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“Meltdown Tokyo 2000”開催、DirectX 8.0は10月中旬リリース

2000年09月13日 19時14分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は13日、ゲーム開発者向けカンファレンス“Meltdown Tokyo 2000”を都内で開催、DirectXの最新バージョンである“DirectX 8”の概要説明を中心としたセミナーを行なった。

DirectX開発チーム。中央の黒いシャツの男性が、DirectX 8の概要説明を行なった米マイクロソフト社DirectXグループプログラムマネージャーのMark Kenworthy氏

DirectX 8はWindows 2000に対応するほか、Whistlerにも対応しており、アプリケーションとデバイスの互換性があるという。

Whistlerは、ホームユースを重視したユーザーインターフェースを採用、新たなログイン方法により、Administratorはない。ユーザーの切り替えがすばやく行なえ、ビジュアルデザインも改善したという。

また、コンシューマー向け機能として、ホームネットワークやデジタルメディア接続、オンラインサポートといった機能を備えている。Winodws 9xのパフォーマンスとWindows 2000の堅牢性を備えており、開発と実行のプラットフォームが同一化できるという。

同社は、Windows 9xのリリースはもう考えていないとし、今後のゲーム開発には、Windows 2000またはWhistlerを利用してほしいとしている。また、Windows 2000で動かないAPIも、Whistlerで動くようにしたいとも説明している。なお同社は、OEMや小売店向けにWhistlerのキャンペーンを来年行なうという。

DirectX 8グラフィックス概要

DirectX 8のグラフィックス機能は、“DiredctDraw”と“Direct3D”のAPIアーキテクチャーを統合したことで、少ないコード数で開発でき、使い勝手が向上したという。また、Pentium4に対応している。

Direct3D 8.0は、頂点データを組み合わせて入力処理できる“パラレル頂点DMA入力”、プログラミング可能な“頂点シェーダ”、“ピクセルシェーダ”を搭載する。頂点シェーダ/ピクセルシェーダをサポートしたチップは、ハードウェアメーカー各社が2001年第1四半期に量産する見込みで、同社は、2001年クリスマス用のゲームにはこれらのチップを使ってほしいとしている。

また、スモーク等のエフェクトをゲーム中に実現する“ボリュームテクスチャ”、特殊効果を付加できる“パーティクルレンダリング”などを搭載、毎秒1.2ギガピクセルおよび毎秒60メガポリゴンの描画を実現するという。

DirectX 8オーディオ概要

DirectX 8オーディオ機能は、サウンドを生成するシンセサイザーの“DirectMusic”と、ミキシングコンソールの“DirectSound”を備えている。DirectX 8では、DirectSoundとDirectMusicのコアをほぼ統合し、APIが互いに補完するようになっている。DirectMusicでは効果音にもオーディオAPIを利用できる。

業界標準のシンセサイザーウェーブ形式“DLS2”をサポートするほか、音楽ストリーミングファイル再生、バッファ上での効果音処理などが可能。また、スクリプティング言語を利用することで、オーディオを実装する際のプログラマーの作業を軽減できる。

“DirectPlay 8.0”は、マルチプレイをサポートし、ネットワーク通信機能を提供するもの。これにより開発者はネットワークに関するプログラミングが容易となる。また、ネットワークゲームにボイス機能を追加できる“DirectPlay Voice”を搭載する。DirectPlay Voiceは、ネットワークゲームをプレイ中に、ユーザー同士が会話できるようにするもの。

“DirectInput 8.0”は、ゲームパッドやジョイスティック等の入力機器をマッピングし、ゲームアクションを管理するもの。ゲームアクションと入力機器の入力を設定するための標準ユーザーインターフェースを提供する。また外国語キーボードに対応している。

最終版は10月中旬リリース

DirectX 8.0最終版は10月中旬にリリースされる。また、DirectX 8.0にいくつか新機能を追加したDirectX 8.1最終版は2001年第2四半期に、DirectX 9.0は2002年第2四半期にそれぞれリリースされる見込み。

DirectX 8.1は、パフォーマンスを改善するほか、ローカルポイント光源のシャドウバッファや、CADオーサリングをサポートする予定だが、搭載機能についてはまだ完全には定義されていないという。

DirectX 9.0は、Windows 95は非対応。スペックは現在検討中だが、ピクセルシェーダと頂点シェーダを含む“シングルシェーダ”を搭載し、フォグやクラウドの精度をより高めるという。なお、Whistlerは、DirectX 8.1を実装する予定。

X-Boxに実装されるDirectXについては、「われわれはX-Boxチームではないので限られた情報しか提供できない」(Kenworthy氏)としながら、「X-Box搭載のDirectX APIは、ドライバー等をX-Boxに合う形にするため変更が加わっているだろう。DirectX対応ゲームをWindows上で動作させた場合とX-Boxで動作させた場合ではもちろん異なるが、それはDirectXの違いというよりも、プラットフォームの違いによるものが大きい」(同氏)と説明した。

別室では、互換性テストセッションも実施された。写真はGeFource2Ultraの互換性テストを行なっていたNVIDIAのブース

Meltdown Tokyo 2000は、明日14日まで東京/東京ファッションタウンTFTホールで行なわれる。

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