が表示されるだけ

なお、Mac OS X公開ベーター版の詳細な機能や動作、付属アプリケーションについては現在、発売中のMacPeople誌や18日発売のMACPOWER誌でさらに詳しく画像入りでレポートしているので、ぜひそちらも参考にしていただきたい(ただし、両誌で紹介している画像編集ソフト『Pixel Pusher』は、Mac OS X公開ベーター版には付属しなかったようなので注意が必要だ)。

これまでさかんにデモされてきたが、公開ベーター版には付属しなかった画像編集ソフト、『Pixel Pusher』。詳細はMacPeopleまたはMACPOWER誌を参照

また、Mac OS X公開ベーター版の使用中、なんらかの理由でMac OS 9に切り替えたい場合にはSystem PreferencesのStartup Diskという項目を使えば簡単に切り替えが可能だ。

もっともMac OS X公開ベーター版を約4時間ほど試用したが、印象はかなりいい。ぜひ1日でも早く日本語版の配布を開始して欲しいものだ(日本語公開ベーター版を配布しないという噂の真偽についてはまだ確認がとれていない)。

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