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日立、小型CCDカメラを搭載した文字・画像入力デバイス『LinkStick』を発表

1999年12月01日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)日立製作所は12月1日、文字・画像入力デバイス『LinkStick(リンクスティック)』を発表した。これは、本体ボディに搭載されたVGA対応の小型CCDカメラで印刷物を撮影し、USB経由でデータをパソコンに転送、文字・パターンの認識を行なうための入力装置。ビジネス、コンシューマーの両市場に向けて発売される。2000年1月10日出荷開始で、価格は2万3000円。販売目標について、発売後1年間で約1万台としている。

『LinkStick』(試作機)。銀色部分がハンドル、左上部がCCDカメラ、カメラ下の突起がシャッターボタン。左下の細長い突起を撮影する紙にあてることで、ピントが合うようになっている
『LinkStick』(試作機)。銀色部分がハンドル、左上部がCCDカメラ、カメラ下の突起がシャッターボタン。左下の細長い突起を撮影する紙にあてることで、ピントが合うようになっている



『LinkStick』の機能は、以下の2つ。(1)動画・静止画の撮影と保存(640×480ドット、1677万色。動画はAVI形式、静止画はBMP/JPEG形式)、(2)OCRエンジンによる文字・パターン認識。

文字認識の場合、CCDカメラで撮影した静止画をUSBを経由してパソコンに入力、OCRエンジンを搭載するドライバーソフト『LinkStickプログラム』によりデータ解析を行ない、さらに辞書ソフトなどにそのまま入力することもできるという。ここでいう辞書ソフトなどの、最終的に文字データを使用するソフトについては、予めソフトと文字データの入力場所を『LinkStickプログラム』に対し登録する必要がある。

『LinkStickプログラム』を使って文字解析を行なっている画面例(試作)。左上が撮影画像で、右上が白黒のみの2次解析を行なったもの。解析範囲(後述)が青枠で指定されており、画面下にその文字が表示されている
『LinkStickプログラム』を使って文字解析を行なっている画面例(試作)。左上が撮影画像で、右上が白黒のみの2次解析を行なったもの。解析範囲(後述)が青枠で指定されており、画面下にその文字が表示されている



パターン認識は、Windowsアプリケーションのウィンドーの“最大化”やアプリケーション“終了”といった動作を行なわせるもので、同機には、『Word』や『Excel』『PowerPoint』のコマンドが出荷時に登録されている。同社はこのコマンドに対応したマークの画像データを用意し、ユーザーがこれを印刷した上でCCDカメラで撮影すると、その動作が『Word』などに反映されるという。

現段階でユーザーが任意のソフトのコマンドを追加することはできない*が、同社のパソコン『FLORA』のバンドルソフトなどをはじめ随時対象ソフトを拡大し、同社のサイトでダウンロードサービスを行なう予定になっている。

*
ビジネスモデルとしては、個別相談は受けつけている

文字・パターン認識とも、40×30mmの範囲が解析の対象で、紙に印刷されたコントラストが明瞭な文字や画像に対して動作が確認されている。なお、URLについてはパターン認識の方法をとっており、任意のURLを『LinkStickプログラム』に登録しておくことで、紙に印刷されたURLを撮影しウェブブラウザー(Internet Explorer 5.0以上)に自動入力させることもできる。

『LinkStick』の使用例。紙を撮影している
『LinkStick』の使用例。紙を撮影している



『LinkStick』はインターフェースとしてUSBコネクターを搭載し、電源はUSBケーブルより供給する。イメージセンサーは1/4インチCCDで、総画素数は35万画素(有効画素数は32.5万画素)。焦点距離は37.5mm。本体サイズは幅21×奥行き123×高さ53mmで、重さは130g。対応OSはWindows 98。

また、同社はソフトウェアハウスなどに向け『LinkStick』の開発キットの販売を予定している。このキットを用いることで、文字・パターン認識に対応した通信販売用カタログや、同じく学習教材といったアプリケーションを開発できるという。

このキットにより、紙面の情報に対し、マルチメディアコンテンツのリンクが可能になる。一例としては、学習用のテキストと、動画などの学習用マルチメディアコンテンツを収録したCD-ROMなどを合わせて配布。テキストの所々に学習内容に対応した動画再生用のコマンドを印刷し、生徒が『LinkStick』を使ってそれを再生--といった用法が想定される。

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