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【オーディオエキスポ'99レポート Vol.1】フラッシュメモリーを採用した携帯型デジタルプレーヤーが多数展示

1999年11月18日 00時00分更新

文● 編集部 鹿毛正之

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18日からの4日間、東京・お台場の東京ビッグサイトにて、オーディオ/AV機器の総合展示会であるオーディオエキスポが開催されている。主催は(社)日本オーディオ協会。

今回のオーディオエキスポにおける見所のひとつとして、フラッシュメモリーを採用した携帯型デジタルプレーヤーの展示が挙げられる。MP3プレーヤーの普及で人気が高まっている携帯型デジタルプレーヤーだが、オーディオメーカーの製品は数少ない。ここでは、会場に展示されていた製品を紹介する。

ソニー『メモリースティックウォークマン』

オーディオメーカーとしていち早く携帯型デジタルプレーヤーの“メモリースティックウォークマン”『NW-MS7』を発表したソニー。会場では5台のNW-MS7をデモ展示し、多くの入場者が試聴していた。

  

視聴できる状態で展示されていたメモリースティックウォークマン。VAIOからデータを転送するデモも行なわれていた。視聴できる状態で展示されていたメモリースティックウォークマン。VAIOからデータを転送するデモも行なわれていた。



メモリースティックも64MBモデルの『MSA-64A』をはじめ、32MB/16MB/8MB/4MBの各モデルを展示。ちなみに価格はそれぞれ2万円/1万2000円/7000円/4400円/3300円とのことだ。著作権保護技術の“MagicGate”を採用したメモリースティックの『MGメモリースティック』も展示されていたが、こちらは参考出品にとどまっていた。

メモリースティックウォークマンを試聴する入場者。会場内でもこのコーナーは一番人気だったメモリースティックウォークマンを試聴する入場者。会場内でもこのコーナーは一番人気だった



ソニーではほかに、メモリースティックを利用した携帯型プレーヤーの参考製品も展示。ヘッドホン組み込み型のコンパクトなプレーヤー『Sports Walkman』は、製品化も近そうな出来映えだった。ほかにはデジタルプレーヤーではないが、すでに発売中の“メモリースティックICレコーダー”の『ICD-MS1』も、実機がデモ展示されていた。

『Sports Walkman』。可動部を持たないデジタルプレーヤーだからこそ、ここまで小型化できる『Sports Walkman』。可動部を持たないデジタルプレーヤーだからこそ、ここまで小型化できる



ICD-MS1は3台を展示、若者よりも年齢層の高い入場者が興味を示していたICD-MS1は3台を展示、若者よりも年齢層の高い入場者が興味を示していた



パイオニア“MEMORY-AUDIO”

ソニーからメモリースティックのライセンスを受けているパイオニアでは、“MEMORY-AUDIO”という名称で、携帯型プレーヤーの展示を行なっていた。外見が携帯電話に似ているポータブルメモリープレーヤーの『MS-X1』は、すでに試聴が可能な状態でデモ展示。5色のバリエーションを揃え、女性にも受けそうなデザインが印象的だ。

パイオニアの『MS-X1』。両端の2台は試聴が可能パイオニアの『MS-X1』。両端の2台は試聴が可能



ほかにも、メモリースティック対応のラジカセ型ポータブルプレーヤーや、CDプレーヤー内蔵のプレーヤーも参考出品されていた。

ラジカセ型の“メモリーミニコンポーネント”ラジカセ型の“メモリーミニコンポーネント”



CDプレーヤー型の携帯プレーヤーは、録音機能も備えているCDプレーヤー型の携帯プレーヤーは、録音機能も備えている



ビクター“ウェイブレスラジオシステム”

日本ビクターでは、“ウェイブレスラジオシステム(WLR)”に対応した携帯型プレーヤーの『WLRデジタルミュージックプレーヤー』を参考出品。WLRは、圧縮にNTTが開発したTwinVQを利用したフォーマットで、著作権保護と課金システムまで含めたシステム全体の呼称でもある。企画の策定はWLRコンソーシアムが行なっており、現在NTTコミュニケーションズ、ジャパン・デジタル・コンテンツ、ダイナウェア、日本ビクター、ハミングバードネットワークの5社が加盟している。

ビクターのWLRデジタルミュージックプレーヤー。大きさはタバコの箱くらい。デモ機では、内蔵フラッシュメモリーを利用しているビクターのWLRデジタルミュージックプレーヤー。大きさはタバコの箱くらい。デモ機では、内蔵フラッシュメモリーを利用している



WLRの仕様はまだ固まっていないが、著作権保護技術を含むことから、ID埋め込みに対応したMGメモリースティックやスマートメディアをメモリーとして利用すると見られている。ビクターのブースには、ハミングバードネットワークが開発したダウンロード端末の“ストリートラジオ”も展示。これは音楽コンテンツキオスクともいえるもので、携帯プレーヤーへのデータ転送方法などはまだ未定だが、ダウンロード時に課金を行なう方法の具体例が提示された形だ。

ストリートラジオの操作画面。視聴は45秒間で、課金金額はコンテンツ毎に設定できる。金額をゼロに設定してプロモーションに利用することも可能だストリートラジオの操作画面。視聴は45秒間で、課金金額はコンテンツ毎に設定できる。金額をゼロに設定してプロモーションに利用することも可能だ



ケンウッド“音楽配信対応オーディオ”

ケンウッドでは、“音楽配信対応オーディオ”という名前で携帯型プレーヤーを参考展示。デバイスの形態ではなく、利用方法から名称を取っているところに特徴がある。同社ではラジカセ型のプレーヤーや携帯電話型のデバイスも展示しており、携帯型プレーヤーは“メモリーカード対応プレヤー”という名称で出品されていた。展示機はMMCカード対応だったが、ブースにはメモリースティックとSDカードも展示されており、柔軟な対応姿勢をアピールしていた形だ。

ケンウッドの“メモリーカード対応プレヤー”。この時点で試作機が4種類もあるという点からも、開発の進み具合が伺えるケンウッドの“メモリーカード対応プレヤー”。この時点で試作機が4種類もあるという点からも、開発の進み具合が伺える



リングを備えたデザインが斬新。すでに視聴が可能な状態で展示されていたリングを備えたデザインが斬新。すでに視聴が可能な状態で展示されていた



Panasonic--SD Memory Cardをアピール

松下電器産業(Panasonic)は、“SD Memory Card World”と題したコーナーを設置し、同社のSDカードを大々的にアピールしたいた。

展示品はすべて参考出品だが、携帯型プレーヤーとしては『SD Music Player』を展示。薄型のボディーが特徴的だ。ほかにも腕時計型のプレーヤーを展示するなど、SDカードに大きく力を入れているのがありありと伝わってきた。

Panasonicの『SD Music Player』Panasonicの『SD Music Player』



視聴が可能だった『SD Music Player』には、多くの入場者が集まっていた視聴が可能だった『SD Music Player』には、多くの入場者が集まっていた



ほかにも携帯型プレーヤーではないが、SD対応のファックスやテレビ電話、さらにはデジタルカメラや電子メール端末も展示されており、家電に強い松下の技術力を大きくアピールした形だ。

SD対応の電子メール端末は、デジタルビデオで撮影した動画も送信できるというのがウリだSD対応の電子メール端末は、デジタルビデオで撮影した動画も送信できるというのがウリだ

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