米国時間の8月22日にIntel Developer Forum Fall 2000がカリフォルニア州サンノゼで開幕した。サンノゼコンベンションセンター向かいのCivic Auditoriumで行なわれたキーノートスピーチの模様を、塩田紳二氏のレポートでお伝えする。
メインはやはり『Pentium 4』
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インテル社社長兼CEOのクレイグ・バレット氏 |
初日の講演者は、インテルのクレイグ・バレット(Craig R. Barrett)社長兼CEOとアーキテクチャグループを率いるアルバート・ユー(Albert Y.C. Yu)上級副社長。
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インテル社上級副社長 アーキテクチャグループジェネラルマネージャのアルバート・ユー氏 |
このキーノートスピーチのメインは、社長ではなく、プロセッサ開発の親玉であるユー副社長のほう。社長の話を要約すると、インテルはインターネットを構築するためのビルディングブロックを提供する会社になるというような話。ネットワーク関係のデバイスやビジネスを手がけるインテル全体をどうまとまったものに見せるかということで、このような表現になったのだと思われる。また、ここでもPeer-To-Peer Computingの話が出たが、ビジネス分野での応用があるといった程度の話で、詳細は、24日のパット・ゲルシンガー(Patrick P. Gelsinger)副社長のスピーチまで待てということだった。
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Pentium 4は、従来のP6アーキテクチャに対して“NetBurstマイクロアーキテクチャ”という名前を持つ。インテルは、このアーキテクチャで急激なクロック上昇を計画しているという |
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スライドで示されたPentium 4のチップ写真。従来の1次キャッシュに代わり、マイクロコードをキャッシュするTrace Cacheが置かれ、さらに2次キャッシュであるAdvanced Transfer Cacheがある |
ユー上級副社長のスピーチのハイライトは、話題の『Pentium 4』について。2GHzで動作させるデモが行なわれ、時期は未定であるが、2GHz版Pentium 4を出荷する予定であることが明らかにされた。なお、当日はAMDもコンベンションセンターとなりのホテルで記者会見を開き、クロックよりは64bit化したx86互換プロセッサである『Hammerシリーズ』に力を入れる旨の発言があった。確かに64bit化させて、それにアプリケーションやOSが対応すれば、パフォーマンスがあがるのも事実だが、Pentium 4との競争では、32bitコードでの勝負になり、クロック周波数が重視されることになる。このあたり、コア世代が新しくなるPentium 4のほうが有利で、AMDもだからこそ、クロックを重視するような発表ができなかったのだと思われる。
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動作クロックを上昇させていきPentium4が2GHzを越えたデモの画面 |
また、1GHz版の『Pentium III Xeon』の発表も行なわれたが、こちらはすでにデスクトップ用のPentium III最高クロックが1.13GHzとなっていることもあり、インパクトは低い。
もう1つ、モバイル用のプロセッサについては、CPUの消費電力は、ノートパソコン全体の消費量のごく一部にしか過ぎず、ピークではなく平均値で消費電力を見るべきというような話もあった。ワープロアプリケーションの実行中の消費電力は850mW程度なのだという。これは、おそらく米トランスメタ社の『Crusoe』を意識してのことと思われる。インテルがいいたいのは、低消費電力というのなら、プロセッサだけでなく、チップセットや他のパーツなど、システム全体の消費電力を考えるべきということなのであろう。
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IDFの会場となったサンノゼコンベンションセンター。なんでも、前回まで使っていたパームスプリングスの会場が手狭になったために、インテル本社に近いここに移ったのだとか |
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キーノートスピーチが行なわれた“Civic Auditorium”。ここは、コンサートなども開ける本格的なホール。コンベンションセンターのホールよりは人数を収容できるようだ |