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スピードネット、定額常時接続実験の開始セレモニーを開催──転送速度は最大3Mbps

2000年08月28日 22時18分更新

文● 編集部 小林久

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スピードネット(株)は、“広域エリアモニター実験”の開始セレモニーを行なった。同社は、光ファイバーと無線LAN技術を組み合わせた定額・常時接続サービスを来年春に開始する予定で、8月から約半年間のモニター実験を計画している。その概要についてはすでにお伝えしたとおりで、埼玉県の浦和・与野・大宮の3市に住む約300世帯が対象となる。

セレモニーには、同社代表取締役社長の和田裕氏、モニター実験が行なわれる浦和市の相川宗一市長などが出席した。

スピードネットの代表取締役社長の和田裕氏

和田氏は「新宿区・文京区・豊島区の250人を対象に昨年行なった実験では、95%のユーザーから良好な評価が得られた」とこれまでの成果を報告。「今回規模を300ユーザーに拡大し、高域エリアでの安定性や高温多湿での耐久性といった技術的側面、加入促進・営業促進などマーケティング面の2つを眼目とした最後の実験を行なう」と実験の目的を述べた。モニター実験には、すでに約850人の申し込みがあり、上々な手応えを感じているという。

相川宗一浦和市長

一方、相川市長は、実験が行なわれる3市は、100万人の人口を抱えた“さいたま市”としてスタートし、関東の拠点となるとコメント。インターネットを中心とした新しい情報通信が必要となる中、スピードネットを始めとした民間企業の取り組みに注目したいと、低価格な常時接続サービスへの期待を述べた。

セレモニー会場には、スピードネットのモニター実験に使用する無線基地局/端末などが展示され、インターネット上のストリーミングサービスなどで回線速度を体験することができた。担当者によると、無線基地局のスペックは最大3Mbpsで、実験では2.4GHzの周波数帯を使用する。ただし、1台の基地局を複数の無線端末で共有するため、実際の転送速度はそれより遅くなるという。今回は約300台の基地局を用意し、それを東京電力の用意する100Mbpsの光ファイバーに接続する。

無線通信は、基地間隔が狭い地域を想定してFH(周波数ホッピング)方式に対応するほか、集合住宅など密集したケースを想定してDS(スペクトラム拡散)技術の導入も検討しているという。なお、昨年の発表時には、企業のビルなどを対象にしたメタル線接続(直収)サービスの提供もアナウンスされていたが、こちらのサービスに関しては現状で未定だという。

電柱に設置される無線基地局
各家庭に置かれる無線アンテナと端末

スピードネットは、今回の実験を最終ステップとして、来年前半の商用サービス開始を目指す。

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