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ショックウェーブ・ドットコム、エンタテインメント・コンテンツの提供を開始(前編)

2000年09月14日 00時00分更新

文● 千葉英寿

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インターネットユーザー向けにコンテンツの提供と配信をしている米shockwave.com社がジョイントベンチャーにより設立したショックウェーブ・ドットコム(株)は13日、都内おいて記者発表会を行ない、日本おける事業を開始することを発表した。

shockwave.com社は、Macromedia社の持つFlashとShockwaveの特性を活かしたエンタテイメントコンテンツを提供するサイトを運営している。この日本法人がショックウェーブ・ドットコム(株)だ。同社は、shockwave.com社を筆頭株主に、トランスコスモス(株)、(株)イー・ベンチャーズ、富士銀行、富士銀キャピタル(株)の各社によるジョイントベンチャーとして設立。資本金は、3億5000万円で、90%以上をshockwave.com社が保有し、続いてトランスコスモス(株)、(株)イー・ベンチャーズ、富士銀行、富士銀キャピタル(株)の順の保有比率となっている。

発表会では、shockwave.com社のビジネスデベロップメント担当副社長アイザック・バブス氏と、マクロメディア(株)の代表取締役社長でありショックウェーブ・ドットコム(株)の取締役でもある手嶋雅夫氏が出席し、同社の事業について説明を行なった。また発表会席上には、主要株主の代表者も出席した。

オープン前から高い実績!?

冒頭、手嶋氏が登壇し、「shockwave.comはインターネットに特化したエンタテインメントサイト」であることを強調。8月11日から9月10日までの1ヵ月間、スタート前のプレオープン段階でありながら、1日あたり250万ページビュー、60万ビジター(ユニークユーザー)、220万人が登録(shockwave plug-insをインストール)という高い実績を上げていることを示唆した。さらに「この250万PV/日というのは、すでにエキサイトやライコスの半分ぐらいあるのではないか?」と付け加えた。

マクロメディア(株)代表取締役社長であり、ショックウェーブ・ドットコム(株)の取締役でもある手嶋雅夫氏

さらに「200万ユーザーにURL入りのメールを送信しているが、このクリック率が10%強ある。これは通常のユーザーに送った場合の10倍にあたる」と語った。また、shockwave.comのユーザー滞在時間は平均12分であり、アドバナーのクリック率が10%以上で、通常の3倍であるとし、「広告媒体として高い価値を持っている」と強調し、広告畑出身の一面を垣間見せた。

Flashの次のターゲットはモバイル!

手嶋氏は、shockwave.comの中核技術となるShockwaveとFlashについて、「ワールドワイドで7月までの累計が7800万ダウンロード(うち日本は7~8%でおよそ500万ダウンロード)されている」とした。また、マルチメディアプレーヤー全体の位置づけとして、Flash Playerを2億4800万ユーザーが保有、Shockwave Playerは1億3700万ユーザーが保有している(いずれもNPO Online Reserch調べ)」とし、「FlashPlayerについては、JavaやWindows Media Player、Realよりも多い数だ」と語った。

Flashの今後の展開としては、Palm OSやWindows CE、さらに携帯端末(Symbian)といったハンドヘルドプラットフォームへインプリメントし、「バラエティーにとんだユーザーにリーチしていく」とした。

日本独自のコンテンツの提供に力を入れる

続いてアイザック・バブス氏が登壇し、ビデオ出演となったshockwave.com社CEOのローレンス・レビー氏のメッセージを紹介した。レビー氏は、「ショックウェーブ・ドットコム(株)の設立は、米国以外でのビジネスのスタートとなる。日本独自のコンテンツの提供にも力を入れていきたい」と語った。

ビデオ出演となったshockwave.com社CEOのローレンス・レビー氏。元ピクサー社の経営陣で、「トイストーリー」をはじめ世界的なヒット作に関わった経験をもつ

バブス氏は、まず、「2005年までにすべてのユーザーの92%がリッチメディアコンテンツを使用すると見られておるり、どのような投資家に聞いても、オンラインエンタテインメントは、広大な市場だと言うだろう」とした。今後の目標として「エンターテインメントのナンバーワンサイトとして、リーダーとしての地位を確立したい」と述べた。

shockwave.com社のビジネスデベロップメント担当副社長、アイザック・バブス氏。日本法人設立の責任者だ

また、これまでの実績として、SHOCKMACHINEの無料ダウンロードが昨年11月の開始から10ヵ月で400万ダウロードだったとし、セーブされたコンテンツが1600万あったことを明らかにした。今後は、こうしたコンテンツのダウンロードを有料課金としていくという。

ユーザーのデータについては、昨年11月から2000年7月までの間で、登録ユーザーが500万人から2500万人、訪問者数が74位から45位(PC Data Online調べ)というように急激に実績を伸ばしていることを強調。

また、「リッチメディアのパイプラインを構築し、ハリウッドの実績あるタレントを採用することで、日本独自のアニメーション技術と新人アーティストによるコンテンツを提供したい」とした。

実際すでに、トレイ・パーカーとマッチ・ストーン(“サウスパーク”)、ティム・バートン(“ビートル・ジュース”、“シザーハンズ”)、ディビッド・リンチ(“ツインピークスス”、“ブルーベルベッド”)といった「日本でもよく知られていて、追っかけがいるような」(バブス氏)アーティストが採用されている。

同席した出資企業の代表の各氏は、以下のようにコメントした。

shockwave.com Incに次ぐ主要株主であるトランスコスモス(株)代表取締役会長兼社長であり、(株)イー・ベンチャーズの代表取締役社長も務める奥田耕己氏は「日本を代表するエンタテインメントサイトに成長することを確信している。関連企業でリッスンジャパンやダブルクリックが協力させていただくことになるが、トランスコスモスのシナジーを活用していただきたい」とした。

富士銀行法人営業部の岩佐淳一部長は「1年半前にご相談をいただき、即答で協力させていだくことにした。富士銀行の“コンテンツは、ITに不可欠な分野”であるとした考えを具現化することができる」と述べた。また、富士銀キャピタル専務取締役の中濱鐵志氏は「日本を代表する最高のエンタテインメントサイトとして、将来のIPOを目指したい」と抱負を語った。

共同出資者の代表の面々。左より、手嶋氏、トランスコスモス(株)代表取締役会長兼社長で(株)イー・ベンチャーズの代表取締役社長の奥田耕己氏。富士銀行法人営業部部長の岩佐淳一氏、富士銀キャピタル専務取締役の中濱鐵志氏

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