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NEC、指紋認証システムを搭載したモバイルギアを発表

1999年11月29日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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日本電気(株)は29日、同社の携帯情報端末『モバイルギアII』シリーズに指紋認証システムを搭載した『MC/R730F』を追加したと発表した。同社が開発した指紋認証システム“SecureFinger”を採用し、本体に指紋センサーを搭載する。ユーザー認証に指紋照合を用いることで、セキュリティーの強化をはかっている。企業向け製品で2000年1月31日出荷開始予定で、価格は16万5000円。

『MC/R730F』
『MC/R730F』



指紋センサー
指紋センサー



“SecureFinger”システムは、今年5月にWindowsパソコンの外付け用指紋センサーが、また10月には企業向けノートパソコン搭載型センサーが製品化されている。今回発表した『MC/R730F』では、“SecureFinger”センサーで指紋を読み込み、マシンに搭載された認証用のソフトで情報を分析する。ユーザーの指紋は、画像データとしてではなく、指紋の線の分岐点やミゾの幅といった特徴で記録され、分析/照合するのが特徴となっている。指紋認証のアルゴリズムは従来製品と同様。

ユーザー登録画面
ユーザー登録画面



指紋の登録については、管理者が登録を行なった後、一般ユーザーが登録を行なう。管理者は、マシンに登録する全てのユーザー情報の編集機能にアクセスする権利を持つ。管理者と一般の登録者はどちらも、指紋の登録、ユーザーID、ユーザー名、パスワードを初回に登録する必要がある。マシンの利用者は、電源を入れた際に、ユーザー名と指紋の認証を求められる。ユーザー認証にかかる時間は、センサーに指を置いてから約5秒程度。指紋認証のほか、登録パスワードでの認証もできる。管理者・一般登録者ともに、登録者数の制限は設けられていない。

なお、『MC/R730F』発売時に対応している指紋認証は、マシン起動時に行なうもののみ。“SecureFinger”に準拠したアプリケーション開発キットの販売開始は、2000年1月末の予定となっている。

『MC/R730F』の基本スペックは、CPUがVR4121-168MHz、メモリーが32MB。9.4インチのカラーSTN液晶ディスプレーを搭載する。液晶サイズは800×600で、6万5536色の表示が可能。ディスプレーはタッチパネルに対応している。

インターフェースは、USB×1、IrDA 1.1準拠赤外線ポート×1、シリアル×1、外部ディスプレー×1、モジュラージャック(RJ-11)×1で、カードスロットはType II×1のみ。FAXモデム(V.90対応56Kbps)を内蔵し、通信用インターフェースは、デジタル通信電話(PDC/DoPa/cdmaOne)とPHS(PIAFS 2.0)。本体サイズは、幅245×奥行き189×高さ26.6mmで、重さは約1.1kg。キーピッチは16.5mm。専用充電池としてリチウムイオンバッテリーパックが付属し、充電時間は最大約5時間で、駆動時間は最大8時間となっている。

『MC/R730F』のOSは、Windows CE,Handheld PC Professional Edition,Version 3.0。日本語システムは、(株)ジャストシステムのATOK Pocket for Windows CE。搭載ソフトは、『Microsoft Pocket Word』『Microsoft Pocket Excel』『Microsoft Pocket PowerPoint』、『Microsoft Pocket Access』、『Microsoft Pocket Internet Explorer』、(株)コムユースのファイル暗号・複合化ソフト『鍵太郎 for CE Ver 2.5』など。

なお、同社は併せて、現行のモバイルギアIIのビジネスモデル『MC-R700』の後継機として、『MC-R730』を発表した。基本スペックは、『MC-R730F』と同等だが、指紋認証センサーを搭載せず、カードスロットとしてType II×1のほかコンパクトフラッシュカードスロット(Type II)×1を搭載する。12月13日出荷開始で、価格は15万5000円。

同社は販売目標として、『MC-R730』を月1000台、『MC-R730F』を月3000台としている。

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