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日本オラクル「iDevelop2000」レポート

2000年09月12日 22時39分更新

文● 若菜麻里/ASCII24 Business Center提供

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日本オラクル(株)は、9月11日と12日の2日間、神奈川・パシフィコ横浜で開発者向けのカンファレンス「iDevelop2000」を開催した。米Oracleのレネ・ボンバーニ(Rene Bonvanie)副社長の基調講演および37のセッション、そして、日本オラクルおよび29社のパートナー企業による展示を通して、データベース技術やXML、Javaのほか、モバイル、ポータルなどに関する最新の話題が来場者に提供された。ここでは展示の中でも、業務ソリューションに関連したものをいくつか紹介する。

日本オラクルは、Oracle8iを中心に、一連のオラクルデータベース製品を展示した。一連の製品というのは、Linuxに対応した「Oracle8i for Linux」、Windows 2000に対応した「Oracle8i for Windows NT」、データウェアハウス向けの「Oracle OLAP Server」および「Oracle Discoverer」、アプリケーションサーバー「Oracle Internet Application Server(iAS)」、ポータルフレームワーク「Oracle Portal」、運用管理の「Oracle Enterprise Manager」、開発ツール「Oracle Developer」「Oracle JDeveloper」などだ。

展示会場にはオラクル関連ソリューションがずらりと並ぶ

また、初日にオープンした技術者向けの情報提供サイト「OTN(Oracle Technology Network)」や、技術者のスキルアップのためのインターネットを介した講座「Net Class iNavigator」「Net Class iPremium」も出展された。

Net Class iNavigatorでスキルをチェックする技術者の姿も

Oracle DiscovererやOracle OLAP Serverを用いたビジネスインテリジェンス(BI)のデモでは、架空の化粧品会社のWebサイトで、どうすれば効果的なキャンペーンがうてるかという、顧客分析の一例が紹介された。

分析のベースとなるデータは、顧客のWebサイトにおける振る舞いである“クリックストリーム分析”や、買い物の頻度、金額、今後どれくらい購入してくれそうか、などの情報から、顧客を数段階にランク分けする。キャンペーンの対象者を、中レベル以上の優良顧客でOLというように絞込み、その客層への売れ筋の化粧水について、割引価格を設定する。ついでにクレンジングの試供品もつける。さて、割引率をどれだけにすれば、どれほどの売上増が見込めるか……といったことがシミュレーションされた。

もちろんその裏では、各企業の経験則などに基づいた予測関数を用いた複雑な計算が行われているという設定だ。オラクルのブース担当者によると、「米国では米Amazon.comをはじめ、各業種でこうした構築事例があるが、日本で事例が出るのは、まだこれからだ」という。

パートナー企業ゾーンでは、オラクル製品に対応した開発支援ツールや、Webに対応した帳票印刷システムなどが展示された。翼システム(株)は、iASと連携しWeb環境で基幹系業務の帳票出力・管理が可能な「Super Visual Formade(SVF) for Web/PDF Java Edition」を出展した。この製品は、Oracle8iとネイティブに接続、柔軟なクエリーによるデータ抽出に基づいた帳票をPDF形式で出力する製品だ。

また日本オプロ(株)は、10月に発売予定の新製品「OPRO Data Center Architecture for WEB」を紹介した。この製品は、分散型マルチデータベースをサポートしているWebアプリケーション開発運用ツール。CSV形式でのデータの取り出しや、XMLへのマッピング、HTMLとXMLの自動変換などに対応している。

そのほか、中部コンピューター(株)は、iASに対応したeCRM製品「Infofarm戦略箱 Ver2.0」を9月末のリリースに先駆け紹介した。従来バージョンが備えている商談管理や受注管理といったマネジメント支援機能に加えて、業務分析やマーケティングに関する機能が追加された。特に業務分析では、業績や顧客満足度、従業員満足度などについて、アンケート形式で分析し、その結果を数種類のチャートで表示し、各担当者ごとの課題の抽出が可能だという。

コンパックコンピュータ(株)は、電子調達の展示を行なった。オラクルの調達モジュール「iProcurement」と、コンパックの部品情報管理ソフト「Engineering Bus」を連動させ、最適な部品の選定から購入申請、発注までのプロセスを効率化できることを示した。


iDevelop2000全体を通して、技術者の集いということもあり、一般のイベントほどの賑やかさはなかったが、その分、セッションや展示ブースでは、テクニカルな話題やつっこんだ議論が熱心に行なわれていたのが印象的だった。

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