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リコー、eメール対応デジタルカメラを発表

2000年09月06日 14時30分更新

文● 編集部 小磯大介

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(株)リコーはパソコンなしでeメールを送信できる、334万画素CCD搭載デジタルカメラ『RDC-i700』を発表した。価格は15万8000円。9月20日に発売する。

『RDC-i700』。ペンは電源ボタンの下部に格納されている

同製品では、3.5型、20万画素のタッチパネル液晶を搭載。6月17日発売した横型の334万画素機『RDC-7』の液晶(2型、20万画素)に比べて面積比で約3倍大きくなった画面で、ペン操作でトリミングをおこなったり、手書き文字を書き加えたりといった画像処理をおこなえる。

ペンでレタッチが可能。各種設定やデータの送信もペンでおこなえる

同製品はインターネットに接続可能で、パソコンを介さずに、撮影した画像をすぐに編集、送信できるのが特徴だ。PCカードスロットを搭載し、市販の携帯電話/PHS/ISDNカードやNIC(ネットワークインターフェースカード)を使ってインターネットに接続できる。また、コンパクトフラッシュスロットを搭載し、コンパクトフラッシュを記録メディアとして採用した。

リコーではRDC-i700を、現場保守のために状況を的確に把握し伝達したい電気/ガス/水道などの公益企業や、買い付け現場から本部や顧客に仕入れ商品の確認したい商社や卸売業など、撮影した画像をすぐに編集、送信する必要のあるビジネス向けの商品としてアピールしていく予定。

豊富なネットワーク機能

本体にはeメール機能を内蔵し、撮影し、編集した画像を、他のRDC-i700やパソコンとメールで送受信可能。日本語変換システムを内蔵しており、仮想キーボードをペンで操作して日本語入力ができる。本文と写真を送信可能。文字数は、送信時は制限なし。受信時には本文と画像あわせて1通300KBまでとなる。インターネットの接続設定やメールサーバーの設定はタッチパネル液晶でおこなう。FTPクライアントを内蔵しており、FTPによるアップロードもできる。送信時には、用意されているテンプレートを選ぶだけで画像ファイルをHTML 3.2に準拠したHTMLファイル化でき、そのファイルもFTPで送信できる。また、同製品がサポートする2048×1536ピクセル、ファインモードで撮影した画像は1MBを超えてしまい、そのまま送信すると時間がかかることから、同製品では送信時に画像を1/2、1/3などの大きさへ自動的に縮小する機能も備えている。なお、eメールの送受信には携帯電話/PHS/TAを用いて直接インターネットに接続するためのPCカード型モデム/TA、もしくはパソコンを介して接続するためのPCカード型NICが必要。

接続先設定画面。ペン操作で設定を変更できる
メール送信画面。定型分の送信も可能
ソフトウェアキーボード。設定や文章作成などはこのキーボードでおこなう

メール/FTP機能のほか、RDC-i700は、本体メモリーに保存されたデータをサムネイル表示したり、同製品のすべての設定を変更したりといった作業がパソコン側のウェブブラウザーおこなえる“Webサーバー”機能を搭載。装備されているUSB/シリアルポートのほか、PCカードタイプのNICで接続することもできる。プロトコルはUSB/シリアル/NIC接続ともにTCP/IP。タッチパネル液晶からTCP/IPの設定項目を開き、IPアドレスなどの設定をすればパソコンと接続できる。接続したパソコンのウェブブラウザーからシャッターを押せば、撮影も可能だ(ただし、パソコンのモニターをRDC-i700のモニターとして利用することはできない)。

ウェブブラウザーからRDC-i700を見た画面。HTML形式でメニューが表示される
パソコン側からRDC-i700の設定を変更できる

また、RDC-i700では、“○○0001、○○0002、……”などといった連番の数字ではなく、撮りたい写真の具体的な名前を液晶画面で確認しながら撮影できる“撮影リスト”機能を搭載。撮りたい写真の具体名の入った撮影リストは、付属CD-ROMに入っている“撮影リストツールキット”と『Microsoft Excel/Word』を用いて作成、管理する。撮影リストを用いて撮った写真は、インターネット/LANを通じて送信した先のパソコンで、マクロとテンプレート(同梱)を用い、簡単にExcel/Wordへ貼り付けられるという。マクロは一般的なVBA(Visual Basic for Applications)で記述されているので、ユーザーは自分でカスタマイズもできる。

RDC-7をベースにしたカメラ性能

デジタルカメラとしての基本性能は、記録メディアが、RDC-7を含むリコーの従来機種で採用されていたスマートメディアからコンパクトフラッシュType IIに変更され、リコー独自の画素補間技術による3072×2304ピクセルという解像度(“PROモード”)が割愛された以外は、現行のRDC-7と同じ。PCカードタイプの変換アダプターを使用すれば、リコーの従来機種の多くに用いられていたスマートメディアを利用することもできる。また、8MBのメモリーを内蔵しているため、メディアがなくても撮影できる。

CCDは1/1.8インチで、原色フィルターを使用する。総画素数は334万画素で、実効では314万画素。レンズは7群10枚で、焦点距離7.3~21.9mm(35mm換算時は35~105mm)、解放F値2.6~3.4の光学3倍ズームレンズを採用。1.28/1.6/3.2倍のデジタルズームとあわせて、最大9.6倍のズームに対応する。記録解像度は2048×1536ピクセル、1024×768ピクセル、640×480ピクセル。露出調節はTTL中央重点CCD測光式プログラムAEが自動でおこなう。露光補正は+/-2.0EVまで、0.5EVステップで変更可能。

大きさは幅157mm×奥行き93mm×高さ33mmで、重量は約450g(専用リチウムイオン充電池を含まず)。RDC-7(幅135.4×奥行き74×高さ26.6mm、270g(電池含まず))と比べると一回り以上大きい印象を受ける。対応する画像フォーマットはJPEG/TIFF。OpenDML Motion JPEG(※1)に準拠したAVI形式での録画、WAVE形式での録音も可能となっており、32MBコンパクトフラッシュ使用時に15コマ/秒、320×240ピクセルで161秒の録画、モノラル8kHzで66分の録音ができる。

※1 OpenDML Motion JPEG:Open Digital Media(OpenDML)コンソーシアムが策定した、Motion JPEGの規格。Motion JPEGフォーマットを用いて、Windows標準ビデオ形式であるAVI(Audio Video still Image)の性能/機能を拡張する。

PCカードスロット、コンパクトフラッシュスロットを搭載するため、大きく、厚く、重くなった。RDC-7は、胸ポケットに入れておき、撮りたいときに取り出して撮影できる薄さと軽さが特徴だったが、RDC-i700のサイズでは、さすがに無理

電源は同梱のリチウムイオン充電池を使用。バッテリー持続時間は、液晶モニターオン時で撮影約50分、連続再生約60分、連続通信約60分としている。

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