このページの本文へ

ラスエンタープライズ、自動分類機能を備えたメタ検索サービスを開始

2000年08月28日 20時48分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

韓国でインターネット事業を行なっているラス21社の日本法人(株)ラスエンタープライズは28日、複数の検索エンジンを同時に使用し、その結果を項目別に分類してユーザーに提供するメタ検索ポータルサイトサービス“WAKANO(ワカノ)”を、9月1日に正式開始すると発表した。

ラスエンタープライズと韓国ラス21社の代表取締役でCEOのイム カプチョル氏

(※1)WAKANOは、ユーザーが検索しようとするキーワードを、インターネット上の複数の検索エンジンに対して同時に検索をかける。そうして、それぞれの検索エンジンから得られた検索結果を、同社が開発した知能型自動分類(Automatic Clustering)アルゴリズムによって類似した文章ごとに分類し、ユーザーに対して項目別に表示するというもの。韓国では今年2月、ドイツでも7月からそれぞれの言語に対応したサービスを提供している。日本では6月から試験的に開始していた。

※1 WAKANOとは“We Absolutely Know Alpha aNd Omega”(何でも知っている)からとったものという

同社によると、WAKANOが採用した自動分類による検索方式は、“Yahoo!”のようなディレクトリサービス(第1世代)、“Infoseek”や“AltaVista”などのWeb Agentを使用した検索エンジン(第2世代)に対し、第3世代の検索エンジンであるという。

WAKANOのサイト

自己で検索データを持つのではなく、ほかの検索エンジンを利用する、メタ検索エンジンとした理由については「全世界のウェブサイトは10億サイト以上といわれ、文書数は1000億にも上っている。これに対して世界最大の検索エンジンといわれるものでも保有している文書は約160億ページと16パーセントにすぎない。日本国内に限ると最大の検索エンジンでも約1億5500万ページほどのデータしかもっていない。さらに、ウェブページは増え続けており、これに追いついていくことはもはや不可能。WAKANOでは複数の検索エンジンを利用することで、80パーセントまでカバーできる」(同社取締役でインターネット事業担当の尹柱丁(ユン・ジュジョン)氏)とした。

インターネット事業担当取締役のユン ジュジョン氏

WAKANOのサイトでは現在、最大で9の日本語サーチエンジンと10の英語サーチエンジンを使って検索が可能で、それぞれのサ[チエンジンから返される検索結果を項目に応じて分類して表示するほか、重要と思われるサイトを“ベスト参考サイト”として、表示する。ベスト参考サイトの選出は、サーチエンジンでも上位に表示されるものや、複数のサーチエンジンで重複して現れるものから重み付けをして表示するという。

また同サイトでは、メタ検索サービスだけでなく、それぞれの分野専門の検索エンジンサイトを、分野ごとに分類してリンクを提供するという、検索エンジンへのポータルサイトとしての機能も提供している。分野別検索のページでは、その分野のサイトから集められたニュースへのリンクも提供する。現在WAKANOのサイトに登録されている検索エンジンは1200サイト(うち、日本800、米国400)だが、年内に3000サイトに増加させるという。

WAKANO検索サービスはユーザーに対して無償で提供され、誰でも利用できる。サイトの収入は広告収入に頼るとしているが、これとは別に、検索エンジンを、ASP、ISPに向けて販売やレンタルサービスなども行なう予定という。また、PDAに向けて、ウェブブラウザーなしでWAKANOが利用できる『WAKANO for モバイルパッケージ』や、WAPやiモードを使った携帯電話向けサービスも計画中としている。これらの事業によって、2001年末までに9億円の売り上げを目指す。

WAKANOは今後、中国、フランス、英国、カナダ、台湾にも展開する予定で、計画中のインターネットショッピングモールの価格比較サービスを合わせて、多国間の電子商取引サービスによって収入を得たいとしている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン