8月30日、ホテル・ニューオータニにおいて開催された“ナショナル セミコンダクターIAセミナー:IAが創る身近なインターネット世界”。このイベントではナショナルセミコンダクター会長のブライアン・L・ハーラ氏による講演のほか、同社のワンチッププロセッサー“Geode”を搭載したIAの展示が行なわれた。本稿では展示製品の中からいくつかをチョイスして紹介する。
IA時代の到来。参加企業は41社
NSのIAへの積極的な取り組み、Geodeのメリットを語るブライアン・L・ハーラ氏 |
サポートOSが多く、ニーズに合った製品を提供できることも、Geodeの利点としてアピール |
参加企業はAcer、Be、Ericsson、加賀電子、セイコーエプソン、日本アイ・ビー・エム、パーソナルメディア、日本エフ・アイ・シー、日本ビクターなど23社。会場はシンクライアント、PAD、STB、DVDのコーナーに分けられ、合計41製品が展示された。
OSにはWindowsCE、Linuxといった馴染みのあるものから、BeIA、QNX、BTRONといった少しマニアックなものまで使用されており、バラエティに豊んでいた。しかし情報端末という点からは、いずれのマシンもハードウェアやOSを意識させない作りになっていた。
大きめのバインダーサイズで手軽に持ち運べる、BeIA搭載のWebPADなども展示されていた |
初公開! GeodeプロセッサーにTRONを移植
また展示会場において、Geode WebPADにTRONを移植したことが発表された。WebPADに搭載されたのは、BTRONの『超漢字』。漢字や世界各国の文字を含む13万の文字が実装されている。
パーソナルメディアのBTRON『超漢字』搭載webPADは、強力な文字表現力をアピール |
IA・ネットワーク事業本部本部長浅尾明秀氏は、TRONの軽快な動作や強力な言語サポートと、Geodeのファンレス、省電力などの組み合わせのメリットをアピール、「今後官公庁などのマーケットも狙いたい」とコメントした。具体的な製品についてはメーカーへのアプローチ中で、半年から1年後との見通しを示した。
ClickTVのSTB。WindowsCEを搭載、IEにわかりやすいインターフェースを付加している。数字入力でジャンプできるサイトが1000用意されている。10/100Baseを基本としており、日本で展開する場合も、動画再生などの能力を活かせるケーブルTVやADSLサービスとの連携を考えているとのこと |
IBMのWBT『NetVista N2200w』など、シンクライアントも多数展示された |
MediaGX搭載のファイバでもデモが行なわれていた |
約900gと小型軽量なピノーのLinuxワークステーション |
QNX対応のSTB用マザーなども展示
さきごろ法人を設立し、日本進出をはたしたばかりのQNX Software Systems社が開発したリアルタイムOS『QNX』に対応するSTB用のマザーも展示されていた。
加賀電子のSTB用マザー。168ピンDIMMを使用、E-IDE、USB×2、ゲームポート、PCカードスロット、CFスロットなどを装備、WindowsCE、95/98/NT、QNXなどに対応している |
セイコーエプソンの組み込み用PC/ATボード。1枚のボードにPCの機能を凝縮している |
ナショナル セミコンダクター ジャパンによるNet-Top-Boxのデモ。DVDプレーヤーと同じチップを使用している。コアはMIPS系となっており、安価に提供できるという |
日本ビクターのDVDオーディオ/ビデオプレーヤー『XV-D721』。DAC、ビデオプロセッサーなどをワンチップ化している |