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【西暦2000年問題】アルファ・オメガソフト、西暦2000年問題対策ソフト『CHECK 2000』日本語版を発表

1999年05月31日 00時00分更新

文● 編集部 原武士

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(株)アルファ・オメガソフトは、西暦2000年問題(Y2K問題)への対応をチェックするソフト『CHECK 2000』日本語版を発売した。

このソフトは、英Greenwich Mean Time社(GMT)が開発したもので、コンピューターの“BIOS”、“OS”、“アプリケーションソフト”、“ユーザーデータ”、“データ交換”という5種類のカテゴリーに対して、それぞれが“西暦2000年問題”に対応しているかどうかを検査するもの。対応していなかったり、対応していない疑いがあるところをリストアップし報告する。

製品は、スタンドアローン環境向けの『CHECK2000 DELUXE』(7800円)と、ネットワーク環境向けの『同 Client Server』(5ライセンスパック3万9000円)の2種類が用意されている。対応OSは、DELUXEがWindows 95/98/NT 4.0、Client ServerがWindows 3.1/95/98/NT 4.0およびMS-DOS 6.2以上で、両製品とも6月9日に発売する。

昨年12月の発表時点では、2月の発売を予定していたが、日本語アプリケーションの情報収集に予想以上に手間がかかったためこれだけ発売が遅れたという。

【関連記事】アルファ・オメガソフト、西暦2000年問題対策ソフト『CHECK2000』発売
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/981214/soft05.html

代表取締役の佐々木隆仁氏は、同ソフトの発売について次のようにコメントした。

「日本には2000年問題に取り組んだソフトウェアがなかった。そして、日本では2000年問題への対応が普及しないまま、現状に至っている。先進国の中で対応が一番遅れている日本は、最後に残された大きな砦だといえる。このソフトの発売により、2000年を安心して迎えられるようになればと願う」

代表取締役の佐々木隆仁氏
代表取締役の佐々木隆仁氏



ascii24編集部では、佐々木氏に西暦2000年問題についてインタビューした。インタビューの内容については関連記事を参照してほしい。

【関連記事】【INTERVIEW】「西暦2000年問題、残念ながら日本はもう手遅れ」----アルファ・オメガソフトの佐々木隆仁社長
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990531/keyp02.html

まずは西暦2000年問題を認知する

日本語版の発売にあわせて来日した、英Greenwich Mean Time社のCEO、Karl W.Feilder(カール・W・フィーダー)氏は西暦2000年問題について例を取り混ぜながら説明した。

2000年問題について説明するフィーダー氏
2000年問題について説明するフィーダー氏



ascii24編集部ではフィーダー氏にも西暦2000年問題についてインタビューした。インタビューの内容については関連記事を参照してほしい。

【関連記事】【INTERVIEW】「西暦2000年問題は、迫り来る汽車を前に線路に立っているようなもの」----英GMT社CEO、フィーダー氏
http://www.ascii.co.jp/ascii24/call.cgi?file=issue/990531/keyp03.html

「2000年問題というのは非常に複雑な問題だ。2000年問題を恐ろしいと考える前に、それがどういった問題であるかを理解する必要がある。2000年問題への対策手順には3段階のフェーズがある。それは、認知して、理解して、実行することだ」

「パソコンにおける2000年問題は5つの層に分けて考えられる。“BIOS”、“OS”、“アプリケーションソフト”、“ユーザーデータ”、“データ交換”だ。2000年問題全体を考えるときは、この5つのほかに、メインフレーム、組み込みチップなどの問題を組み合わせたすべてについて取り組む必要がある」

「2000年問題がここまで拡大した理由の1つに、対応が非常に遅れたということがある。アメリカもフランスも日本もみんな対応が遅れている。2000年問題は各国ごとの問題ではなく世界規模の問題である。その中でも日本の対応の遅れは顕著だ」

2000年問題は2000年だけで済まない

「多くの企業ではパーソナルコンピューターにミッションクリティカルなアプリケーションがインストールされ、使用されている。したがって、パーソナルコンピューターから起こる影響は深刻なものになるだろう」

「2000年問題は2000年1月1日だけの問題ではない。パソコンレベルにおいては2000年1月1日に問題が起こることは、そんなに重要ではない。大きな問題が発生するのは1月31日や、2月29日、3月の決算の締めのときなど、さまざまな日付について考えられる」

ハードウェアの問題は氷山の一角

「2000年問題は氷山。そして、BIOSなどハードウェアの部分に発生する問題は氷山の一角である。この氷山の一角は2000年問題の中で一番小さな部分だ。これらは、症状が目に見えるだけに理解しやすく、比較的に修正しやすい。しかし、2000年問題は対応しているかいないかの単純なYES-NOでは表わせない複雑な問題だ」

「海に沈んでいる氷山の部分では、データ共有部分が一番難しい。'90年代に入ってプログラム同士がデータのやり取りをはじめた。しかし、データ(Data)の互換はできたが日付(Date)の互換はできなかったのである」

西暦2000年問題の発生事例

「ユーザーデータにおける2000年問題は、年号を2桁で記録したものに発生する。2桁の年号で作成したユーザーデータの修正はもう1度、日付をタイプしなおさなければならない。例えば、マイクロソフトのホームページではExcelが2000年問題に対応していると表示されている。しかし、最新バージョンでもセルの表示方式によっては、入力されている年と表示されている年が異なってしまうのである」

「Lotus 1-2-3で作ったデータをExcelで読みこむ、クワトロプロからExcelにデータをカットアンドペーストする、Excelのデータをクワトロプロに貼り付けなおす。操作は可能だが、元のデータと変換したデータで日付のズレが発生してしまう。これらは、データの互換性はあるが、日付の互換性がないという良い例だ。そして、これは何百ものプログラム間で存在する問題だ」

「この問題はVBで作成するOLEでも発生している。解決するにはネットワーク上に存在する全てのExcelデータを検証する必要がある」

2000年まであと6ヵ月

「日本には5000万台のパソコンがあると聴く。この問題の検証には時間がかかる。2000年までの時間が残されていない現在、西暦2000年問題への対応は、ツールなしには不可能だ。いままで、日本語で2000年問題をチェックするツールがなかったことを残念に思う。今からでも遅くない、自分たちの判断で2000年問題に立ち向かってほしい」

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